採用では「知名度」ではなく、いかに「認知度」を上げるかを考える

経営戦略, 経営者向け

先輩の担当している企業の話。

メーカーで上場企業なんですが、なんとなく「今後は新卒採用も強化していきたい」「その中でも女性の現場の人とか採用したいなあ」「工学系の中途の人も採用したい」と、かなり軸がブレブレのことを言っているらしく、

「ゆってぃさん、どうしようかな」とその先輩に相談?をしてもらって考えたことです。

例えば、何名の人たちに選考を受けてもらって、一次選考があって、二次選考があって、という風に採用を考えるわけです。
イメージとしては、右に行くほど絞られていく三角形の形を想像します。

そのどの段階で、その会社は困っているのか?
ということを聞かなければなりません。

あるいは、そもそもその選考の流れに乗せる前の段階の話かもしれない。

いわゆる「母集団」という言葉がありますが、会社のことを知ってもらい、認知してもらって、受けてもらうという前段階のところが課題なのかもしれない。

そもそも、学生というのは「自分の知っている会社」しか受けないのです。

知名度と認知度は違う

ここで、よく「知名度を上げたい」というようなことを言う会社は多いですが、「知名度を上げる」と「認知度を上げる」というのは、別の話です。

知名度を上げると言うのは、「知っている人を増やす」と言うことです。

いま、例えば農機メーカーのクボタと言う会社が、長澤まさみさんのCMでガンガン「世界のクボタ」を打ち出しています。

なぜかというと、おそらくあれは採用効果を狙った施作の一環です。

農機(トラクターやショベルカーなど)を作って売っている会社なので、一般人向けにCMを打つ必要は本当はないわけです。

ですが、あれだけ素敵なCMをガンガン打ち出すと言うことは、「自分たちの会社の知名度を上げたい」という意図があるのです。

あるいは、ちょっと前に「特殊で何が悪い?」という岡田准一さんを起用した日本特殊陶業という素材メーカーさんのCMも同じことです。

彼らは大企業なので、そういう大々的なPRをすることで自分たちの知名度を上げ、長期的な採用ブランドの構築をしようと思っているわけです。

認知度を上げると言うのは、内容を適切に理解してもらうということです。

単に知ってもらうだけではなく、企業なら「どんなことをやっている会社なのか」を知ってもらうこと。これが認知度を上げると言うことです。

企業の採用でいうと、知名度を高め、そのあとに認知度を高めるという二段階で考えることができると、すごく効果的であるということです。
何かの商品を売る時もそうですね。

最も効果的なのは認知度の向上

とはいえ、上で書いたクボタとか日特という企業は、超大企業です。

CMや広告費用も湯水のようにとは言わなくとも、かなり大胆に投資することができます。

そうではない多くの企業にとって、いかに自分たちの会社を知ってもらい、採用につなげるか?ということにおいては、やっぱり認知度を上げる努力をしましょう、ということです。

まず、知ってもらうは大事です。

が、どのように知ってもらうのか、はもっと大事だということです。

そのために大切なことは、「どのように、知ってもらいたいか」ということを、会社として考えることなんですね。

だから「認知」が大切なのです。

あるべき論だけ述べてもしょうがないので、具体的な提案を書きます。

具体的な施作としては、

1 自分たちが何者なのかをちゃんと言語化する

2 現場の社員にもそのような認知を持ってもらう

3 採用の場で一貫して語る

の3つの段階を考えます。

 

大事なのは1と2です。実は、採用の場だけでいいことを語っても、結局はザルで水をすくうようなものなのです。

時間はかかりますが、1と2をちゃんとやる。現場の社員が「そうだよな、俺たちの会社って、こういう会社だよな」と思ってもらえるものを、一緒に作り上げていく努力をするのです。

その先に、採用で語れる「自分とは何者だ」ということがあるのです。