キャリアでは「専門性」より「経験」を身につけろ!『経験』はポジションニングで決まる

2020年3月30日働き方・キャリア, 出世, 転職, ビジネスパーソン向け

僕の大学時代の友人と話をしていて、久しぶりに北野唯我さんの書いた『転職の思考法』という本を読み返したのですが、これがまた素晴らしいことを書いている。

会社選びや転職云々ではなく、自分自身のキャリアにおいて「どの立ち位置を取ればいいのか」という「考え方」について書かれている良書です。
別に転職などを考えていない人も一度手に取ってみることをお勧めします。


このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法

転職に必要なのは「情報」でも「スキル」でもなく、確かな「判断軸」である。一生食えて、心から納得のいく仕事を見つける方法。

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ほとんどの人には「専門性」なんてない

ほとんどの人には「専門性を身につける」「スキルを身につける」という考え方は難しいです。

ここでいう専門性やスキルというのは、「どこに行ってでも通用する専門性・スキル」という観点で、よく就活生が「専門性・スキルを身につけたい」と言っているアレです。

もちろん営業職であれ人事色であれ、特定の専門性を身につけることになるわけですが、じゃあその専門性が他の場所で応用できるのかとか、どこに行っても通用するだけの価値(=希少性)があるのかといえば、それはまた別の話。

『転職の思考法』の本に書かれていて上手いなあと思った表現は、「専門性」と「経験」は異なると。

ほとんどの人は凡人なんだから、価値となる「経験」を積むべきで、その経験は考え方によって得ることができるようになります。

ここで言っている「経験」とは、例えば、

・複数のメンバーのリーダーとなった
・業界の大手顧客を複数担当した
・なんらかの事業を立ち上げる経験をした
・誰もが知る有名なプロジェクトに参画した

など、一見すると「専門性」と混ざってしまいそうな領域もあるのですが、それらは専門性ではなく「経験」なのです。

市場価値という観点では「専門性」と「経験」がどちらも価値になり、そして大半の人にとっては「専門性」ではなく『経験』の方が得られる可能性が高いということです。

「経験」は、どこに立つのか?というポジションニングで決まる

僕がこのブログの中で散々と「マーケット感覚」という表現をしているのですが、マーケット感覚を磨くという1つの考え方がこの「どこに立つのか」によって得られる経験が変わり、価値に直結するという考え方です。

例えば、僕の場合は新卒である大手会社のコンサルティング事業部にジョインしました。他にもたくさんの事業部がある中で、自分自身の経験の価値が最大化できる場所を選びました。

今も毎週のように就活生と話をする中で、「最初からそのポジションを狙っていたんですか?」と聞かれるのですが、答えは「そうです」になります。

正確には、自分自身が社内で有意なポジションを取れそうな会社の中で、将来独立をする時に有意な経験が得られそうな場所、要は自分自身が一番活躍できる可能性が高い場所を戦略的に選んだということです。

就活生当時のゆってぃには、複数の選択肢がありました。もちろん複数の内定先があって、正直今の会社よりも知名度や給料が高い会社、いわゆる客観的にみて「いい会社」はあったのですが、目もくれずに今の会社を選択しました。

その後、関西の立ち上げ時期にジョインできたのは多少の運の良さがありましたが、それによって社内の中でも埋もれない立ち位置を得られたし、独自の営業・コンサル手法を確立することで社内的なポジションも作ることができました。

3年やり、4年目に入るタイミングで新たな部の立ち上げにオファーをもらい、かなり特異な経験を積めると考えているのですが、実はここまで一貫した僕のキャリアは「専門性」ではなく「経験」を得ているのです。

特異な経験、市場価値になりうる経験を積める場所を戦略的に選び、その中で埋もれない立ち位置を作ることに頭を使ってきた結果だと思っています。
多少の運もありますし、もちろん日々の中で工夫する部分も多くありましたが、トータルのストーリーを鑑みると、結局は「どの立ち位置を選ぶか」で勝負の半分は決しているのだと思うのです。

転職・独立なんでもいいけれど、どこに立つのかをきちんと見極める

去年独立をした僕の尊敬する先輩も、頭はいいし器用さもあるし優秀ですが、何よりも彼が優れているのはポジショニングです。
「コンサルティング」という目に見えない、よくわからない商品を提供し、何よりも個人でやっているのですから、戦い方以前に、戦う場所選びが超・重要な問題ないなります。

別に独立に限った話ではなく、就職でも転職でも自分で事業をするでも、なんでも良いのですが、「どこに立つのか」を見極めることに本質的な価値が眠っている可能性は大いにあると思うのです。

例えば、就職・転職でいえば、どの業界に就職をするのかで給料が全く異なります。能力が同じであったとしても、その差は何倍にも開きます。

例えば、大手金融機関に就職をすれば、30代になる頃には普通に行って年収は1,000万円を超えます。
もともとそれなりに優秀で、入社のハードルを乗り越えていることは確かですが、同じ大学・同じような優秀さの人が全く違う業界で、30歳年収500万円というのは普通にあり得ます。

たった数年で、2倍の差です。これは能力が2倍の差あるということではなく、業界全体の生産性、ようは「その会社で1人あたりが稼ぐ粗利額」が2倍以上の差がある、ということなのです。

もし、判断軸がないのであれば、上りのエスカレーターに乗っている業界(=業界自体が拡大している・額が伸びている業界)を選ぶ考え方を持ってもいいかもしれません。

とまあ、それはある程度の人は誰でも考えつくので、例えば外資系のコンサルティング会社出身のエリートが企業する場合は、逆に衰退産業をあえて選択をし、一人勝ちを狙うなどという戦い方もありますが、これも1つのマーケット感覚です。

ようは(少なくとも)業界全体の動きくらいはみた上で、自分の立ち位置を考えてみてはどうですか?ということなのです。

 

その辺りのヒントも『転職の思考法』に載っているので、是非参考にしてみては。


このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法

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