続・新卒採用の選考官をまだ続けているので所感を書いてみた

社会人5年目(東京), 就活生向け

この2022年3月で僕は社会人5年目を終え、4月からは6年目(!)に入ります。

2年目の秋頃から自社の新卒採用の選考官をやり始め、今だにオンシーズン(秋〜春頃にかけて)はほぼ毎週、面接面談をやり続けています。ということは丸4年になるわけです。早いものですね。

入社2年目の2018年秋に書いた記事・・!

僕はプロパー社員(新卒で入社した社員のこと)として、新規事業だったコンサルティング部門の現場社員として、新卒採用部(人事部)にとっては「使いやすい」存在だったわけです。

特に当時は関西拠点の立ち上げ時期だったので、その立ち上げ期に配属された数少ないプロパー社員(多くはほとんど中途採用か異動者だった)として、人事には重宝されていた・・と思うのです。

それから4年。2年は関西で、その後の2年は異動後の東京で、毎年のオンシーズンである約半年もの間は、ほぼ毎週、就活生と対峙してきました。

流石にそろそろ飽きたよね・・という話はさておき、色々と考えたこともあるので、いくつか書いてみようと思っています。

人事や選考官は基本的に人事のプロではなく、配属された普通の社員

これを勘違いをしている人が多いのですが、人事や採用担当者というのは、人事のプロでも採用のプロでもなんでもなくて、その会社で配属され業務を覚えただけの人であると知りましょう。

ましてや現場で採用選考に携わっている例えば僕のような人もそうですが、人事や採用のプロではない。
数年の経験はあれど、別に採用選考のみを仕事にしているわけではないし(採用選考のみを仕事にしている人に適性があるわけではないですもちろん)、その応募者のことを考えるのはその1時間と、時間前に経歴書をサッとみた時間くらいなわけです。

バイアスだらけだし、正しい選考の仕方などを知っているわけでもない。
(そもそもの「正しさとは何か?」という議論は一旦置いておく)

自分の経験則と、なんとなくの気分によって決めるということを知りましょう。

もちろん大手の会社になれば、ある程度信頼できる担当者をアサインするし、上記を踏まえた上で「仕組みで担保する」ような設計フローになっているし、合格/不合格にしても、あるいは面談であっても、基本的には「説明ができる」ようになっているので、とんでもなく変なことが起こる確率は低い。

ただ、就活生と目の前の選考官(人事であれ現場の人であれ)との関係性を見たときには、お互いが「ほぼほぼ、採用/面接の素人同士である」ということを踏まえた上で話をしないと、期待値がずれてしまうのです。

聞かれてウンザリする質問

僕がこの4年間、選考に関わらせてもらう中で感じた、「これを聞かれたらウンザリするな」と思う質問を挙げます。

社員の1日の仕事の流れを教えてください
いや、意味わからん。。なぜそれを聞くのか?意図を聞いても「社員の方の1日の流れが知りたいので」とかいう回答も説明になっとらんし、聞かれたら言うけど、それを知ってどうするのか?仕事をしたことがないからイメージが湧かないというのであれば、あまりにも事前の情報収集が不足している。と思う。

希望の部署に配属されますか?
知らん・・w そもそも日本の大企業に総合職で応募している以上、どこの部署にも配属確率はあるわけで、それが嫌なら地域職もしくは部署採用の応募をしてください。そんなことを一社員に聞いても決めれるわけないので、それが想像できない時点でセンスないなと思ってしまいます。(営業職やコンサル職は不向きだと思う・・)

・仕事のやりがいを教えてください
抽象的な質問すぎて意味不明です。何?やりがいって。この質問自体やめた方がいいと僕は思うのですが、もし聞くなら「〇〇の観点で」という前提条件をつけた方が良い。それ抜きに「この仕事のやりがいは〜〜」と語る会社や社員はイケテナイと僕は思うので、そういう会社を選ぶのはやめたらいかがでしょうか。

・どういう社員が多いですか?
この質問も本当に多いが、どの観点で・・!?となる。何を求めているのだろうか。30代男性が多いですよ、とかそういうことですか?と聞くと「いやそうではなくて、例えば性格とか〜」と言われるんですが、性格って何?「優しい人が多いです」と言えば良いのか?それとも「そういう意味不明な質問をする人はあまりいないですよ」と言えば良いのか。

「御社の社員から、なんでも言い合える関係性があるって聞いたんですけど、社風的なというか。どういう社員が多いですか?」
とかもよく言われるが、社風ってなんぞや。なんでも言い合えるとか、挑戦をお互い応援するんですか?と言われることも多いですが、挑戦を応援するって何の話をしているのだろうと思う。
「やりたいって手を挙げればやらせてくれる」というのも、まだ粒度が甘くて、例えばそれは営業時における言い回しを自分でアップデートできるという話なのか、新しい事業をやりたい!と言えばできるかというと勿論そんなことはないわけで。

前提条件がなさすぎて話にならないので、僕は「そうですねえ」としか言わなくなってしまった。就活生の皆さん、勿体ないよ。

・その他、テンプレートだなと感じる質問
まあ要は、「とりあえずこれを聞いておけばいいでしょ」と伝わる質問や聞き方は、ダメとは言わないけれど「ああ、またテンプレか」と一瞬で伝わるので、「それテンプレの質問ですか?どこの会社でも聞いているんですか?」と僕がいうと一瞬で場がフリーズするので、ちゃんと準備してきてください。

選考官は就活生の「違和感」を突く

会社側からの質問というのは、会社と就活生の関係を考えれば、ほぼほぼ想定できるわけですから、「あ、なんか嘘ついてるのかな」とか「違和感あるな」と思ったら、それはもう就活生側の準備不足なわけです。

あるいは「そう言っているけど、思い込みじゃね?」とかもすぐわかる。

だから違和感の正体を「一貫性がなくない?」と突っ込まれる人が多数出現するわけです。ちゃんとした人たちの「一貫性が大事」というのはそういう理由。

あとは僕の場合は「発言(言い方)」とか「表情」とか「相槌」とか、思考と会話の違和感をちゃんと「なんかおかしいよ」とできる限り伝えるようにしています。

逆にいうと、就活生の側も会社の人たちの「あれ?これってなんかおかしくない?」とか思えば、どんどん突っ込んでも良いと思う。

綺麗な壮大なビジョンミッションを言ってるけど、ほんとかな?
とか、実際の事業とどうつながっているのだろうか?とかを仮説を持って会社の人たちに当てに行くというのはアリだと思うよ。

会社で一番大事なのは「言行一致」だと思っている僕です。

ちなみに会社側が知りたいのは2つで、

1、あなたってどういう人?
2、あなたってうちに合う人?

という2つを知りたいから、それを知るためにいろいろな角度で質問をしているわけです。当たり前ですが、この2点を伝わるように回答しないと、そもそもの土俵にすら乗ってないよ、という話。

これは会社側も同じで、

1、うちの会社ってこういう会社
2、うちの会社が求めているのはこういう人

ということを踏まえて就活生とコミュニケーションを取るべきで。それは会社説明会の場だけではなく、各選考フローにおいて、です。

ちゃんと自分の頭で考えてきたと伝わればgood

とまあ、色々と書いてきましたが、僕的にはちゃんと自分の頭で考えてきたんだな、今まで考えて色々試行錯誤して生きてきたのだな、と伝わればとても好感を持ちます。

テンプレとか付け焼き刃でどうにかしようという浅はかさが出るのは、微妙だなと僕は思うのです。

勿論能力とか、思考力とか、経験とか、そういうものが見られる職種や業界というのもありますが、背伸びして(嘘をついて)そういうところに入っても、しょうがないと思うのです。

やりがい搾取という言葉ありますが、自分自身にやりがい詐欺をはたらいて、自分に嘘をついて仕事をするよりは、大事なものがあると思っている。

世の中にはこれだけの職種、会社があるわけですから、やっぱり就活の1年とか2年とかの間には、出来る限りたくさんの会社を見てみて、いろんな大人に会ってみると良いと思う。

僕の場合は地方で会える人というのは限られていて、だからこそ周りで会える最大限の大人には会いましたし、そもそもの前提としてリアルな人には期待せずにたくさん本を読んで、自分の世界を切り開いていった。

今はネットもたくさんあるし、コロナによって加速したわけですから、いかようにもできると思う。

生き方そのものに頭を使って、自分なりの面白さを見出していければ良いんじゃないかなと思っています!

ということで、今日はこの辺で。しばらく就活ネタは飽きていましたが、またちょくちょく書いてみようと思います。アディオース。