エリートが経営をしてなぜ会社を傾けてしまうのか・・

経営者向け

経営交代は明らかに時間の問題だと思われていた大塚家具が、ヤマダ電機の子会社となり経営再建を図るという。
(経営再建は本当に時間の問題だったと思いますが、、御家騒動ですね)

ご存じない方もいらっしゃるかも知れませんが、家具メーカーとしてはかなり大きな上場企業だった同社が、経営方針の違いによって創業者である大塚勝久・前社長から娘の大塚久美子・現社長へ経営者交代をする際に、やれ社内の派閥がどうだとか裁判がどうだとか、一時期かなりニュースに取り上げられていました。

結局、父娘が揉める御家騒動に社内外の人々が巻き込まれる形で、娘の久美子社長が経営を担う形となり、勝久前社長は新しい会社を別で作る形で(一応は)決着がつきました。

客観的にみるとやっぱり現在の久美子社長に就任後は業績悪化の一途を辿っていて、別会社を作った勝久・前社長のほうは順調にやっているということから、経営者の手腕が問題であったことに疑いはないのですが・・

久美子社長は超エリートだった(はず)

今回の話で面白いのは、よくある「ボンクラ息子」が後を継いで家業が傾いたという中小企業あるあるの話ではなく、久美子社長はかなりのエリート街道を突き進んで今の席に座っているのだということ。(一橋大学→大手金融→コンサル)

ビジネスパーソンとして優秀な人が必ずしも経営者として優秀とは限らないという通説のような例なのですが、もちろん優秀な人(コンサルとかね)は自分で事業をしたり経営のハンドルを握ると、他の人たちよりは圧倒的にうまくいく確率は高い。

けれども、今回は違ってしまったというのが、客観的な結果論。

大塚家具 ヤマダ電機


このニュースを見て思いだしたのは、優秀なコンサルタントが会社を潰すという裏側の赤裸々が語られた本の話。

 
コンサル業界に行きたいという就活生のオンパレードであるいま、僕の立場から見える業界について書いた記事もあります。

自分自身への戒めも込めて書くのですが、「御社こうしたが良い」「利益を上げるためにはこうしよう」という提案をするコンサルのような外部の人間は、「そこまでいうなら実際にあなたがやって見せてください」と言われて明日からでも経営者に替わってでも、自分自身が100%の自信を持ってやれると思うものでなければ、クライアントの企業に提案をすることがあってはならないのだと思うのです。

「ああすべき」「こうしたほうがいい」というのは、外から言えます。
でも、いざとなったら自分自身が担ってでもいける!思える内容を語っているのか否かという差はかなり大きい。

戦略論を語れる人というのは、ほんのほんの一握りの人たちであるはずだし、少なくともそれはあなたたちではないのです。コンサル会社にいるサラリーマンが全員、経営者と同じようなテンションで覚悟とリスクを背負ってやれるわけがないのです。

大塚家具さんや久美子社長をディスっているわけではないですよ、念のため。