2025年の大阪万博に向けて?5年後も日本が世界から見て魅力的だと言う前提おかしくない?

思うこと

僕のブログを読んでくださっている方の中には、経営者や、大企業で事業を作る側にいる人もいるので、僕が実際の仕事で経験したことをもとに、1つ、クリティカルな投げかけをしてみようと思う。

これ、実は某大手企業(@関西本社)の新しい事業に取り組む部署の人たちとの話で思ったこと。

今年2020年は東京オリンピック(予定)の年だけれど、関西では皆、猫も杓子も「2025年の大阪万博に向けて」というようなことを言う。

もちろん、ビッグイベントなので万博にフォーカスを当てることは当然のことのように思えるのだけれど、どうやら最も大事な「前提」がすっぽり抜け落ちているように思えてならない。

例えば、上のツイートで書いた企業は、こんなふうに言う。

大阪万博でIRが実現されたら、海外から観光客のインバウンド需要が増える。
その人たちに向けたインフラづくり、プラットフォーム作りをしなければならない。

と。一部上場企業の、新しいビジネスを作っていく側の人たちが、だ。

ちょっと待て。なぜ、そんなふうに言い切れるのだ?笑

その企業は、他のコンサルティングファームに何千万というフィーを支払ってマーケット調査をしていると言うのだけれど、そもそも前提が間違っているかもしれないという仮説抜きに行われたマーケティングなど、なんの役にも立たない。

難しい話をしているのではなくて、中学生でもわかる当たり前の話。

5年後に日本(そして関西)が世界と比較して観光として魅力的な街であるか?

例えば東京オリンピックの誘致は、当初、予算が8,000億円として考えられていた。

ところがどっこい、蓋を開けてみると倍どころではない「3兆円」もの予算を投下している。3兆円だ。これ以上の経済効果を生み出せる本当に思っているのだろうか。w

赤字以外の何物でもない。算数の話だ。

大阪万博でも、今のままでいくと、おそらく同じようなことが起こる。
IRを誘致して建てようが、同じことだ。関西、特に大阪にはいわゆる「ハコモノ」だけの負の遺産が、ただでさえ大量にあると言うのに・・

論点として大事なことは、今の日本ではなく、5年後の日本。
それも大阪(関西)が「世界と比較して、魅力的な街であるか」ということ。

今より盛り上がるよね、だとか、今より新しいものができ便利になるよね、と言うのは施作でも戦略でもなんでもなく「当たり前」の話。

今の日本経済の停滞、海外から見て日本はどんどん「どうでもいい国」になりつつあるのに、5年後の日本が万博を開催したとして、海外の人たちがわざわざ観光目的で、あるいはIR(カジノ)目的でわざわざ日本、しかも関西に足を運ぶとは、到底思えない。今のままでいうと、という話である。

 

国家戦略、地域戦略を立てる方々の中に、1人でも「もしかすると、未来の日本は魅力的ではないかもしれない」という疑問を持つ人がいてもおかしくないように思えるのだけれど、いかがだろうか。

いま、関西の企業が打ち出している・考えている「2025年に向けた施作」というのは、そのすべてが「日本は海外の人から見て魅力的で、関西は愛され、観光はより活性化する」という前提に立っている。

本当か?笑

すくなくとも「悪い方の可能性」をきちんと加味した上で、考えていただきたい。

という、僕の愚痴でした。

僕ならこう考える、と言うのはまた別で書きますね。w