複業時代には個人携帯がお金を生み出す装置になる

働き方・キャリア, 思うこと

2020年代は「複業大航海時代」だと思う。

社会的な背景で言えば、コロナがあり、在宅・リモートワークが当たり前になり、2019年以前は当たり前だと言われていた「満員電車での通勤」や「対面での打ち合わせや会議」や「書類業務」すらも全部いらなかったということに世の中全体が気づいた。

そして国が「副業・兼業」という言葉を旗を掲げて推進している中で、会社に勤めながら「副業」をする人が圧倒的に増えた。
また人材紹介事業者を中心に「副業人材と、企業の業務」をマッチングするサービスもぐんと増えた。

少し前まではクラウドワークスくらいしか有名なサービスはなかったが、それこそ今では数えきれないほどのサービス、事業者が乱立している。

個人的には「副業」という言葉は好きではない。
なんか「副(サブ)」という言葉の裏側には「メイン:本業」があり、副業はあくまでも経験稼ぎ、お小遣い稼ぎ、というニュアンスに聞こえるからだ。そもそも今の時代にメインもサブもないだろう。今後間違いなくその辺りは混ざっていく。

話はさておき、環境面で「複業」をできる環境が加速した背景もあり、今や自分自身のスマホとPC1台を用いて、仕事が進むようになった。これは非常に大きな変化。

数年前の「PC一台で稼ぐ」といういわゆるノマドワーカー的な感じではないのが面白いところ。以前の「PCさえあればどこでも稼げる」という言葉の裏側のニュアンスには、例えば「文字を書くライター(ブロガー)」というニュアンスがあった。

今はそれがYouTubeに置き換わっていると思うのだけど、ようは誰でも参入できるものが「誰でもPC一台で稼げる」という言葉の裏側にはあったように思う。

でも、今の時代でちゃんと稼げる、仕事で価値を出せる人というのは、リモート時代でなくとも仕事ができ価値を生み出すことができる人が、リモート環境でさらに仕事が加速した、という時代の入り口なのだと感じる。

逆を言えば、二極化が加速していくので、仕事ができる人はリモート環境を使いこなしてますます仕事を効果的に回していく。
一方で仕事ができない人はリモート仕事すらままならず、あるいはリモートであっても何も生み出せない側になってしまう、ということ。

私用デバイスでガンガン仕事をする時代

そんな環境下で僕がひとつ面白いなと思っているのが、私用デバイス(個人のスマホやPC)をガンガンに使って仕事をする時代になったという観点。

企業勤めの人は、仕事で使用するPCやスマホは会社から貸与されるわけだが、これからの複業時代では、複数の会社の仕事をうまく掛け合わせていく人が増える。

実際に僕も、勤め先の会社ではもちろんPC/スマホは貸与だが、個人の会社では私用デバイスを用いてガンガン仕事をしている。

iPhoneとMacBook Airで、Google関連の一色(ドライブ/スプレッドシート/Slides)、LINEやメッセンジャーという連絡ツール、Slackやチャットワークというチャットツールを組み合わせて、ほぼ仕事が事足りる。

契約書はクラウドサインが一般的だし、紙の書類なんてほぼ100%使わない。

もともとは私用でSNSくらいしか使い道がなかったという人も多いはずのスマホやPCが、これからは「会社用」とか「仕事用」ではなくて、あらゆるアカウントを使い分ける生産デバイスになっていくのだと思っている。

現に僕自身のiPhoneとMacBookは、すでに5つ以上のアカウントを併用している。1つは僕の個人のGmailであり、もう1つは僕の会社のアカウント。

残り3つはクライアントの会社のドメインで発行されたアカウントで、僕のGoogleカレンダーは5つの仕事用のスケジュールが重なっている。(最初はちょっと戸惑ったけれどもう慣れた)

メールアカウントも5つあり、「社内用のチャット」も複数社分×複数のトークルームがあるわけだが、この全部が日々テンポ良く動いていて、常にレスを返せば仕事が進むということになっている。

僕が今、会社員の給料の何倍ものフィーを毎月稼いでいるわけだけど、それは従来の何倍もの仕事量をしているからであり、こうして言葉にしてみると当たり前の話。

誰かに仕事をお願いできると生産性は何倍にもなる

以前であれば上のいくつもの仕事をぜんぶ自分でこなさなければならなかったはずですが、自分が会社を持ってメンバーと協力しながら仕事をできるようになると、誰かに仕事を依頼できるようになる。

これは「生産性」という観点で非常に大きくて、iPhoneだけでもかなりの量の仕事をこなすことができるようになる。

ホリエモンがよく「仕事はiPhoneだけでできる」と言っている理由はそこにあって、もちろんホリエモンが関わる仕事にも会社なのだから当然、資料作成をしたり、Excelで数値管理をしなければならない仕事はあるはず。(そのほかにも何かを「作る」という仕事はPCでないと難しいものも多い)

でも、ホリエモンが「iPhoneで事足りる」と言っているのは、そうした仕事は全て、誰かにお願いできるからということに他ならない。

実はこれは結構当たり前のように思えて、気づかない盲点だったりもする。

ワーカー視点でいる限り気づけない観点で、僕は自分で会社をやって仲間と一緒に仕事をするようになって、遅ればせながら初めて気づいた。

一般的に優秀だと言われているビジネスパーソンは「自分はこれができる」というものがある。PCスキルも高いかもしれない。
だからこそ「これもできる、あれもできる」という考え方になるが、一度「自分以外の人に依頼する」という発想を持つと、それこそ24時間スマホだけ持って外にいても、かなりの量の仕事をすることが可能になる。

実際僕も出張仕事が多くて移動や外にいる時間が長くとも、毎日何かしらの仕事を進めることができる。これは非常に大きい。仮に外出していてPCを触れずとも、価値を生み出す(ひいてはお金を)生み出すことができるようになるということだ。

電話ではなくチャットやメール(それこそ今の時代にはメールも嫌なのだが・・)でのコミュニケーションになっているので、移動中電話をするというのも激減した。

当然ながらこれは、一朝一夕にできるようになるかというと、当然ながらその仕組みを作るのには時間も手間もかかる。
今までPCメインで仕事をすることしか知らなかった人が、明日からいきなり「スマホだけでそれまでと同じように仕事をする」というのは難しい。

あ、ちなみに、それまで全くPCを使う必要がない仕事(対面営業のみとか)はまた別の話で今回の論点には入っていない。それは一周遅れでだいぶやばい。

ホリエモンのように仕事を100%スマホ一台で完結させ、かなりのフィーを稼げるようになるには、経営者になって仕組みを作ったり、いろいろなプロセスがあると思う。

ただ重要なのは、考え方とやり方によっては、それまでの何倍もの生産を出来るようになりますよ、という気づきの話。

これからは間違いなく「会社からデバイスを貸与する」ではなく「自分のデバイスを使用、会社はアカウント発行するだけ」という会社が増えていく。今はそういう時代なのだ。

もちろんセキュリティの観点、ITリテラシーの観点はそれまで以上に求められるのは前提。
「何かあったらどうするの」という「リスクを唱えるオヤジ」はたくさんいそうだが、世の中はリスクではなく「圧倒的な利便性」が出現すると合理的な方向に物事は進んでいく。マジョリティは圧倒的な生産性には敵わないからだ。

数年後、このブログがバズったら面白いなあ。(予言)

 

PS)それでいうと「法人向けの携帯キャリア営業」というのは激減するはず。携帯代理店の方々は、上で書いた流れを踏まえて次の施策を考えなきゃ。