辛い記憶は消さないで残しておきたい。
生きていると、悲しい出来事だったり、辛い出来事だったり。そういったものに出会うことがあります。
とても悲しかったり、辛かったり、寂しかったりする気持ちがあって、僕は、それらを抱えて生きていくこともまた、生きるということの大事な意味のひとつなような気がするんです。
消したい過去とか、忘れたい記憶というのは、誰にでもある。
その大きさとか、形は、人それぞれなんだろうけれど。
僕は、辛い記憶というのは、消さないで残しておきたい。
どうでもいい記憶というものがあるならば、というのも、忘れてしまいそうな些細な記憶があって、そういったものは気づかぬうちに自然と遠くにいってしまうこともある。
でも本当は、どうでもいいことなんてなくて、それらを全部ひっくるめて、今の自分があるのだけれど。
僕にとっては想い出もそうなんだけれど。辛くて消したい記憶というのは、箱に入れてしまっておくこともできるんです。
箱にしまって、開けられないものがあってもいいのだけれど、箱を丸ごと捨てるということはしないで、とっておく。
きっといつか、必要な時に開かれる時がくる気がします。
僕は今年になって、自分の中にまだ開けていない箱があったということに気づきました。
というか、箱があること自体、見ないふりをしていた類のもので、ずっと知らぬふりをしていた。
でも、ふとした時にその箱が開いて、中にある記憶とか、感情がわーっと出てきて、自分でもびっくりする。
その時に初めて、僕にとっては今が、自分の中にあるそれらにちゃんと向き合うときで、今までかかった時間というのは、必要なものだったんですね。
無理に開ける必要はない。
同じように、無理に向き合おうとする必要はないのだろうけれど。
こういうことを書けるようになっただけ、少しほぐれてきたのかな。
と思いつつ。
完全にもぐもぐできるには、もうちょっと時間がかかりそうですが。
僕は僕の人生を生きていきたい。