【新規事業①】新規事業の成功は「誰がやるか」で決まる

2018年11月17日新規事業, 経営者向け

追記)

オープンイノベーションから学ぶこと。

少し前に「大企業の経企とのディスカッションから学ぶこと」という記事を書きました。

僕がやっている仕事のお客さんは、売り上げ規模で数百億円、場合によっては数千億円の規模の企業があったりするのですが、そういう大企業の場合、色々な事業部の人たちとやり取りをさせていただくことが多いわけです。

もちろん、名刺の力様様なのですが、20代で(しかも新卒で)そういう人たちとディスカッションをさせてもらえることが多々あるというのは、これ以上ない財産なわけです。

その中でも、会社の経営を担う部署といっても過言ではない経営企画部、通称「経企」の部署の人たちは、そりゃあもう優秀です。キレキレですし。

そんな彼らと色々な人や会社を交えてビジネスの話をすることで学ぶことが多くて、その中で学ばせてもらったことを書いていこうと。

新規事業の成功は「誰がやるか」で決まる

日本を代表する多角事業の雄であるメーカーで、様々な新規事業を形にしてきた方がおっしゃっていたことです。

誰がやるかの「誰」の要素って何ですか?

という問いに対する答えは2つ。

1つは、「自分がやる」という意思を持っている人

もう1つは、能力。(当たり前ですが)

意思を持つ人。これが最も重要だといっても過言じゃない。

新規事業は「やらなければならない」ということでやっている人には無理だと。

大企業は、お金も時間も体力もあります。だからこそ、上からどーんと「こういう新規事業、やれ」と落ちてくることも多い。

でも、そうやって上から落ちてきた新規事業に対して、実際に形にして行くメンバーが”やらされている状態”であるならば、絶対にうまくいきませんよ、ということ。

その会社は、新規事業のプロジェクトメンバーを選ぶ時に、選抜試験で「私のやりたい新規事業」というテーマで議論を求めるそうです。

ところが、ほとんどの人たちは今の事業の課題を挙げ、「だから、これをやりたい」ということを言うのだそう。

そして、その答えをする多くの人たちはNGだそうです。

社会人経験を長くしていると、ある一定に優秀な人たちはみな、そう言う答えをしてしまうというのが性なんですね。

でも、新規事業に必要な要素は「今の課題」ではなく、「これをやりたい」という強烈な意思であるのだと。

経企に求められるのは「価値の翻訳」をする力

そして、これは「なるほど」と思ったのですが、新規事業を背負った人たちに求められる能力にも2つあります。

1つは、適切な課題形成力

そして、あらゆる人たちとのやり取りの中で「価値を翻訳」する力です。

1つ目の適切な課題形成力は、上に書いた「新規事業をやる意思」ということにも繋がります。

ほとんどの人がNGだという「今の課題はこれ、だからこれをやりたい」というのは、適切な課題形成にはなっていない。

正確に言うと、新規事業の事業かと言う観点では、適切ではないと言うことです。

そして、価値の翻訳について。

例えば経営企画部や新規事業開発部、メーカーによっては研究開発部なんていう部署があるでしょう。

こういう人たちは、たくさんの利権関係の中で揉まれ、そして多くは失墜していきます。

関係者の中には顧客やマーケットがあり、自社には営業、開発、技術、役員、といったたくさんの人たちがいある。
そして、彼らはそれぞれの言葉で話をしているわけなのです。

営業は営業の、技術は技術の言葉というのがあります。

新規事業のプロジェクトメンバーに求められることは、今取り組んでいる事業のタネの本質的な価値を見出し、その価値を、それぞれの言葉に置き換えてやり取りをすること。

だからこそ「価値の翻訳」なわけですが、これは極めて高い能力を求められるわけです。

***

企業の新規事業というのは、生半可な気持ちではできないですし、それに関わる人たちの多くも、上のような悩みを抱えているのだと思います。

ということで、この内容はシリーズ化して、いくつか書いていこうと思っています。

今回はここまで。次回は「新規事業の会社の中での位置付け」について。

読んでくださって、ありがとう。

 

【前回の記事はこちら】