生き延びるためには後悔している暇はない【映画感想】ローザは密告された
僕がこの1年くらい(?)大阪でお世話になっているとある企業の役員の方がいます。
ひょんなことからご縁が生まれ、定期的に足を運んでいるうちに、気づけば仕事の枠を超えていろいろな話をするようになっていました。
政治のこと、社会のこと、小説のこと、そして何よりも映画のこと。笑
ものすごく博識な方で、話題の引き出しが多分にあって、話が尽きません。
まだ一度も飲みもご飯も一緒に行ったことはないのですが、いつか行ければ。と勝手に思っています。はい。
生き延びるためには後悔している暇はない
ひょんなことから映画の話になりました。
僕も割といろいろな物語や映画に触れている方だとは思いますが、その方の博識なこと。
ひとつオススメをしてもらった映画が、よくある欧米の映画ではなくて、フィリピン映画だったというのがまたおしゃれ。
物語の舞台はフィリピンのスラム街。1人の中年女性「ローサ」とその家族が主人公。
ローサはマニラのスラム街で小さな雑貨店を家族で経営している。家計のため、少量の麻薬を扱っていたが、ある夜、密告からローサ夫婦は逮捕される。麻薬売人の密告要求、高額の保釈金……警察の要求は恐喝まがいだ。この危機をどう脱するのか? ローサたち家族は、彼らなりのやり方で横暴な警察に立ち向かう。
スラム街の麻薬戦争を主軸に、現代版「レ・ミゼラブル」のような物語の印象。
「生きる」に向き合う人々と、どうしようもない格差社会との対比があまりにもリアルで、映画ということを忘れどこかドキュメンタリー映像のように思える素晴らしい映画でした。
「生き延びるためには後悔している暇はない」という強烈なメッセージもそうですが、僕にはどこか近未来の日本社会を風刺しているようにも思えた。
日本という国は今、経済的に縮小の一途を辿っているわけで、これから先豊かになることはほとんどありえないわけです。(反論がある人がいればどうぞ。笑)
物価は安い、経済は停滞する、海外から人々がたくさん流れてきて、日本人の本当に優秀な層は海外に行ってしまう。
そういう「空洞化された日本」というのは、わりと現実味を帯びているように見えるのですが、いかがでしょうか。
そうなると何が起こるのか。
まず、今のように治安が良い国ではいられなくなるわけです。
貧困という名の二極化が進むことで、街は所得によって住む場所が自然と区分けされるようになるはずです。
裕福層が住むエリアはこっち、その他大勢の貧乏人が住むエリアはこっち、という風に。
犯罪が少しずつ増え、裕福層の人たちは自衛をするようになります。
ようは、自前でガードマンや警備の人を雇い、貧困層の人たちがうかつに入ってこれない居住エリアを築き上げることになるはずです。
年収は下がり、未来は暗く、政治は腐敗。
とはいえ「頑張ればどうにかなる」というような、貧しいけれど希望を抱いていた戦後のようなエネルギーはありません。
そんな時代に、僕らは何を希望として生きるようになるのでしょうか。
とまあ、暗い話を書きましたが、今を生きる自分自身にとっては割とどうでも良い話だったりもするわけです。
大事なことは、今をちゃんとこの足で歩くということ。情報から断絶されないでいるということ。この2つだと思うのです。
その方が過去にずっと書いていたというブログを教えてもらいました。なんと1,500記事を超えているという!
最近更新をやめているそうなのですが、個人的にはまた再会をしてほしいなあ。。(ぼそっと)
僕も改めて、社会を見つめて書き綴る思考の記録としてのブログを、書き続けたいと感じた今日の日でした。
いつもありがとうございます。
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