7年ぶりに母校の高校生たちに話をしてきました!part2
僕が2月に母校の高校にいって、高校生と話をした日のことを書いています。
part1の続き。
話したこと前半(ビジネス寄り)
質疑応答スタイルで話したことを、覚えている範囲で。
・「なんで起業をしようと思ったのですか?」
→
会社員(大阪)時代に、知り合いの経営者の方からお仕事をお願いされて、初めて会社員以外で個人の名前で仕事をして稼ぐ経験をした。
はじめて給料以外で一円を稼ぐ経験をして、しかもそれが結構な額だった。
そこから色々と個人で仕事をしていく機会も増え、3年前に大阪から東京に行ったタイミングで、一緒に仕事をしたい人たちもいたこともあり、会社を作る流れとなった。
・(その話を聞いていた先生からツッコミ)「いくら稼いだか気になるよね??笑」「聞いてみたい!!」
→
全部言えるわけじゃないけど、例えば経営者の方と大阪梅田のホテルで月に1回、2〜3時間の打ち合わせをしていて、月に10万円いただいていた。時給換算すると5万円(!)。もちろん金額が全てじゃないし仕事によって変わるけど、初めて個人で仕事をするということの基準になった。
・「大学でどんな学部を選んでいたんですか?経営学部とか経済学部行けば経営者になれますか?」
→
大学の学部選びと、経営者になるとか仕事をしていくというのは、あんまり関係ないと思う。大学はたった4年間しか学ばないし、その大半は遊んでいるでしょ。笑 でも社会に出ると30年コースで自分の仕事とか生き方を考える必要があるから、4年間で学んだ専門性なんてたいしたことなくて。
僕自身は地元の国立大学の理学部に入って、物理学科に進学した。中高時代から物理学を勉強したくて選んだから、良かったと思っている。
・「自分で経営をしていたり、会社員時代に仕事をしていて、仕事はどうやって作っているんですか?」
→
すごい質問だね。笑 僕の場合はやっぱり紹介。あんまり自分から営業して売り込む感じではない。医者や弁護士が自分から売り込むことはしないでしょ?それと同じ。ただ、どうやって信頼してもらえるか?経営者を紹介してもらえるか?にはすごく知恵を絞っている。
しかしこういう質問が高校生から出てくるあたりは、すごいなーと思う。
「どうやって仕事をとっていたんですか?」って、普段ビジネスのことに触れる機会がないと、あるいは考える機会がないと、なかなか出てこない質問だと思う。
・「コンサルティングにおいて自分の専門外のことを相談されたときはどうしているんですか?」
→
これもすごい質問。笑
まず、コンサルティングにも色々あるのだけど、大きくざっくり「専門性があるコンサルティング」と「専門性は関係ないコンサルティング」の2つに分かれる。
専門性というのは皆さんがイメージしやすい「弁護士」とか、あるいは「〇〇業界に詳しい」とか、そういうやつ。
で、僕の場合は専門性が関係ない「経営に対してのコンサルティング」を行っているわけで、専門性は関係ないと考えている。もちろん企業のことや業界のこと、知らないことは勉強するけれど、知らないからといって無理というわけではない。
特定の知識やスキルを持っているような、いわゆる専門領域の人たちは、いくらでも優秀な人が外にいるわけで、その人たちを連れてこれば良い。でも、経営相談したいと経営者に思ってもらえる信頼関係を構築したり、仕事を作ることが難しいし、そこに独自性があると考えている。
専門性というのは一見すごく良い言葉に聞こえるけれど、よほどの専門性じゃない限りは必ずもっとすごい専門性があるから、専門的かどうかというのは今の僕の仕事においてはあまり関係ない。
・(上の続きの話で、仕事の商流の考え方について)
→
皆さんの多くは大学に行った後、卒業して企業に就職をする人が大半だと思う。
もちろん最初は分からないことがたくさんあるから、1つずつ仕事ができるようになって、できることが増えて、というのを繰り返していく。
僕の場合ももちろんそうだったのだけど、僕が考えていたのは、できる限り早いタイミングで「人に仕事をお願いできるようになろう」というもの。
皆さんは優秀だし、勉強も得意な方だからこそ、「自分ができないから、できるようになる」という発想をしがちだけど、世の中に出てからはなんでもアリで、自分にできないことを誰か得意な人にお願いする。そうすれば自分がやる仕事の領域がどんどん広がっていくし、専門的であるかどうかとかはよほどの場合を除いてあまり関係なくなってくると思う。
・「大学で学んだ物理は仕事に活きてますか?」(活きていないよね?ねニュアンスで質問された)
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大学で学んだ物理学を直接的に使う仕事というのはほぼないけれど、間接的にはすごく使っている。なので物理を学んだことはすごく活きている。
・「今までで一番大変だった仕事は何ですか?」
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もちろん一つ一つの仕事は新しかったり考えないといけなかったりする部分はあるけれど、「ああもうこれ大変でしんどい」みたいなことはなかった。
印象に残っている仕事というのはたくさんあって、例えば地元にはなかなかないような、サッカーフィールド数面分のような大きな製造業の工場に入って仕事に関わったり、とある大企業の新規事業で数十年先の未来を考えて創るような話もしたことがある。そういった一つ一つの仕事は面白いから、大変でしんどいと思ったことはない。
・「僕らが知っているような、出会った一番すごい経営者は誰ですか?」
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みんなが知っているような経営者というのは大きな会社になるけど、大きな会社になるほど、経営者と仕事をすることはない(社長未満の人と仕事をする)ので、なかなか難しい質問。笑
でも、みんなが知っているような話で言うと、例えば〇〇という飲食ブランドは知っているでしょ?それを展開している企業に対して、今も戦略人事のお仕事をしていたりする。
・「どんなスキルや資格を持っていれば、経営者の立場から見て価値がありますか?」
→
専門性のところで話した内容と被る部分もあるのだけど、絶対的なスキルや資格があれば良いと言うものではない。そういう仕事はごく一部。
例えばこのクラス(理系)で医学部に行きたい人はどのくらいいる?(→結構いた)
僕が例えば医療業界で何か新しいビジネスを作ろうとしたとして、医学の知識が必要だったりお医者さんの名前を借りるとして。その場合は余程変な人でない限りは「医師免許を持っている人」であれば十分で、ビジネスとか事業と言う観点ではスキルや資格はあまり関係ないと思う。
話したこと後半(学生生活寄り)
前半は話がだいぶビジネス寄りになったので、少し経ったところでひと段落させて、「学生生活のことでも話しましょう」といって後半パートへ。
・「学園祭(文化祭)は何をやりましたか?」
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やったやった!もう15年(!)も前のことで、あんまり覚えていないのだけど。笑
なんか出し物でバンドやったりジャグリングやっている人がいたなあ。
正直、僕はあんまり文化祭とかで盛り上がるタイプでもなかったけど、クラスは楽しそうにやっていた。笑
・「高校時代に部活は何をしていたんですか?」
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(中高一貫校なので)中学も高校もサッカー部!中学も高校も部長やっていたけど、あんまり他の人と話さないようなキャラの部長だった。笑
・「サッカー部でどこのポジションだったんですか?」
→
去年のW杯見た人ー?おー、結構いるね。サッカーのポジション名を言ってわかるかな?僕はずっと真ん中で「ボランチ」とか「トップ下」とかそういうポジションやっていて。
今思えば、今の仕事につながっている要素もあるのかもしれない。今の仕事はクライアントの経営を手伝う裏方の仕事だし、ボランチのような仕事も周りの人を活かして試合を組み立てたり、パスで引き出したりすることに喜びを感じるタイプだった。
・「大学進学はどうやって決めたんですか?」
→
中学3年生の時には、物理学科に行きたいと決めていた。数学が好きで色々勉強していたのだけど、数学自体は僕にはあまり向いていなかった(もっと得意な人が周りにたくさんいた)のと、数学の周辺領域でサイエンス・科学を勉強して興味が惹かれるようになった。
大学は〇〇大学(地元の国立大学)だけど、もちろん高校の最初の頃は県外の大学に行きいと思っていて、でも高校の後半で身体を壊したこともあり、ちゃんと受験勉強ができなかったりしたので、大学は地元で頑張ろう!と思った。
受験勉強が不完全燃焼だったから、そのぶん大学に入ってめっちゃ勉強した!とっても楽しかった。
・社会に出て求められる(必要になる)能力ってなんだと思いますか?
→
「自分のアタマで考える」ということじゃないかな。
例えば〇〇先生(僕の恩師)のクラスでは、いっぱいよく分からないことを考えさせられるでしょ?笑(→爆笑)
学校訓の意味を考えるとか、席替えのルールを自分たちで考えて作るとか、今もやっていると思うんだけど、僕が高校時代もそうだった。
これって一見すると意味もよく分からないけれど、この「正解のないものを自分の頭で考える」ということは、社会に出て一番価値になると思う。
今君たちは勉強をして、将来考えるための材料を学んでいるわけだけど、だからと言って何でもかんでも考えずに受け入れるんじゃなくて、疑問を持つ。
「この公式ってなんで成り立つのか?」とか、学んでいる中で「これってなんでだろう?」とか一ぱり出てくると思う。そういうのを大事にしてもらいたい。
・「いま僕たちがやっておいた方が良いことってなんだと思いますか」
→
色々あるけど、やっぱり色んな人に会っていた方が良い。周りの友達や部活の仲間と付き合うのも大事だけど、学校外の人とたくさん知り合いっていう人はほとんどいないでしょ?社会人になっても同じ会社の人間以外と付き合わないと、どんどん価値観が狭まってしまう。
と言っても、高校生のうちに出会える学外の人というのは限られているから、いっぱい本を読んだ方が良いと思う。人に出会えないうちは、書籍を通して古今東西の色んな人に触れられると良いのでは。
・「どんな本を読んだ方が良いですか?」
→
考えるきっかけがたくさんある本。受験勉強の関連の本や小説以外に、ちゃんとロングセラーの本を読むと良いのでは!時代に洗練されても残っている本が良い本。
・「具体的におすすめの本はありますか?」
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ぜったい聞かれると思った。笑
自分にとっての「読んだ方が良い本」を見つけるためにたくさんの本を読んだ方が良いのだけど、いまの高校生の世代に伝えるとすると、例えば瀧本哲史さんの本。京大で教えていて、「東大」→「マッキンゼー」→「日本交通の再建」を行った経歴の方で、若者向けに教える&書籍も複数あるから、ピンとくるものを読みると良いのでは。
・(僕の出身大学である、地元の国立大学について)「〇〇大学についてどう思いますか?」
→
(質問の意図が分からないけど・・)僕自身も地元の国立大学を出て、今までの僕の経歴として学歴に困ったことはない。でも、県外志望をするなら行けるなら県外の大学に行くのもアリだと思う。
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抜け漏れもありそうだけど、覚えている内容だと上の感じ。
意外と「こんなこと聞かれそう」と思っても聞かれないこともあって、例えば僕が大学4年生の時に教育実習に行った時は、どのクラスの授業でも「せんせーい、彼女いるんですかー?」とか聞かれていたけど、今回はそういうのは一切なかった。
やっぱり高校生からすると教育実習できている大学生の先輩は親近感があるけど、今僕は30歳になったわけだし、社会人として数年ぶりに行っているという状況とか雰囲気を、ちゃんと高校生も感じ取ってくれているんだなと、大人だなーと思った。
まとめ
数年ぶりに高校に行く機会をくれた恩師には感謝。
今時の高校生といっても考えていること自体の構造に大きく差はない。
ただ環境が異なり、SNSやYouTubeなどの情報に多分に引っ張られていること、そしてコロナ禍の環境要因の中では学生時代の過ごし方自体が大きく変わっていることは、考え方に対しては影響があるのだろうと感じた。
せっかく勉強ができる環境にあるのであれば、やっぱり最大限勉強をして、行けるのであれば可能な限り良い大学に進学した方が良い。
僕から伝えたかったメッセージは2つ。
1、自分の頭で考える習慣を身に付けることは大事
2、母校の先輩で、地元の大学を出て東京に就職をして、それなりに楽しくやっている人もいるんだよということ
限られた時間でしたが、ひとつでも皆さんのヒントになれば。