文章を書いてくれてありがとうございます。

大学時代

というメールをくれた、物理学を学んでいる大学生のあなた。ありがとう。

もともと医学部を目指していたということは、学校の勉強は比較的得意なタイプだったのではないでしょうか。
学校の勉強が得意だった人は、実は大学になって目的を忘れてしまう人も多いです。大学に入るという目的を通過すると、その先一気に盲目になってしまうからです。

大学に入ると、多くの人は「あれ?何のために大学に入ったんだっけ」と思いながら日々を過ごし、学ぶ目的や意欲のようなものを忘れてあっという間に4年間を通り過ぎてしまいます。

そして大人になって事あるごとに「大学時代はよかったな」と思い、若い人たちを見ると「大学時代は人生の夏休みだ。今のうちにいっぱい遊んでおけ」という大人になるのです。

もちろん、大学時代に遊んでおくことは大事なことだと思います。
20歳前後だからこその感受性で、思う存分に時間を費やせるということは1つの財産になります。どんなことをしてもです。

でも、大学時代が人生の夏休みで、大人になってからは下り坂というのは少し違います。
大人になって社会という大海原に出て、もっともっと自由を獲得し輝いていく人もいます。

そういう人たちの共通点は、大学時代にこれ以上ないくらい没頭した”何か”を持っているものです。

僕は今27歳で、今年28歳になりますが、20代後半になってくると人によってはたくさんお金を稼いだり、世に名前が出てくる人がちらほら見られるようになります。

その中でも、30代以降にますます輝いていく人と、一瞬の輝きはどこへやらと消えていく人の2通りに別れます。
前者はやっぱり10代、20代のうちに没頭した何かを持っている人たちです。

答えのない世界へようこそ

僕のこのブログを読んでいるような人であれば、大人の世界と子供の世界のルールの違いは「正解があるかないか」ということにあると知っているはずです。

口では「社会には答えがない」と言っていても、実際やっていることは「誰かの言ったことをそのまんま」という大人もたくさんいるから不思議なものです。

大学受験までは、いかに「賢い人の考えた模範解答」を「素早く正しくアウトプットできるか」という競技でした。

いま、メールをくれたあなたのように(そして僕のように)物理学や、学問の世界に身を置いてみると、ひしひしと「答えのない世界」を彷徨いながら冒険する楽しさを学びます。

これからは模範解答のない世界ですから、何をやっても正解です。

大学生というのは社会の入り口なわけですから、時間を目一杯、自分自身に使ってみて良いと思います。

色々な在り方がありますが、僕のお勧めは学問に没頭したり、本の世界に没頭したり、自分の得意なことや好きなこと、技を磨くことに費やすことです。

要は孤独に過ごすということで、孤独に過ごすというのは、外でもない自分自身とたっぷりと向き合うということです。

「大学時代はよかったから戻りたい」という大人もたくさんいますが、「大学時代もよかったけれど、社会はもっと最高で自由だよ」と言う人がいることも知っておくと良いかもしれません。

いつもブログを読んでくださって、ありがとう。