春の出会いと次の出発

2019年3月30日社会人2年目(大阪)

この3月で同じ組織から辞めていく先輩たちがいる。
1人や2人ではなく、異動も含めるとたかだか2桁前半の人数の組織から、結構な人が去っていくものだ。

他の部署や拠点(名古屋、福岡)に異動する人もいるし、転職をする人もいるし、そして独立をする先輩もいる。

出会いと別れの季節が春なのだ、ということを実感。

ところでこの独立をする先輩が、非常に優秀な先輩。
僕の社会人の基礎と、コンサル的思考能力を培ってくれた人で、そして何よりも人生において大切なことを再認識させてくれた人である。

人生において何よりも大切なことは「哲学」であり、そして「愛」である。

自分自身がどう生きていきたいのか?何を大切に生きるのか?
いま、なぜこの仕事をやっているのか?この仕事の先に何を描いているのか?

全ては哲学である。フィロソフィーです。

世の中を虚心坦懐に見つめ、ありのままの自分を受け入れて、自分自身に問い詰めて問い詰めて、一つずつ大切なことが見えてくる。
ああ、こういう生き方っていいなあと、背中で教えてもらった人です。

「仮説」→「検証」という考え方で認めてくれた

僕が入社し、今の組織に配属されたのが2年前の5月。
「とりあえず、稼いでね」と言われて現場に出て、自分で考え、見て真似て盗み、トライして修正して、ということを繰り返すことができた環境であったのは、僕のファーストキャリアにおいてはとても重要なポイントでした。

その当時、先輩たちが10名ほどいたのですが、まずは最初にその全ての先輩たちの商談に同行させてもらいました。

一巡した時点で、圧倒的にずば抜けていた先輩が2人いて、そのうちの1人が上に書いた人。後に僕のチームのリーダーで、一緒に仕事をした先輩でした。

最初にどういう会話をしたのかはほとんど覚えていませんが、かなり早い段階で僕の能力と思考性、そしてポテンシャルを正確に見抜いてくれて、とことん膝を突き合わせてくれたのは、本当に感謝しています。

今でもそうですが、僕自身の能力や思考の深さみたいなものは、周りの人はほとんど理解できない人が多かった。
僕の上司であっても、正確には分かっていないという状況の中で(失礼)、やっぱりきちんと立体的に捉えてくれる優秀な先輩がいたというのは、ありがたいことなのです。

その先輩に以前「どの時点で僕を対等に認めてくれていましたか?」と聞いたことがあります。「かなり早かったですよね?」という質問だったのですが、回答としては「仮説→検証という思考性を持っていることが分かった時点で、1をいえば10わかると知った」みたいなことを言ってくれたのが印象的です。

僕は理系の育ちで、物理やら数学をやっていました。
特に理系的な思考性としては、物事に対して「こうであるはずだ」という仮説を立て、それが正しいのかそうじゃないのか?ということを確かめる(検証)という思考が身についているわけです。

しかもそこには結構な論理的思考能力がる。
とすると、それをビジネスに応用できるであろうと判断し、僕の能力に関しては心配をしていなかった、というのです。

コンサル的思考能力というのは、ある一定トレーニングで鍛えることができます。
が、もともとの能力というのはやっぱり最低限は必要で、そのハードルはもはや20歳時点でほとんど決まっていると言っても過言ではありません。
そこから先、どう伸ばしていくのか?は、元々のポテンシャルにかなり比例します。

経験+哲学で人格を認めてくれた

その先輩の話をもう少しだけ書くと、上で書いたように僕の能力(脳力?)とビジネス的な観点に関しては、全く心配していなかったと。
その代わり、かなり多様なインプットをしてくれて、あらゆる事象に対するビジネスの議論を、これでもかというくらいに重ねました。

「Why?」「So What?」をひたすらに問いかけられ、禅問答のように答えていく。
そこで反射神経、立体的に思考するトレーニング、そして僕らの仕事に必要な「情報を有機的に結びつけて価値を出す」ということを繰り返しました。

その中で、実は僕の学生時代までの経験と、これからどういきていきたいのか?という哲学の話を、気づけばするようになっていました。
どういう文脈で話をするようになったかは分かりませんが、自然流れだったように思うのです。

そして、僕自身の能力というよりはむしろ、僕の生き方、想い、そしてやりたいことというような話の中で、僕という人格を認めてくれたような気がしています。

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ちょうど10歳年上の先輩ですが、こういう人と出会うことで、僕は10年先の未来を生きているような感覚を得ることができるのです。
人生は、どれだけフライングしたのかが重要なんだと、改めて気付かされた2年間でした。

この3月末でその先輩はやめ、個人でコンサルをやったり、もともとやりたかった教育の分野へも広げていくのだと言います。

僕としては心から楽しみですし、金魚鉢ではなく大海で泳いで欲しいなと勝手ながらの想いを込めて応援しています。

これからの人生も、宜しくです。