「自分で何もかもやりたい」と思っていた僕が変わった話

2021年7月4日社会人5年目(東京), ビジネスパーソン向け, 経営者向け

IT系のフリーランスでゴリっとやって、いまはスタートアップ企業でプロダクトの開発をやっている友人(後輩)と話をする機会がありました。

スタートアップ時期に関わる良さは?
という話をした時に「ここまで全部関われるのはすごく良い経験」と言っていて、わかりみがすごい・・と思った僕です。

彼はどうやら「結局最後は全部自分でやりたくなってしまう」ということを言っていて、僕自身もそういうタイプだからこそすごく共感できるポイントでした。

僕も少し前までは、「全部自分でやりたくなってしまう病」だったのですが、ここ1年くらいでその仕事の仕方も考え方も変わってきたなあと、話をしていて思ったわけです。

今いる会社で去年新しい部署の立ち上げから関わり1年と少し。

社内で割くことができる人的リソースも限られている中で、3名体制で1年間走り抜けたわけですが、部署自体は3名であっても関わるステークホルダーの数と質は一気にそれまでの何十倍にも膨れ上がっていったのが新鮮な経験。

僕が関西で企業向けのコンサルの仕事をしていたときは、ほぼほぼ自分自身で完結すればよかった。営業なので最後は自分、という側面が強く、プロジェクトが始まってようやくお客さん企業内のチームと関わるようになる、と言った程度のものでした。

でも、企画部門に異動をし、営業から「事業を作る」とか「外部との業務提携によって市場を作っていく」というような役割に変わっていくと、自分自身では完結できない仕事の方が圧倒的に多くなっていくわけです。

途中からチームを抱えたり、あるいは個人の会社でもチーム単位で仕事をするようになって、僕はようやく「誰かに仕事を任せる」「任せても大丈夫な物事の進め方をする」ということを身につけ始めました。本当にここ最近の話です。

自己完結型の仕事から、誰かに依頼をし、誰かと一緒に物事を進めていく。
その経験は僕自身に、想像もしていなかったものを見せてくれました。

自分じゃなきゃできない仕事は意外と少ない

まず気づいたことは、自分でなければならない仕事、自分にしかできない仕事というのは、実はかなり少ないのだということです。

特に大企業の中で仕事をしていると、色々な役割や能力を持った人たちがいるので、自分が最も価値発揮できる領域以外のことは、誰かに依頼をすることができるのだと。

確かに以前は「僕がやった方が早いしな・・」ということを思っていましたし、実際そういう部分もあったのかもしれない。

けれど、実際に誰かに仕事を依頼したいくと、仮に僕のスピードが100とした時に、他の誰かが60くらいでやったとしても仕事が回るようにさえすれば、物事は前に進んでいくのです。

100の成果とスピードを出すために割いていた僕のリソースは、入り口と出口だけ押さえておけば良いので「10分の1」で済むのだと。
そうすると、空いた90のリソースを他の仕事に当てることができる。

そうやって、一人では出来ない良と質の仕事をしていくことで、気がつけば何倍もの業務量と成果を出すことができるようになったことに、後から気付くわけです。

もともと個人で仕事をしていた際も同様で、自分の言動が100%自分の責任となって跳ね返ってくる面白さとやりがい、責任感は中毒性があります。

でも、会社を持つ立場になって誰かに仕事を任せ、少しでも営業や経営業務に時間を割くことができるようになると、自分自身で全部完結をしていた時よりも、何倍ものやりとりができるようになる。

それは「仕事だから」という枠を超えて、人との関わりやつながり、やりがい、楽しさというようなところまで感じられるようになるのです。
一緒に何かをしたい人たちと語り合い、そして仕事という手段を1つとして時間を共有する楽しみを、僕は遅ればせながら学ぶことができたのです。

手放してみると違う景色が待っていた

僕自身だけで完結する仕事のやり方を手放してみると、そこには違う景色が待っていました。

正確にいうと「手放さざるを得ない状況になってしまった」という側面も強い。
1人では到底無理な業務量やインパクトを求められるようになったり、自分自身が目指す先が一気に何倍ものステップを駆け上がるとすると、どうしても誰かと一緒に進んでいくという方法以外はあり得ないのです。

自己完結を手放し、その手放したものが自分の強固な土台となっているなと感じた時。そのときは自分自身が立っている場所が1つ上に上がったような感覚を覚え、見える景色が変わったのです。

自分の下の方に、一段の土台ができた感覚。

これを繰り返していくと、その土台がひとつ、またひとつと大きくなっていき、見える景色も変わっていくのだという感覚を強く持っています。

今となっては、以前のように何もかも自分でやりたい、自分でやった方がいい、という感覚はかなり遠くへ行ってしまいました。

正直、今の方が何倍も面白い。

見える景色が変わっていく感覚は、病みつきになりますね。

今日も読んでくださって、ありがとう。