ビジネス戦闘力について考えてみた

就活概論(考え方), 働き方・キャリア, ビジネスパーソン向け

4連休が始まりましたが、この連休の間に予定が1つも入っていない中で、ひたすら家でパソコンに向き合って動画(映画)を見たり、考え事をしたり、本を読んだり、ブログを書いたりして過ごしています。ゆってぃです。

4月から部署を異動して、今までインプットしてきたことや思考してきたことを形にできる立場で仕事ができることは、とても面白いと(かつ美味しいことなのだと)ということに改めて気づかされています。

「どんな会社に就職したほうがいいですか」とか「どの業界がいいですか?」という就活生との会話を何百回と重ねてきましたが、結論は「ビジネス戦闘力」が上がる会社がいいと思うよ、というのが僕の回答です。

人それぞれの価値観があるので、極論は「自分で好きなところを選んでね」と思うのですが、いわゆるちょっと意識の高いキャリア系を目指すのであれば、やっぱり20代はビジネス戦闘力が上がるところがいいと思う。

ということで、思いつきですが「ビジネス戦闘力」について書いてみます。

ビジネス戦闘力とは「自分で多くの資本を動かす力」のこと

僕が最初に入った今の会社の関西支社の立ち上げ期。
圧倒的にビジネス戦闘力が高かった3人の先輩がいました。

1人は、1社目が商社で、メーカーを経て転職してきた人。
僕のビジネスの基礎を作ってくれた人です。よくブログに書いている京大法学部出身の先輩ね。いまは独立してぶいぶい言わせていますが(笑)やっぱり20代で商社を経験していると言うのは、圧倒的にビジネス戦闘力が上がるよねと思う。

ビジネス戦闘力ってなに?というと、いろんな要素がありますが「自分で多くの資本を動かす力」と言うのが1つの定義。

資本というのはお金のこともあるし、人の場合や、仕組みの場合や、モノであったり、色々あります。まあ大体はお金に換算できるので、お金を動かす力と言っても良いかと思います。

もちろん会社のお金なので、自分個人としてのお金じゃないよねという意見もありますが、たとえ会社のお金であったとしても自分で動かして、ビジネスを作る経験を積めば詰むほど、ビジネス戦闘力は上がると思う。

よく、新卒でコンサルティングファームに入社して「エリートです」とやっている人たちがいるのですが、確かに優秀な人は多い。一方で、20代のうちはまだまだ組織ヒエラルキーの下側にいるわけで、オブラートに包んでいうと「組織の奴隷状態」なわけです。

汎用的なビジネススキルは身につきますが、それだけではビジネス戦闘力はなかなか上がらないというのが実態。なぜならお金を動かす経験をほぼしていないから。
その経験を経て30代以降になってビジネスを作る側になると一気に伸びる可能性はもちろん高いけれど、就活生や20代のビジネスパーソンの人たちに向けていうのであれば、その経験の差は大きいということを知っておくと良いと思う。

なので僕の先輩が商社で多くの資本(人もの金)を動かす経験をし、その後にビジネスを構造的に学ぶコンサル経験をして独立をしたというのは、ある意味理想的なキャリアの1つなんじゃないかなと思っています。

 

3人の先輩のうち2人目は、この人も僕のブログで出てくる人で、今は大阪から東京へ行って新規事業などをやっている天才の先輩。
関西の実家が歴史ある家業で、幼い頃から経営者になるエリート教育、まあ俗にいう帝王学を叩き込まれた天才肌。

だいぶ頭のネジが外れている優秀な人ですが、彼の強みは経験の掛け算。

僕と同じ大企業の中で新規事業の経験をしている一方で、自分で仲間とベンチャーの会社を立ち上げ事業を営んでいるということ。
加えて家業の経営にも携わっているということから、大中小の企業体の中で事業を動かす側、ビジネスを作る側の経験をしているということが圧倒的な強みになっていると僕は見ています。

彼を見ていて思う強みは、

・ベンチャーで事業を作る経験をし、
・大企業で事業を作る経験をし、
・家業の経営で実際の仕組みを運用する経験をし、
・クライアントに対するコンサル経験も豊富 etc..

という掛け算の経験だと思っています。

それでいてまだ30代前半と全盛期。ビジネス戦闘力が最大化されるタイミングだと思っていて、特殊な例ですがやっぱり優秀だよなと思っているのです。

ゼロから価値を作るビジネス戦闘力

3人目の先輩は、いまは関西の営業責任者になっている先輩。

1社目がコンサル会社で、売りに売りまくって最年少で支社長になって今の会社(僕のいる会社)に転職をしてきた、スーパーセールスマン。

コンサルって結局、お客さん(=経営者)に対して「これこれが課題なので、こういうプロジェクトでやっていきましょう」という提案、ようは営業力が肝だったりするわけです。粗利を稼いでナンボの世界ですから。

使える武器は自分の身一つという状態で、クライアントに対して「あなたがやるべきことはこれです!」とプロジェクトを作り上げて何百万円、場合によっては何千万円という単位で受注してきて、それを数人のメンバーで回していくと。

何もないところからそれだけの価値を作って動かすという部分では非常に高いビジネス戦闘力が求められるわけで、その経験は僕も間近で見て勉強させてもらった部分でした。

特に2019年度の1年間は同じチームでその先輩とやっていたので、コミュニケーション能力の高さ、いろんなステークホルダーがいる中で物事を確実に前に進めていく力みたいなものはたくさん勉強させてもらったし、僕があまり得意ではないところだけれどもその経験をたくさん積めたことは、僕自身の財産にもつながっていると思っています。

 

いま、僕は大企業の中で新しく事業を作る立場で好きに仕事ができていますが、この立場というのは実は上で書いたような「ゼロからビジネスを作って動かす」という経験がないと、単なる「仕組みに乗っかる偉そうな奴」になってしまいます。

大企業のメリットは事業に仕組みができていることなのですが、仕組みを作る側の経験をしていない人が入ってしまうと、自分の力と組織の力を履き違えてしまうイタイ奴になってしまう可能性がとても高い・・

社内外に対して高圧的になってしまったり、立場を勘違いしてしまって、気づいたら「仕事はできないけれど大企業にいる勘違いをしたイタイおじさん」に成り下がってしまうという、今の日本の縮図のようになってしまうのです。

一方で個人事業主的な、最小単位で仕事ができる人というのはそれでいて優秀だと思うのですが、多くの人を巻き込む事業の仕組みを作ったり、それを動かす観点が一切ない人が多いので、「多くの資本を動かす」という観点では物足りないケースも多いのもまた事実。

この辺りはトレードオフになりがちなので、難しいところでもあるのです。

結論、「個の力を高めること」と「多くの資本を動かす」という両方の経験のハイブリッドがビジネス戦闘力を最も高めることに繋がるのではないかと思っているので、就活生や20代のビジネスパーソンは、その点を意識してみると良いのではないでしょうか。

「勝てる土俵」×「ビジネス戦闘力が身につくキャリア」を意識してみてね、ということで。

読んでくださってありがとう。