使われ続けるコンサル、使いこなすコンサルの違い

挑戦するセールスパーソンたちへ, 経営戦略

僕のクライアントの1社に、アジア本社の外資系の企業があります。

メーカー企業なのですが、本国の方ではかの有名なIBM社をコンサルとしてもう10年近くも使っているそう。

10年ですよ?すごくない・・?

聞いている感じだと、数名のメンバーがほぼ常駐型で在籍をしているということだと思う。

どんなミッションでやれば、10年間もある企業に入り続けられるのだろう・・
ある意味、すごい営業力なのですね。

聞いている感じだと、なかなか結果が出なくてね、、
ということらしい。何を持って結果といっているのかは不明ですが。

コンサルティング業というのはある意味、利益相反の部分が必ず発生してしまいます。

コンサルタントには、

1)定期訪問型コンサル
2)常駐型コンサル

の2パターンがありますが、特に「常駐型」のコンサルタントは、
ほぼクライアント先に常駐をしているため、自分自身で営業をする時間や労力を捻出することが難しくなります。

コンサルとして求められるのはもちろんクライアント先の要望に応える。
要は、結果を出すことが求められるわけですが、実はここに利益相反のミソがあります。

お分かりですね?

コンサルとしてサポートをし、クライアント企業が結果を出してしまうと、そう。自分の仕事がなくなってしまうわけです。

結果は出さなければならない。
けれども、結果を出しすぎると、自分の仕事がなくなる。

そんな自己矛盾を抱えている業種がコンサルタントと呼ばれる生き物です。

なので、ほとんどのコンサル会社やコンサルタントの人たちは、
契約期間の終わりが見えてきた頃に、新たな課題を(わざわざ)作り出します。

「ここまではうまくいきました。けれども、その中でさらにこういう課題が出てきてしまったのです。

という切り口の元、次の仕事も私たちに発注してください、というわけです。

そのルーティンをぐるぐるすることができる人が、サラリーマンコンサルタントの中では「あいつは優秀だ」と言われる人になります。

理想は自走

僕自身この仕事を始めて、営業職が強い初期段階は、上で書いたような自己矛盾に疑問を持っていました。

課題解決でお金をもらうのですけれども、その課題は自分たちで作った課題、要は自作自演なのではないか?と違和感です。

ありがたいことに、2年目に入ってその懸念点は払拭されましたが、その時の転換期に起きた僕自身の中の心情の変化を書きます。

まず、仕事が増えてきてしまったがゆえに「自分で頑張る」スタイルの限界が見え始めたこと。

僕自身の失敗体験として、「自分自身が優秀なコンサルにならなければならない」という(無意識的な)考えを持ってしまっていて、提案も情報のやり取りも自分自身が頑張ってしまう。その結果、たくさん抱えてしまい、営業的観点で新たなクライアントや案件を増やしていくことが出来なくなってしまいました。

もちろん、単価を2倍、3倍に上げていければ良いのですけれども、経験が浅い中ではそんなに簡単な話ではありません。

典型的に「手段と目的」を履き違えている状態でした。

そこから転換期となったのは、やっぱり「このままの延長線上は間違っている」と思ったが故に、徹底的に自分自身の仕事の状態を見直しをしたこと。

そこで見えてきたのは「究極、自分が何もしない状態を作れれば良いのだ」という経営者的発想でした。

優秀な経営者とは、自分自身が一番暇な状態を作れる経営者です。

手段を目的ではなく、本来の「クライアントの経営課題の解決」という目的に立ち返った時に、何も自分自身が全て関与する必要はなく、自走できる状態が理想なのだと言語化した時こそがターニングポイントでした。

 

そこから先は、目的と手段の分離です。

構造的に目的を細分化し、必要な機能を担保する。
そのための手段を考える。

お客さんが自分たちでできるのであればそれをサポートし、
足りない機能は「何を、いつまでに、どうやって集めるのか」という議論をします。

そうやって細かくチューニングをしていくことで、理想状態を作り上げます。

また、そのチューニング機能を担ったり、機能のデリバリー、はたまた理想状態をデザインしたり、というところで僕自身の価値を再定義したところ、跳ねたわけです。

圧倒的な要件定義力と、設計する力さえあればやっていけるのだと実感した瞬間でした。

 

翻って、あなた自身はどうでしょうか。

あなたは、使われ続ける立場ですか?
それとも、使う側として乗っかる立場ですか?

何かが違うと感じた時、もしかするとそれは手段と目的を履き違えているだけなのかもしれませんよ。

あなたの仕事に、置き換えてみてください。

今日も読んでくださって、ありがとう。