【雑談】経営者との対話の本質
ある経営者の方(お会いしたのは数回ほど)と久しぶりに2時間もの雑談(?)で盛り上がった。(ありがとうございました!)
思い返してみると、僕自身の営業のスタンスは基本的に「お願いします」というものではあまりない。基本的に、ということなのでもちろん例外はあるし、僕も企業人なので、役割を演じることはもちろんあるけれど、基本的には経営者や大企業のお偉いさん達と話をする中で向こうのやりたいこと・困りごとを聴きながら、「僕ならこうします」という形でプロジェクトを受注するケースが多い。
大企業の偉い方というのは普通はかな〜り忙しいので、1対1で2時間雑談をするという機会はほとんどないけれど。笑
でも、経営者というのは全く別のゆったりとした時間の中で生きている人たちが多いので、2時間雑談なんてザラにある。そしてその会話の中から気付いたら「じゃあ、ゆってぃさんに仕事を頼めるかな」となるという、なんとも不思議な仕事の仕方。
「いいな、おまえは。雑談しているだけで仕事になるなんて」というお叱りの言葉を頂戴するかも知れないのだけれど、そうじゃない・・!実は案外、雑談って難しいのよ?笑
経営者と30分でもいいから雑談してみなって。何も考えずにボーッと生きている人は、そもそも10分も会話続かないから。「今日はいい天気ですね」とか「今朝のニュースでは」という話題で経営者と話が続くと思う?
僕は経営者に会いにきた営業マンがものの10分で撃退される様子を嫌というほどみているので・・
とまあ冗談はさておき。
経営者の大切な時間を2時間もらって話をした、その時の会話が印象的だったので、僕の中での気づきを書こうと思う。
従業員にとっての1番の関心事ってなあに?
僕は、自身で事業と会社を興し、従業員を採用するほどに成長させた経営者のことを心から尊敬しています。
たとえ中小企業と言われていても、世の中の大半は中小企業なのですから、そんなことは関係なく、そこに雇用を生み出し、世の中に対して価値を提供し、事業を行なっているという事実に素直に頭を下げたい。
今まで色々な経営者とご一緒してきて思うことは色々あれど、経営者の悩みには間違いなく共通項がある。
そしてそのお悩みの最も大きな1つが「従業員」に関することで、大体は「言ったことが伝わらない(やってくれない)」か「社員が本気になっていない」ということのいずれかなのだ。
中小企業、オーナー企業というのは、社長自らがトップセールスマンであるケースが多いけれど、取ってきた仕事をきちんとこなしてくれなかったり、あるいは他の社員が社長と同じように営業ができなかったり。
前者の場合は、社長はセールスから卒業しなければならないし、後者の場合は違った角度で社員を見なければならない。
何れにせよ、経営者としてやるべきことは「仕組み」を作ることであり、究極は自分自身がいなくても回る会社に育てることであると僕は思う。
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さて、以前の記事で、経営者にとっては痛烈なことを書いた。
ちょうど最近、立て続けにこのテーマを考えさせられることが続いたからなのだけれど、ぶっちゃけ、あなたの会社の社員は、経営者のあなたと同様に「会社の未来」や「事業の成長」を考えているわけではないのだ。
そしてこの言葉を聞いて経営者の多くは、こう思う。
「給料を支払っているのだから、本気で会社のことを考えるなんていうのは、当たり前だろう」と。
ところが、実はこれが全ての歯車を狂わせる元凶なのだ。人のホンネというのは、実はそう簡単じゃないのだから不思議。でも、本質はシンプルだから。
もし、あなたが「企業」ではなく「家業」で良いと考えるのであれば、社員にそれ以上のことを期待するのは少々ずれていると思わないだろうか?
(2/25追記)
従業員にとって最も関心があるのは、「人事」と「給与」。このことは以前にブログに書いた。それ以上でも以下でもない。
今の快楽が大事だというのは、人間の本質であり、経営者はその本質をきちんと理解しておくことで、社員との付き合い方が変わる。
経営者にとって事業が「家業」で良いのであれば、もちろん自分より優秀な社員を雇うことなんて考えてはいけない。
経営者のあなた自身より優秀な人であれば、家業でいいと考えている会社に入ることはあり得ないからだ。
もちろん家業がダメだと言っているのではないです、念のため。
冒頭に書きましたが、会社を興し、雇用を生み出しているというだけで、これ以上ないくらいに素晴らしい社会貢献をしているのだから、その出口は創業者が思う通りに決めたら良いのではないか。
そして、もし「家業」を脱皮して「企業」を目指すのであれば、必ずそこには「社会性」というものを加味して企業経営を考えていく必要がある。
企業の目的の1つには「永続性」があるのだから、経営者であるあなたは企業が永続的に存続しうる仕組み、ようは会社が稼ぎ続けていく仕組みを考え構築しなければならない。
そのためには、会社としてどんな「価値」を社会に提供するのか、したいのか、できるのか?をとことん突き詰めていく必要があるのだ。
つらつら書きましたが、僕がオーナー経営者と話をするときに頭の中にあることです。これらは僕自身の思考の中のほんの0.1%にも見たないのだけれど、人間の本質を見ようと突き詰め続けている中で見えてくるものがあるのです。