【映画】アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜
世間では4連休ということで、羽田空港が人であふれているというニュースを目にしました。
移動自粛が世間の風潮の中ではありますが、こうして徐々に移動やプチ旅行も戻りつつあることを考えると、やっぱり人は非日常をどこかに求めているのかもしれません。
非日常といえば僕は連休中はひたすら家で引っ越し準備をする予定です。
連休初日の土曜日は、午前中にプライベートで仕事の話をする会を行い、午後は昼寝をしたり映画を観たりしながらゆっくりと過ごしています。
僕の習慣として、毎日1冊は本を読み、1つの映画やドラマなどを観るという習慣があるので、最近読んだ本や面白かった映画についても書いてみようと思います。
アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜
物語全体がテンポよく進み、最後はすっきりと、でもどこか心に残る甘酸っぱい映画ですごくよかった。
冴えない青年の主人公ティムは、21歳を迎えて父親からタイムトラベルの能力があることを教えられる。それは一族の男性にのみ伝わるという。
歴史を変えることはできないけれど、自分の人生に起こることや、過去の出来事を変えることができる。
ティムは彼女を作り、より良い人生を生きることを心に決める。
SFっぽくはなく、むしろ恋愛モノの物語なのだけれど、愛情溢れるティムの家族と、惚れた女性を一生懸命振り向かせようとする一途な思いにキュンとする映画。
女性の扱いが苦手なティムが、所々で時間を巻き戻し、同じ過ちをしないよう学習していく様なんかは少しコメディっぽいけれど、いやらしくなく微笑ましかったりもする。
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ビル・ナイ演じるティムの父親役が素晴らしく引き立った映画。
男同士のやりとりと愛情がいいなと思った。
やっぱり男同士というのは親子の枠を超えて、いつかどこかで対等になるものだと思う。
母親はいつまでたっても母親であるし、特に息子に対しては息子が50歳になっても母親であるというのは、世界中共通なのかもしれない。
(50歳の息子に対して80歳の母親が「階段は危ないから気をつけなさい」というのが母親ですよね)
父親はどこか、息子の人生を通して自分の人生を確かめようとする、父親というのはそういうものなのかもしれないと、改めてこの映画を見て思った。僕のことを言っているわけではないよ。
ティムは惚れた女性を彼女にし、一緒に暮らし、結婚することになる。
ファミリーに対して「結婚するんだ。子供もできた」と報告をした時に、一番嬉しそうだったのはティムの両親。
そこから子供が生まれ、最後はある理由からタイムトラベルを使って時間を巻き戻すことをしなくなる。
最後のタイムトラベルの時、ティムは父親と卓球をして、父親が勝った後、「戻ってくるのはこれが最後なんだ」というのだけれど、その言葉の裏に男同士の絆のようなものが見える。親友みたいになるのだね。
息子を持つ父親の気持ちは僕にはわからないけれど、自分の息子に子どもができて、息子が父親になることの気持ちは、また特別なものなのかもしれない。
僕の大好きな映画の中の1つに「きみに読む物語」という素晴らしい作品があるのだけれど、「きみに読む物語」も「アバウト・タイム」も、主人公の男は、人生で大切なことを父親から学びそれを教訓として生きていく。
守りたいものができた時、初めて人は本当の意味で大人になるのかもしれない。
そうやって世界は次の世代へつながっていくのだと。
愛のバトンを次につなげていくことこそが、生きる意味なのかもしれないと考えさせられる素晴らしい映画でした。
よかったらどうぞ。