動画 戦国時代、到来

思うこと

小学生のなりたい職業ランキング1位にYouTuberが名前を連ねる時代になって久しく。

有名なYouTuberの方々というのは、とても優秀なビジネスパーソンですね。

打合せ・企画・制作・運用・集客(広報・PR)
という一連の仕事をこなしながら、見ている人たちをファンにし、楽しさを提供するというのは、広告会社やマスコミと対等以上の「ビジネス」をしているんだと思うのです。

僕ら世代(20代後半)が中学生・高校生だった頃のネット動画の主流はニコニコ動画でした。

特に「ニコニコ生放送」と「2ちゃんねる」の組み合わせは最強で、ネット時代の一時代を築いたのだなあと、改めて10年たった今、思います。

そういえば、今年2019年にそのニコニコ動画と、サイバーエージェント社が運営するネットテレビのAbemaTVとが提携をし、AbemaTVの番組をニコニコで放送できるようになったということ、知っていましたか?


これはニコニコを運営するドワンゴという会社の社長に、有名な夏野剛さんが就任し、低迷する「ニコ動」の建て直しを図るための大きな一歩だったとのこと。

一見すると、AbemaTVとニコ動はライバルのように見えるのだけれど、実はAbemaTVは「コンテンツ」で勝負をし、ニコ動は「ライブ配信(文字)」を楽しみたい人たちがみるということで、実は相性がよかったりもする。

ニコ動しか見なかった人たちは、AbemaTVの優良なコンテンツをニコ動を通して見られるということ、お互い一石二鳥でしょ、という結構衝撃的な取り組みのひとつ。

 

実は一般のユーザーやファンの人たちが、日々の生活の中で見ることができる動画コンテンツというのは、せいぜい2〜3つくらい。

例えば僕は毎週末にAmazonプライムビデオを見ているのだけれど、それとYouTubeで結構お腹いっぱい状態になっている。
それに加えてAbemaTVもニコ動もNetflixもhuluも、となるとそれはちょっと難しい。(Apple TVもコンテンツ配信を始めたしね)

ましてや地上波のテレビというのはほとんど見る機会はないわけで、となると結局、人々の生活の中にある「楽しむための時間」を24時間の中から奪い合ってしまうという構図になっているわけ。

(そういえば、Amazonプライムビデオが配信している「バチュラー」は面白かった。笑 仕事場でもたまにバチュラーの話が出ていて、テラスハウス振りにこういう企画が出たんじゃないかな?)

 

動画コンテンツの競合は、ゲームや漫画の提供者も含まれる

ちょっとビジネス的な話を書くと、YouTuberや地上波テレビ制作を行うマスコミの人たちの競合というのは、もちろんAmazonプライムビデオやニコ動やNetflixなんかはその通りだと思う。

結局人々が「動画コンテンツを楽しむ」という観点でいうと、上で書いたように5つの動画サイトを見ている人なんていうのはほとんどいないわけで、普通の人たちはせいぜい2〜3つ。

今はその奪い合いをしており、プラットホームという観点でYouTubeが一歩リードか、という感じ。
(あとは人々の生活に張り込んでいるAmazonと、これからはAppleが強いかも、という話)

YouTuberの牙城はTV会社も屈せざるを得ない時代になってきているので、YouTuberを目指したり、そこで動画コンテンツを提供するという戦略はひとつ正しいと思う。ビジネス観点の話。

ただし、前提として「動画市場の奪い合いの中で、ひとつのコンテンツを提供している」という事実は念頭に置いていたほうがいいと思う。

 

ここで、もう一歩視点を上げると実は、それ以外にもたくさんの競合になりうるサービスがあるということに気付かないだろうか?

これが僕がこれからの時代、ますます「動画 戦国時代」になるよねと思っている所以なのだ。

そのひとつとして、例えば漫画。
いま、スマホ版の漫画アプリが急激に伸びていて、広告を目にしたことがある人も多いと思う。

少し前まではこういうプラットホームを提供する事業者が少なく、漫画を描きたい人たちはほぼ無償で描き続けるか、一部の限られた人たちが漫画出版を行っている編集者・プロダクションに引っ掛かり、リリースができていた状況だった。

でも、今の時代、優良なコンテンツを提供する(でも日の目を見なかった無名な漫画作者)の人たちが作る大量の漫画を、アプリを通してシェアすることができるようになった。

僕も3〜4つほど、マンガアプリを読んでみたけれど、これがまた面白いし、課金の仕組みもうまい。

日本が世界に戦えるサブカルの代表「マンガ」は、また急激に市場を伸ばすと思う。

 

そして、もちろんゲーム。

ゲームやマンガというものが時代を一周し、圧倒的に時代に浸透する時代になっていると思う。

スマホ時代が10年経ったいま、ここ数年で新たな市場ができたのだ。

それらは人々の24時間の中で「楽しむ時間」というものを奪い合う。
その観点でいうと、映画もYouTubeもニコ動もさほど構図は変わらないし、提供する媒体が異なるだけで、コンテンツ体験を提供するという側面でいうとほとんど同じだと思う。

そういう構図ができているのが、2020年を迎える日本という市場なのだと僕は思うのだけれど、いかがだろうか。

 

以前に『コンテンツのある人間はやっぱり最強』という記事を書いたのだけれど、何はともあれ良質なコンテンツを提供できるというのは、強みになってくる。

日本という国でみても、海外から外貨を稼ぐのはコンテンツと観光くらいだと思う。

ここまで大量に情報が溢れかえっている時代の次の一手は、コンテンツが溢れかえる時代。
となると、「実体験に基づくコンテンツ」や「継続性・中毒性の高いコンテンツ」を提供できる個人の影響力はますます大きくなるのだと思う。

自分で文章を書くのが好きだったり、漫画やアニメが好きだったり、ゲームを作れるでもなんでもいいから、何かを作るのが好き・得意という人にとっては、最高の時代が到来すると思う。

動画編集ができるとか、文章の編集ができるだとか、ビジネス思考の強い人であれば、コンテンツを作れる人と組むだけで、かなり夢想状態になる時代というのも美味しいと思う。

ぜひ、作る&発信するを繰り返してみてはいかがでしょうか。

ということで、僕自身は時代は変わっても本質は変わらないコンテンツを提供できる人でありたいものですね。