研修制度や身につくスキルではなく、会社の価値観を聞こう

就活概論(考え方), 就活生向け

いま、僕は自社の新卒採用として、あるいは学生時代からやっている新卒事業領域のつながりなどで(ここはプライベート)、毎週のように就活生と話をしています。

最近の疑問なんですけれども、「ゆってぃさんのやっている仕事って、具体的にどんなのですか?」と聞かれるのはまだいい。
けれども、「この仕事のやりがいってなんですか?」とか「この仕事で成長できたところはなんですか?」とか、「どんなスキルが身につきますか?」とか言われるのは、なんでだろうと考えていました。

仕事のやりがいや、成長、スキルみたいなものを人に聞いて、あなたはどうするの?と思うのです。
ただなんとなく意図や背景はないけれど思いついたから聞いてみました、というならそれはそれでいいけれども、本気でそれを知りたいと思っているならば、なかなかやばい。
他人に仕事のやりがい、成長、身につくスキルを聞いて満足するというスタンスがやばいと思うのですが、いかがでしょうか。

厳しいこと言っているのかなあ。でも本音ですよね。これが大人のルールの本音だと思うのです。

いや、むしろ僕の会社も含めて、採用する側が「我が社のやりがいは!」とか「こんな成長ができます、こんなスキルが身につきます」というような言い方をしているから、そんな勘違いというなのミスマッチが起こるんだと思うんです。

自分の成長くらい、自分で責任持てよ、という話。

そして僕の経験則ですが、成長を目的としている人は、結果、イケてない人が多い。
そして、成長を目的になんかしないでひたむきに自分や顧客や仕事と向き合っている人の方が、結果として成長しているのだと思うのです。

研修制度や身につくスキルではなく、会社の価値観を聞こう

先週、自社の新卒学生と話をしていて、ゆってぃさんのような仕事ができるようになるのに、どういう研修をしてもらえるんですか?」と聞かれました。

「いや、何もしてもらいませんよ」と答えましたが、そもそも研修を「してもらって当たり前の立場」とか「どう成長させてもらえるんですか?」とか思っている時点で、コンサルには向かいないのです。もうね、絶対無理。

「ゆってぃさんのような仕事をしたいです」というので、「無理だと思うので、やめた方がいいですよ」と言いました。
自分の成長ですら他力本願のコンサルタントに、自社の相談をしたいというクライアントがいると思いますか?という話です。

これはなるほどな!と思ったことなのですが、面接という構図において企業、採用側は就活生に対して価値観を聞くわけです。
でも、受ける側は会社や組織、そこで働く人の価値観を知りに行く、ということをなかなかしないわけです。

「この仕事のやりがいは?」とか、そんな表面的な質問をするのはどうでも良くて、もっとちゃんと判断軸とか、事業の中身における価値観とか、目指したい先と今とがどういう風にリアルに接続しているのかとか、あるいは失敗した時やうまくいかない時にどういう判断をするのか?とか、そういうことを聞きに行きましょうよ。

「この仕事をしていて、よかったと思うことはなんですか?」というようなことを聞いたとて、あなたにはなんの役にも立たないのです。雑誌の取材じゃないんだから。
そして答える側も「やっぱり、お客様に”ありがとう”と言われたことですかね」とか、誰にでも言えるような回答をするのはやめようよ。意味ないし。本当に最近、切実に思うことです。

「面接」ではなく「インタビュー」と考えよう

これまたなるほどなのですが、「面接」という言い方をやめたらどうでしょうか?

面接ではなく、インタビュー。

お互いの価値観と能力をきちんと見極めるためのインタビュー。
だから「落とす/落とさない」とか「自社のことを伝える前にまず、自己PRしてよ」というような無駄なことが起こらなくなると思うのですが、いかがでしょうか?

ちゃんと合う、合わないとか、何があればお互いにとってハッピーなのかとか、そういうことを話し合う場がインタビューだと思うのです。

採用側も「なぜ、この事業をやっているのか」「どうしてこの採用ポストが必要なのか」とか、根っこにあるそういうところをきちんと伝えるようにあるべきだと僕は思うのです。

そして受ける側、就活生側も、自分の価値観を伝えると同時に、ちゃんと相手の価値観を聞くようにしましょう。
聞いた質問に対して帰ってこないようであれば、そのレベルの会社なんだ残念だな、くらいに大きく構えていて良いのです。

面接の場は、あくまでもフラットに、そして対等に話をする場です。