成人式という名の選挙マーケティング
2022年の1つのトピックとして、4月からの「成人年齢の18歳からの引き下げ」が挙げられる。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1695B0W1A211C2000000/
成人年齢の引き下げと言っても、たとえば飲酒・喫煙は20歳からで変わらず。
18歳から親の同意なしにできるようになることは、例えば口座やクレジットカードの開設など。
なぜ口座やクレジットカード開設の年齢を引き下げるのか・・
これはもちろん「個人の権利を拡充するため」ではなく「金融会社が儲かるため」です。
銀行口座を作る→証券口座を作る→個人で投資ができるようになる
という一連の流れを汲むように、「社会が不透明だ」とか「年金はもらえない」だとか、個人投資を煽るニュースが連日流れているわけです。
国からすると、個人で投資をしてねと自己責任を煽ったり、あるいは国が売りたい証券を売るように、大手証券会社にお願い(という名の圧をかけたり)することがしやすくなる。
今年2022年1月に成人する人口は120万人いるそうです。
これが18歳、19歳と2学年で単純計算で240万人分のマーケットが2年おきに増えていくわけですから、大きな市場増加ですよね。
成人式は選挙活動の一環と知る
昔(といっても2年くらい前)に、成人年齢の引き下げについての記事を書いた。
当時書いた「自己責任論の暴力」については今も考えは変わっていませんが、今回は成人年齢の引き下げについて思うことに加え、「成人式の選挙活動」について書いてみます。
成人式の選挙活動と聞いて、ピンとくる人はすごい。w
さて、意味がわかりますでしょうか。
成人式とは、毎年1月に、成人したハタチの人たちを集めて、地元で「成人おめでとう!」の催し物をすることですが、なんとそこで演説をするのは(大して偉くもない)市長だったりするわけです。
「今日から君たちは、大人としての自覚を持って〜ナンタラ」という、全く有難くもない演説を聞かされるわけですが、なぜわざわざそんなことをするのか。
それは当然、ハタチ=選挙権を持つ年齢なわけですから、彼か彼女らに向けた選挙活動マーケティングの一環なわけです。そりゃあそうです、全国で一斉に市長さんたちがボランティア活動をするわけないじゃないですか。
「数年後、自分に投票してね」と言っているわけです。
言われてみれば、初めて「大人としての自覚がなんたら」と言われた大人の人がいて、数年後に選挙に行った時に、その人が再度立候補していたら、成人式に参加した人の何%かは「あ、この人知ってる」と投票するわけですよね。
かくいう僕自身はもちろん成人式には行っていないわけですが、当時から「たかがハタチを越えたくらいで、何がそんなにめでたいのか・・」と思っていたわけです。今も変わりませんが、街で成人式の話題を目にする度に「選挙マーケティング」のように見えてなりません。。
本当の意味で大人になるということは、ハタチを超えるだとか、18歳を超えるだとかではなく、こういう社会の本音と仕組みを知ることだと思ってやみません。
成人年齢を18歳に引き下げるのであれば、こういう社会の本音を18歳までに教える(あるいは学び方)を教えるべきだと個人的には思うのですが、まあそれを教える側の大人たちも知らないままに大人になっているのだから、なかなか難しい。
ということで、2022年も本ブログを楽しんでください。
できれば毎日(か2〜3日毎)に更新します!