コンサル系のセミナーを企画している人たちへ。企画〜運営で大事な10のポイントを書いてみた

社会人3年目(大阪), ビジネスパーソン向け

世の中には「セミナー」と称する勉強会や交流会がたくさんあります。

多くのビジネスマンが、一度は目にしたことがあるはず。

参加費用は無料のものから、1回数千円のものが多いでしょうか。
種類によっては数万円のものありますよね。
(1回うん十万円というものも世の中には存在します・・)

そのようなセミナー、イベント、交流会などに参加する人のモチベーションは色々あるのだと思いますが、

・人脈を広げるため
・情報収拾
・気になるテーマについて知るため
・会社に行ってこいと言われた

などなど。特に「人脈を広げるため」といういわゆるネットワーキング的な発想で参加する人は多いような気もします。

実際僕自身もネットワーキングの一環で参加をしたことが何度かありまして。
とはいえ、それは自ら「参加させてください」と頼んだものではなく、優しく表現すると「招待」によって。別の言い方をすると「勧誘」によるものでした。
(そもそも僕自身はこういった類のものに参加するモチベーションはあまりないのです)

一方で、イベントやセミナーを企画する側というのも、度々経験をしています。

学生時代からなぜか運営側に縁があり、振り返ってみると割といろんなイベント(勉強会、〇〇塾)の企画サイドを担うご縁が多かった気がします。

企画サイドにお呼ばれする人には何かしらの共通点があるのでしょうか。

先日、僕の所属する会社(というか部署)主催のセミナーを開催しました。

参加者は、原則一部上場企業の新規事業開発などに関わる人たち。
例えば経営企画部とか、企画開発部、研究開発部、マーケティング部など。

世の中で謳われている「オープンイノベーション」という切り口のもと、セミナー兼一部交流会のようなイベントです。

世の中にはすでにコンサル会社、銀行、あるいは商工会議所などが「新たな事業を作るにあたって」というイベントやセミナーを開催しまくっています。

この記事を例えばそういった組織で「何かイベントを作れ!」と言われた人が読んでいるならば、何かしら役に立てるものもあるのかもしれません。

 

イベントやセミナーというのは、もちろん企画する僕らサイドにも色々な意図があって、例えばそういった世の中の数々のイベントやセミナーとはまた違う価値を提供できるであろうという思惑は当然あるわけです。

今回は完全に0構想の段階から僕が入ってつくったので、僕の意図や思考というものもふんだんに入っております。笑

と、前段が長くなりましたが、僕自身がこのような「新規事業」系のイベントを企画〜運営をする際に気をつけたポイントと、実際にやってみての反省点を書いてみようと思います。

 

目次【本記事の内容】

1)タイトルはインパクト!包装紙はやっぱり王道がいい
2)世の中の書店はトレンドの宝庫。コンテンツに煮詰まったら本屋に足を運べ
3)開催の「目的」と「価値」を決める。短期的な利益を追うのは損が多いと知る
4)参加者は「当事者」としてのお悩み事がある。実体験を語れ
5)参加者は基本、自分たちより賢い。けれど、情報には疎い
6)大手企業は「社内都合」があることを知る
7)外部講師を呼ぶ際は、打ち合わせはこれ以上ないくらい綿密に
8)一方通行型の講義は怖い。よほどのコンテンツがなければしないべし
9)アフターフォローまでしてワンセット。アンケートの質と導線はちゃんと考える
10)当日は絶対予想外が起こる。気遣い力がある運営メンバーの配置が命運を分ける

1)タイトルはインパクト!包装紙はやっぱり王道がいい

イベントのタイトルって、やっぱりすごく重要。
人は見た目でしか判断しません。それがたとえ「新規事業」「オープンイノベーション」を謳うイベントであり、参加者がエリートの人たちであったとしても、です。

企画側の人の中には
「いや、そんなことはない、やっぱり独自性を出したい」
と思う人もいると思います。わかります。僕もそうでした。

でも「中身で勝負する」と割り切って、外側は王道で行くべきです。

自分たちが企画したいイベントについては、ほとんどが過去に別の誰かがやっているものが多いはず。
であるならば、やっぱり調べてみて、共通点を考えてみましょう。

王道で行くのが、やっぱりいい。包装紙=安心感です。

価値は自分たちで作りに行きましょう。

2)世の中の書店はトレンドの宝庫。コンテンツに煮詰まったら本屋に足を運べ

どんな方向性にするのか?コンセプトは?中身は?

イベントを開催すると決まったら、考えるべきことはたくさんあります。

何か新しいことをやりたいと思う気持ちはよくわかります。

アイディアに煮詰まったら、本屋に足を運びましょう。

本屋というのは、今の世の中の人たちが何に関心があるのか?というトレンドの宝庫です。実はネットなんかよりも圧倒的に優れている場合が多い。

ビジネス系のコンテンツに寄せる場合は、やっぱりビジネス書のトレンドを押さえておくべきでしょう。個人的にはNewsPicksのコンテンツ力は半端ないと思っているので、ぜひ参考に!

ちなみに、今回僕が企画した時に、コンセプトに全く関係なくともエッセンスとして入れ込んだのは「ティール組織」。
もし、会社関係者がこのブログをみていたとしても「えっ?」と思うかもしれませんね。内緒です。

 


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3)開催の「目的」と「価値」を決める。短期的な利益を追うのは損が多いと知る

大人の世界においてイベントやセミナーはもちろんボランディアでやるものではないですから、何かしらの意図があってやるものです。
そしてその意図というのは往往にして自社都合であることが多い。

もちろんそれで良いのです。予算があってお金をかけてやるものですから、意図がないとむしろNGでしょう。

一方でそのイベントを開催する目的が「すぐに売り上げにつながる」「取引拡大につながる」というような短期的なものであったとしたらどうでしょうか?

イベントの冒頭や合間や最後に「うちの商品は!サービスはこんなんです!」と言われるイベントに行きたいですか?という話。

さらっと告知を流すのはアリかもしれませんが、僕がやるなら全く入れません。

ちなみに冒頭「自己紹介」として会社の紹介などをするのはまた別の話。
それがないと「誰だよこいつ」となりますからね。

でも、一切売り込まないと決める。

僕がやる場合の目的は「ブランドエクイティの向上」以外にはありません。

建前は他の大人が取ってくれるのです。

4)参加者は「当事者」としてのお悩み事がある。実体験を語れ

イベントを開催する側というのは、外部の組織であるケースが往往にしてあります。

例えば今回僕らがやったような新規事業系のテーマのものというのは、上にも書きましたが外部のコンサル会社、銀行、商工会議所などがたくさんたくさんやっています。

主催する側というのは、あくまでも外部の側の人間であるということは絶対に忘れてはいけません。

だからできるイベントというのは、もちろんある。外部だからこそ見えるものももちろんある。

でも、参加者の人たちというのは、実際に事業をやる側の「当事者」であるのです。

外部の人たちからは最後の最後まで絶対にわからない、当事者としての悩み事が必ずあります。その立場を汲んであげることは、とても大切なことです。

外部の人間が「こうしたほうがいいでしょ」と語るのは簡単です。でも、実際にやるのは大変です。
「え、バカでしょ?」と思うような些細なことが、実は「実際にやる」ということを妨げていることもあるのです。

だからこそ、イベントでは「実体験のリアル」のエッセンスを入れるようにしなければ、とても冷たいものになってしまいます。

5)参加者は基本、自分たちより賢い。けれど、情報には疎い

これはスタンスでもあり、事実でもあるのですが、参加をしている人たちは外部が思っている以上に賢いです。
特に上場企業の新規事業開発系に関わる人たとは、元コンサル会社出身という人も多く、エリート揃いのケースが多いのです。

当たり前ですが「あの会社の人はあんまりいけてないよね」と全体だけをみて判断すると、かなり痛い目を見ます。
そういう人もいるでしょうが、ハイレイヤーの人たちを相手にする場合は、企画段階から参加者の水準をもう一段あげて考えることをお勧めします。

一方で、思っている以上に「情報に疎い」ということも事実。
それは事業会社側にいる特性上、しょうがないのです。

情報に疎いといっても、かなりの確率で外部のイベント、セミナー、勉強会には参加をしているはずです。

「情報に疎い」=「外部と交流がない」ではなく、「情報をどのように集め、どう活用するのか」という点があることを踏まえて、企画設計をするべきだと感じました。

6)大手企業は「社内都合」があることを知る

僕らが相手にする人たちというのは、一部上場企業の部長以上であることが多いです。
彼らは社長ではないし、若手社員でも、窓際社員でもありません。

会社の中では中心に位置していて、四方八方から挟まれている立場があるということを知りましょう。

どんな会社にも自社都合というものがあって、その感覚は外部の人にはわからないものです。

1つでも、そういった人たちのギフトを用意するというのが企画サイドには大切になってきます。例えば、

・今回の新たな情報はコレとコレである、がわかりやすい
・その結果、うちにはこのように活かせるのではないか
・明日から何をやったほうが良いのかを複数持って帰れるようにする

というような分かりやすい用意は、最低限必要になってきます。

7)外部講師を呼ぶ際は、打ち合わせはこれ以上ないくらい綿密に

こういったイベントやセミナーでは、外部の方をお招きすることも多いと思います。

外部の人は一緒にうまくやれば何倍もの価値を残せますが、ちゃんと連携ができなければマイナスになってしまう恐れもあるので、とても慎重にしなければなりません。

社内にいる自分たちと、社外の人というのは脳みそが全く違うと思って良い。

企画の「意図」「背景」を伝えるのはもちろんのこと、当日の細かな点も「初めて見る人にとって、どう見えるのか」をなんども検証して、事前に伝えておくようにしたほうが良いです。

その他、僕の経験上、細かいところでいうと、

・契約の内容とやり方(時間軸の違いとかも含めて細かく確認する)
・移動手段の確認(特に交通費とかは超重要。あと、帰りの時間とか)
・手土産はあったほうがいい(ライトで荷物にならないもの)
・準備物の確認(PC持参?配布物はある?接続は大丈夫?マイクは必要?)

とか。ちなみに関西圏の手土産はグリコのバトンドールなんかは手頃でgood。
家族で食べてください、という感じですね。

 


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8)一方通行型の講義は怖い。よほどのコンテンツがなければしないべし

セミナーでよくあるのが、一方通行で1時間ぶっ続けで喋り倒す、みたいなやつ。
あれはやばい。参加者の眠りを誘います。絶対にやめましょう。

1人の人が喋り続けるスタイルは、やっぱりよほどの中身がないとしんどいと思います。

できれば、ワークショップなどを組み合わせるのはお勧め。

僕の経験則上ですが、一方的にインプットするセミナーと比較した時に、アウトプットする場があると満足度が上がります。

例えば第1部にセミナーとしてインプットの時間を設けるならば、第2部にはワークショップ形式でアウトプットをしてもらう場を設けるようにすることで、満足度は倍になるのです。

9)アフターフォローまでしてワンセット。アンケートの質と導線はちゃんと考える

一番NGなのがイベントのやりっぱなし。

イベントを終えた後の参加者の生の声を頂戴する為にも、やっぱりアンケートは重要で、その中身もちゃんと考えて作りましょう。

例えばよくあるのが「満足度を5段階で選んでください」というもの。
「満足ーまあ満足ー普通ーまあ不満ー不満」
のような5段階から選んでもらうと、ほとんどは真ん中の3つに集中する。実質3択になってしまうんですね。

あとは、イベントが単発で終わってしまうのは、勿体無い。
参加者の皆さんは、あなたと同じで忙しいのです。明日になると、今日参加したイベントのことはほとんど忘れてしまう。

忙しさの中で時間を作って参加をしてくれたこと自体が感謝な訳で、そのあとにどんな接点を持ち続けるのか?ということは考えましょう。

そのときにアンケートが重要になってくるのです!

10)当日は絶対予想外が起こる。気遣い力がある運営メンバーの配置が命運を分ける

長くなりましたが、最後に一番重要なことを書きますね。

それは「運営メンバーを誰とやるか」です。ぶっちゃけ、この1点につきると僕は思っています。

イベントを企画し始めた当初は、「あれもいいね」「これもやりたい」と盛り上がることでしょう。
でも時間が進むにつれて、なかなかアイディアが出なかったり、自分たちがいい!と思ったことでも上司に却下されてみたりすることもあるでしょう。

登壇者の交渉、参加してくれる人への告知、当日に向けた準備や手配。

ものすごく大変です。その大変さはやったことがある人にしか分かりません。

そして何よりも当日は、絶対に予想外のことが起こります。
「予想外のことが起こる」とわかっていても、それ以上の予想外が必ずあります。

想定外のことが起こったときに、どれだけその場で判断をし、気配りをすることができるメンバーが運営にいるか否かというのは、それで勝負ありなのです。

イベントを作るというのは1人ではできません。
信頼できるメンバーで作って成功させたものは、たとえ改善点が残ったとしても、あなたたちの財産になります。

ぜひ、そのやりがいを味わってみてください。

長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださって、ありがとう。