【読書の仕方】「ベストセラー」vs「ロングセラー」違いは何?

2019年10月28日日々徒然

日常的に本を読む習慣があるか否かというのは、人生の充実度合いを決めます。

あなたは最近、いつ本を読みましたか?

 

世の中には、2種類の人間がいると思います。

1つは「本を読む側の人間」で、もう1つは「本を読まない側の人間」です。

少しは本を読む人、というのは存在しなくて、例えば「いや、私はたまには読むよ」という人はいずれ全く読まない習慣になっていく。

本を読む習慣を手に入れている人というのは、読まない人に比べて圧倒的に幸せな人生を送る確率が高い。なぜか。

それは「本を読む」という行為がどういう行為なのかを考えると、すぐにその答えは出てきます。

本を読むときは、誰かとワイワイガヤガヤしながら(ワイガヤする、っていう?死語かな)読むことはできないのです。

そう、本を読むときは必ず1人にならざるを得ないのです。

本を読むという行為はつまり、作者との対話であり、自己との対話であるのです。
その本を書いた著書と思考を触れ合わせる行為であり、何よりも自分自身と向き合う行為なのです。

ベストセラーは時流の表れ

本の世界では、10万部を突破したらベストセラーだと言われます。

作家が新しく本を書き始めた時、出版社は「初版5,000部」もすれば、かなり期待していると言って良いくらいに、かなり多い方です。
普通は3,000部くらいです。

初版で1万部も刷ってもらえるのは、それこそ芸能人か芥川賞作家くらいのものです。

本の世界でベストセラーの本というのは、普段本を読まない人もその本を知っている、読んでいるという状態です。

当然です、普段本を読まない人が読むから、ベストセラーになるのです。

一方で「書店にならぶ本なら一通り読んでいます」という人もいますが、その人はベストセラーであろうがなかろうが、新しく出た本はそれなりに読んでいるものです。

ベストセラーというのは、その時々の「時流の表れ」です。
ようは、大衆心理が求める本こそがベストセラーになるので、ベストセラーが3年間売れ続けるというのはかなり稀です。
ましてや、例え出版当初にものすごく売れたとしても、10年以上も売れ続けている本なんていうのはほとんどありません。

何故ならば、時代が求めるものが変わってくるからです。

今僕は26歳ですが、例えば26歳の僕や僕の世代が「この本いいな」と思うものであったとして、それが10歳年上の36歳の世代の人たちが読んで「いいな」と思うかどうか。
あるいは、56歳の人たちが読んで「いいな」と思うかどうかは別の話だということです。

出版社が新しく本を一冊出版するのには、国産車1台分もの費用がかかると言います。
ようは出版社にとって一冊の本を出すということは、数百万円の投資だということ。

それだけ真剣勝負ですから、「売れる本」を作るということです。
出版社にとって「これは売れる、いける」と思う本しか作らないということです。

であるならば、世の中が求める本を作るというのは当たり前のこと。
それだけ時代の大衆心理を捉えた上で本を作っています。

以前テレビで林修先生が「社会で活躍するには、”群像の感覚”を持て」と東大生に向けて言っていましたが、まさに書店に並べられている本というのはその「群像の感覚」の集大成と言えます。

群像の感覚とはまさに「大衆の心理」のこと。
その時代に売れたベストセラーの本を読めば、その時代に生きた人たちの心理が描かれているのです。

ベストセラーは読みましょう。
今の時代の流れをどこかに感じることができるのですから。

ロングセラーは人間の本質、不変の真理

一方で、ロングセラーの本は、時流を表したベストセラーとは、性質が異なります。

ロングセラーというのは、10年以上にわたって、色々な世代の人たちに広く読まれ続けている本のことです。

必ずしも10万部を超えるベストセラーにならずとも、長く人々に読まれ続けることで、毎年のように売れ続けるので、出版社としては一冊でも多くのロングセラーを出すことはものすごく重要なポイントになります。

売れ続けるということはつまり、時代の流れが変わっても読まれ続けるということ。
つまりロングセラーとして描かれる内容というのは、時代が移ろっても変わらない人間の本質であり、不変の真理です。

時代の変化が早くなっている現代の中で、どう生きていくべきかとか、哲学的に自分自身に向き合おうと思った時に、人々が拠り所にする場所になるのです。

僕が10年間、折に触れて手に取るベストセラーには例えば『7つの習慣』や、ロバート・キヨサキ。
あるいは渡部昇一先生の本なんかもそうかもしれません。

読むたびに感じ方が変わるのですが、それがまた自分自身の立ち位置を確認して導く指針になってくれるコンパスのような存在なのです。

一冊でも多く、自分にとってのロングセラーの本を持つことがまた、生きていく上で一つ支えになってくれるものかもしれません。

ベストセラーにも、ロングセラーにも、そのそれぞれに良さがあり、どちらが上ということではありません。

大事なことは、両者の特性を知った上で読むということ。
そして何よりも、自分だけにとっての一冊と出会うことだと思います。

自分だけの一冊は、どこかであなたを支えてくれる友になるのです。

 

1週間に1時間でも良い。
自分だけの一冊である友と語り合う時間を持ちましょう。

その時間はきっとあなたの人生を、豊かにしてくれます。