君たちはどう生きるか

趣味

2023年7月に公開された、ジブリ宮崎駿監督の最終作品(と言われている)映画を、今更ながら観てきた。六本木ヒルズの映画館でいまだに1日2本ずつ上映している。息の長い作品。

レイトショーだったから映画館には数名しかおらず、観終わったら24時前になっていた。夜の映画館の空気感はとても神秘的。

君たちはどう生きるか。

この問いを、ジブリ化したうえで、宮崎駿監督の”生き様”として映画にした作品という印象。

事前情報なしで見に行ったわけだけど、ネタバレなどはネットでたくさんの情報が溢れているから興味があれば見てみて欲しい。
映画自体はサクッと繋がるストーリーというわけではなく、今までのジブリ作品や「ジブリ」という一大プロジェクトの伏線が多分に仕掛けられている。

「千と千尋の神隠し」と新海誠映画の世界観をミックスしたような世界観。

僕は映画を観ただけでは「君たちはどう生きるか」という壮大な問いやメッセージは受け取れなかった。笑

世界はバランスである。ということを積み木(積み石)で表現しているところは、理系ゴコロを揺さぶられるものの、描写の感じは僕は新海誠映画の方が好みかもしれない。

宮崎駿監督の幼少期に見た景色(東京を通して見る太平洋戦争)をコンテンツにしているわけだけど、映画を観たり小説を読んだりというインスピレーションがあると、僕ら自身も昔見た景色やイメージが蘇ってくることがある。

僕自身は戦争を体験しているわけではないけれど、僕の祖父母世代は戦争ど真ん中で、戦火を潜ってきている。目の前で兄弟が撃たれて亡くなるとか、兄弟姉妹を抱えて逃げるとか、そんな世界。

僕の両親(祖父母にとっての子ども)には戦時中のリアルな話はあまりしていなかったようで、孫の僕にはたくさん話してくれた。僕の戦争のイメージは、特に祖母を通して語られてみていたもの。

僕は大学を卒業するまで地元に20年ちょっといたわけだけど、その20数年の間にものすごく変わった。戦後60年を考えると、もっと大きな変化があったのだろう。日本全体は高度経済成長を遂げ、社会全体が前に進んでいた時代。

そんな社会を眺めるイメージが、どこかしらシンクロするからこそ、世界観が表現される映画や物語というのは、心が揺さぶられるのだと思う。

どう生きるか?という問いを考えるきっかけは、物語に触れるところにあるかもしれない。