国民の「感情」を相手にする、グレーゾーンという色の世界
連日、吉本興業の宮迫さん、ロンブー淳さんの話や、まっちゃんこと松本さんからの吉本社長の会見と、ひときわ世間を賑わすイベントが続いている。
「どう思う?一連の件に関して」
と今朝聞かれたのだけれど、どう思うも何もないんだなあ。あんまりよくわかっていないというのが正直なところ。
とは言え、一応僕なりに全体感として思うこともあるので、少しだけ感想を書いてみる。
話はいきなり飛ぶのだけれど、僕は島田紳助さんが好きだった。
喋りも上手いし面白いし、そして何よりも「才能」×「努力のやり方」という彼の考え方はすごく共感するし、生き方として参考にさせてもらうことも多かった。現に書籍もすごく勉強になる。
僕はもともとあまりお笑い番組は見ないのだけれど、彼が出ている番組はYouTubeなんかでもよくみる。まあ、俗にいうファンだと思う。笑
紳助さんが芸能界を引退するときも、今回の件と近しい状況だったと思う。
僕は数年前に島田紳助さんが引退をする期で、芸能界の「グレー部分」が全て明るみに出るのではないかと少し期待をしていた。
というのも、芸能界のブラックボックス(中が見えない様)が暴かれるのではないかと思って見ていたのだ。
広告、テレビ会社、芸能界を含めてだいぶグレーなところと、グレーゆえに美味しい世界があったんじゃないかなあと思う。
そういうグレーゾーンこそビジネス然り、人生然りで美味しい世界が広がっていて、ちょっと話はそれるけれどホリエモンなんかもそうだし、世界の成功者たちは世の中のグレーゾーンを見つけるのがうまいのだ。
各業界のパイオニアたちが見つけ出したグレーゾーンがあって、広がって、そして後から多くの人がついてきて、そしてまた一つのルールが出来上がる。
世の中は白と黒の2つの世界にきっちりと分かれているわけではなくて、間のグレーゾーンこそ、世界の中心なのだ。
しかもそのグレー色には濃淡があり、様々な解釈のグレー色が広がっている。
だからこそグレーゾーンは美味しいし、お金になるし、人が興味を持つし、何よりも多くの人を惹きつけてやまないのだと思う。
紳助さんの引退の期に明るみにはならなかった芸能界のブラックボックスは、今回の吉本興業の件でだいぶ白昼にさらされたと思う。
インターネットが普及をした現代は「情報化社会」ではなく「嘘がつけない時代」ということなんだと思う。
良し悪しの話をしているんじゃないよ。世の中には良し悪しの間にあるグレーの方が圧倒的多数なんだから。
感情という名のグレーゾーン
重ねてちょうど参議院選挙があった。
僕の地元にも、大学時代にお世話になった人やその周りの人たちが選挙活動に勤しむ様子が、SNSを通じて幾度となく僕の元へ届けられた。
応援をしていたけれど、結果はさておき、
選挙というものこそ、人の感情を相手にする仕事なんだと改めて思う。
いかに「正しい政策」を「正しい伝え方」で述べたとて、伝わらないし、そもそも国民は(僕も含めてだけれど)政策が正しいかどうかなんて、ぶっちゃけわからない。
そして同時に、わかろうともしないし、興味もない。
それが良いことだとか悪いだとかではなくて、興味がないんだからしょうがない。
まあ、こんなことを言うとまた叩かれるのかもしれないけれど・・
かの有名なマッキンゼー出身のコンサルタントである大前研一さんが東京都知事の選挙に出た際だって、あっさりと負けたと言う事実を今の時代で覚えている人は少ない。
大前研一さんは国の戦略、外国の国家戦略策定にだって関わっていた人。
何千万円以上のコンサルフィーをもらって世界中の要人たちからアドバイスを求められていた訳だから、コンサルという観点で言うと「東京都の未来を描く」こと自体は、そこまで難しいことではなかったはずだ。
でも、彼ですら都知事にはなれなかった。
国民が、彼を選ばなかったのだ。以上でしかない。
それが国民の「感情」でないと言うならば、他に何があると言うのだ。
*
ふと、世界を見上げてみると、グレーゾーンの世界が目前に広がっている。
正しさという正解も、模範回答も、すべてに「絶対」なんてない。
どれにもなりうるし、絶対解がないこの世界で、自分自身の正解を出すということ。
自分の頭で考えて、自分の人生として答えを出し続けることは、してありたいのだと思うのです。
だから世の中は面白いのかもしれない。
そんな世の中が面倒臭さくて、そして、何よりも美しい。