法人営業で業界の勉強よりも大切な「お金の流れ」について知ること

2019年5月21日挑戦するセールスパーソンたちへ, ビジネスパーソン向け

僕の先輩が技術営業をしているのですが、その先輩と営業の勉強の仕方について話しました。

技術について理解する。自社の製品やサービスについて勉強する。
それらはもちろん大切です。

それよりももっと大切なことは、「サプライチェーンを理解する」ということだと僕は思っています。

ヒト・モノ・カネ・情報
という経営資源の流れを理解するということです。

もっというと、お金の流れについてちゃんと理解するということです。

営業先の企業は、どこからものを仕入れ、お金を払い、どの会社がお客さんになっていて、お金をもらっているのか。

それが例えば自動車業界ならば、その業界の中でその会社はどういう位置付けにいるのか?ということです。

自動車部品メーカーの場合

日本の産業構造を考えると、もっとも大きな市場は自動車産業です。

トヨタや日産、ホンダといった会社。僕らが一般的に自動車メーカーと言っている会社は「完成車メーカー」と言います。

自動車産業は完成車メーカーを頂点とするピラミッド構造になっていて、例えばトヨタの1次請け(Tier1=ティアワン、と言います)、2次請け(Tier2、以下同様)、3次請け・・・というような構造になっているわけですね。

必然的に自動車部品メーカーとか、自動車販売代理店という会社は山のようにあるわけです。

例えば自動車部品メーカーがお客さんだとして、そこに営業をしていたとする。

その会社が上でいうピラミッドの中のどこに位置していて、どういう生業を行なっているのか?ということは簡単でもいいので理解をする必要があります。

「そんなの、理解してなくたって、うちの会社は営業できているよ」

という人も多いと思いますが、それは単なる「業者」と言います。

営業の9割は、業者です。

業者であるということは、ぶっちゃけ「誰でもいい」ということです。

そうではなくて、顧客のパートナーとしての営業、セールスパーソンになっていくためには、その会社がどういうビジネス(お金儲けのことです)をしているのかについて理解していなければ、そもそも話にならないわけなのです。

顧客の本質的なお困りごとを理解する

自分自身が営業担当として、顧客の担当者と話をします。

営業の基本ですが、アポイントを取るときは原則「先方の決裁者」です。

管掌役員なら役員、部長なら部長でいいですが、必ず担当者ではなく決裁者です。

製造部長。購買部長。執行役員。etc..

A部長と商談をしているとしましょう。

そのA部長が例えば「この製品を検討したい」と言って話をしているわけです。

その部長のお困りごとってなんでしょうか?

製品について知ること?製品を売っている会社(営業をしている私たちの会社)について知ること?

それとも、より安くその製品を手に入れることでしょうか?

そうではありません。

例えば、その製品が「工場の自動化」のために必要なものだとしましょう。

自動化のために、ある製品を検討している。

これならわかりますか?

そう、A部長がやりたいのは、工場の自動化に必要な商品をより安く手に入れること

でもありません!

 

いいですか。

A部長の本質的なお困りごとは、工場の自動化をすることによって、「コストを削減したい」ということです。

もっと言うなれば、年間のコストを数%削減することによって会社の利益に貢献し、自分が評価され、昇進し、役員になることです。(例えば、です)

もう一段上がって見てみると、その会社はそもそもどうして自動化をしようとしているのか?とか、本当に自動化が必要なのか?とか、本当は今検討しているラインの半分だけ自動化し、あとは人でやった方が結果的にコスト削減になるかもしれないのでは?とか、そういう話をするのです。

もっというと、「御社のような業界や企業では、もちろん自動化も視野に入れつつ、コストがかかっている本質的なところは実は各工場のデータがきちんと可視化できていないから、という場合が多いんです」というような話もするわけです。

そうすれば「え、どういうこと?」と思ってもらえるし、「それならうちの生産技術の人も話聞かせてもらえないかな?」とか「情報システム部が管理しているクラウドがあるんだけど、どう思う?」というような話になるのです。

もちろん、目先のお困りごとである「製品を比較したい」とか「商品の説明をしてほしい」という要望にはきちんとお応えをする。

そこはきちんとやります。そうでないとそもそも話を聞いてもらえません。

ですが、目の前のお困りごとについて理解してあげると同時に、本質的なお困りごとも分かってあげる。

営業とは、そういうことです。

営業とは、顧客の期待を超えていくことなのです。

翻って、やっぱりお金の流れを知ることです。

例えば上の顧客の場合は、部品を組み立てているだけの場合も考えられます。

各部品をそれぞれ調達してきて、自分たちは自動的に組み立てるだけ。

その組み立てた製品を納めることでお金を稼いでいる事業なのかもしれません。

そんなことってあるの?
と思った人もいるかもしれませんが、例えば冒頭で書いたトヨタや日産といった完成車メーカーは、基本的に各パーツを組み立てているだけです。

だから「完成車」メーカーなのです。

僕らが自動車を買おうと思うと、自動車メーカーに行きますよね?
トヨタ◯◯店とか、日産◯◯店、とか。

完成車メーカーの本社は、上がってきたパーツを組み立てて、それを代理店に降ろし、それが僕らの目にするお店に並んでいるわけなのですから、部品メーカーの事業として「中心は、組み立て」というのはありうるわけなのです。

まとめます。

営業の勉強において大事なのは、

①そういうモノの流れ、お金の流れをある程度いいのできちんと理解をすること。

②そして、顧客の本質的なお困りごとを理解すること。

この2つです。

ぶっちゃけ、「業界の専門知識があれば売れる」という時代はとうの昔に過ぎ去っています。

より価値発揮をしていく必要があるのです。


オーラの営業 飛翔編―最強の営業力を養成する十文字売虎道場

営業のイロハがぎゅっと凝縮された本。セールスパーソンなら一度は読むことをお勧めします!
<ストーリー> 最強の営業術を伝授する「売虎道場」。そこに集められた4人のダメ営業マンたちは、2年目を迎え、より高度な問題に直面していた。情熱の赤オーラを極め、今度は思考の青オーラを会得するべく、顧客のニーズを徹底的に読むことになる。さらなる高みを目指す合宿を終え、4人が見出す新たな営業の境地とは?彼らは「オーラの営業」を体得できるのか。

オーラの営業 飛翔編―最強の営業力を養成する十文字売虎道場 (Nanaブックス)

 

<追伸>

上で書いたことをきちんと理解し本気で実践すると、法人営業としてどんなものを、どんな場所で売ってもトップセールスになれます。

少なくともトップ集団の下限には入り込めるはずです。その他のテクニックはあとからついてきます。

とはいえ、最も大切なことは「信頼」や「人としての信用」だったりもしますから、ドーピングしすぎないようにしましょう。