顧客は何にお金を払っているのか?

挑戦するセールスパーソンたちへ, ビジネスパーソン向け

「人々はドリルが欲しいんじゃない。穴が欲しいのだ。」

ビジネスにおけるマーケティングの世界でよく出てくる言葉です。
なるほど、言い得て妙な表現で、ドリルを売っている営業の人の頭の中は「ドリルが欲しい人はどんな人か」ということであふれている。

こんな話がある。

我が社の作った最先端のドリルはこんなにも素晴らしいと。
こんなに軽いし、高性能だし、何よりも他社に比べて安い。
小さな穴から大きな穴まで開けることができる。なんと素晴らしいのだろう!

でも、あのお客さんは「うーん、別に今、ドリルに困っていないですしねえ、、」という。なんということだ。
あのお客さんが使っているドリルは、もう10年も前のモデルだし、我が社のドリルを使えば、もっと効率よくドリル作業ができるはずだ。
そして何よりも、よりによって(競合他社である)あの会社のドリルを使っている。それがどうも気に食わん。

我が社のドリルはこんなにも素晴らしい。
にも関わらず、私がお勧めをするこのドリルを買わないあのお客さんは、何もわかっちゃいない・・!!

我が社は何を提供しているのか?

とまあ、笑い話のような本当の話。

世の中の多くの人たちが、同じような過ちをし、過去から学ばず、

「なかなかドリルが売れないのには、お客さんとの接点数が足りないのだ!」
「たくさんのドリルを売るために、もっと訪問数を上げろ!」
「私が営業時代の時は、今よりももっと売っていたぞ。最近の若い奴はまったく・・」

という企業まで存在する。もしかすると、あなたの会社もそうかもしれない。

ドリルを作っている会社は、もちろんドリルを売っています。
もちろんそうなのですが、お客さんにとってはどうでしょうか?

お客さんはなぜ、ドリルを買うのでしょう。

お客さん目線に立ったときに、実は「ドリルではなく、穴を開けるためにツール」を売っていたのだと気付かされます。

もっというと、単に穴を開けるツールではなく、例えば、
・週末に小屋を作るという楽しみ
・亡くなった祖父が住んでいた家を作り変えるという家族イベント
・可愛い愛犬に遊ぶ道具を与えたい、などなど
というような機会を提供しているのかもしれません。

我が社は何を提供しているのでしょうか?

顧客は商品を買うのではなく、その先のサービスを買っている

例えば、車。あるいは、家。
金融商品なんかもそうかもしれません。

要は一見複雑そうに見えるものほど、実は顧客は「その商品自体」を買っているのではなく、その先にあるサービスを買っている。
だからあなたの会社を、ひいては営業マンとしてのあなたを選んでいるのです。

車を買ったらハイ終わりではなく、乗っている生活の中で「最近どうですか」とか「何かご不便はないですか」とか「そろそろメンテナンスをした方が良いかもしれませんね」とか、そういうつながりを求めているのです。

正確にいうと「価値」を買っているのです。

当たり前のようで、忘れがちな話。
自分への戒めも込めまして、ここにこうして綴っています。

大切なことを忘れないビジネスパーソンでありたいですね。人として。


ドリルを売るには穴を売れ

モノを売るすべての人に向けたマーケティングの入門書です。 タイトルの「ドリルを売るには穴を売れ」とは、マーケティング業界でよく言わ れる言葉で、「商品を売るには、顧客にとっての『価値』から考えよ」という意 味です。
本書では「価値」を切り口にして、売り方の基本を「あなたは何を売っているの か(ベネフィット)」、「誰に売っているのか(ターゲティング)」、「あなた の商品でなければならない理由はなにか(差別化)」「その価値をどうやって届 けるのか(4P)」という流れに沿って解説していきます。
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