何かを生み出そうと思うのであれば、人と真逆のことを考えてやってみる

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いやはや、ここ数日、ブログの更新が滞っていて・・
読みにきてくださっていた方、ごめんなさい。なんだかんだとバタバタする期末です。

今まであんまり時期に左右されるような仕事ではなかったのですが(この時期は忙しい、この時期は忙しくない、など)、3年目の終わりにしてようやく、時期要因でバタバタしてしまっていました。かたじけない、、

仕事にも変化があり、またもう少ししたらこのブログにもちゃんと書けると思うのですが、今や結構いろんな人に見られているブログですので、安易なことをかけずに。笑

この土日は、ほとんど泥のように眠って、空いた時間は少し家事をして、ほとんどは資料作りに費やしていました。(仕事かい!w)

アウトプットの機会を設けることで、インプットが倍増されると。

僕は仕事柄、特に「ビジネス」とか「経営」に関わるあらゆるアウトプットの機会を定期的に持つことができていて、それによって日常の情報収集や読書が、有機的な知識の吸収と思考の機会として成り立っていることを実感します。

インプットだけでもダメだし、アウトプットだけでも成り立たない。

例えば今の会社の仕事以外にも、個人的に人と話す機会も多いし、パラレルでやっているビジネスもあるので、結局は生活、24時間の過ごし方全てがなんだかんだとインプットであり、それらがアウトプットにつながっているのだと。

早いもので大阪3年目を終えようとしていますが、10代の頃に思い描いた状態に、なんだかんだとあるような気がしていて、ふとした時に嬉しくなります。

イノベーションのジレンマ

ちょうどこの土日に作っていた資料の内容が「イノベーションのジレンマ」というものをテーマにした、丸1日分のイベント向けの資料で、結構なボリューム。笑

「イノベーションのジレンマ」という言葉を聞いたことがある人は多くはないと思いますが、新規事業をテーマに取り組む大企業の企画部の人や、経営陣、あるいは彼らを顧客とするようなコンサルティングファームに勤めている人は前提の知識かもしれません。

ハーバードビジネススクールのクリステンセン教授が極めて秀逸な本をまとめられており、もし興味のある人は手に取ってみてはいかがでしょうか。本当に素晴らしい本ですが、読解するのに結構なビジネス力を要するので、読んでみたけれどよくわからない(汗)という方は是非、メールをいただけたら回答差し上げたいと思います。笑

また、同じくクリステンセン教授が書いた「ジョブ理論」という本もとてもオススメです。紹介まで。

さて、「イノベーションのジレンマ」が語っているのは、優良な大企業がイノベーションを考えるにおいて、経営的に”正しい”意思決定を行うことこそが、失敗の原因になるという「ジレンマ」を論理的、ビジネス学的に解説しているものになります。

なぜか。

それは、大企業が大企業たる所以なのですが、今までメインとしていた事業にはもちろん主要な顧客がいるわけです。お客さんですね。

そのお客さんに対して価値を提供しようとすると、お客さんは「今までと同様か、それ以上の性能を求む!」という声を発します。
例えば、何かの製品や商品に対して「もっと良い機能を」とか「この製品をさらに安く」とか。

大企業が存続し続けるためには、何よりも一番に、その既存のお客さんの声に応えなければならないのですから、「機能をよくしよう」とか「安くできるように企業努力をしよう」と取り組むわけですね。当たり前の話です。

そして同時に、企業経営的にはこうも考えます。

「既存の事業だけでは、将来、どうなるかわからない。だから同時に、新しい事業を考えよう!」と。

最もらしい考えです。そして、次にこう考えるわけですね。

「我が社の強みを生かせる事業を考えよう。我が社の強みの技術はなんだ?」という風に。

そうですね、合理的な判断ですよね。
そして、それこそが「イノベーションのジレンマ」の落とし穴に一歩足を踏み入れているのです。

新しいことに挑戦するということは、今までの価値観では考えられないということ

上の話を理解するのに、1つ、もっともわかりやすいエピソードがあります。

例えば、僕らが日常的に使っている「iPhone(アイフォン )」があります。スマートフォンですね。スマホを一般化させたAppleが作り上げたiPhoneという製品は、まさしく素晴らしい「イノベーション」なわけです。

その前の時代のことを、僕らは覚えていますか?

そう、ガラケーと呼ばれる携帯電話を使っていました。僕も高校時代まではガラケーでメールをしていましたが、しかしガラパゴスケータイっていうネーミングがもう。。。笑

さて、ガラケーを使っていた当時の僕らは、携帯電話メーカーから見た顧客なわけですが、その顧客が最も望むものはなんだと思いますか?

メーカーはもちろん、顧客が「最も欲しい!」と思う物を一生懸命作って届けてサービスをするわけですが、当時の僕らに「どういう携帯電話があるといい?」と調査すると、どういう声が生まれてくるでしょうか?

そうです。お客さんは必ずこういいます。

「もっと通信速度が早い携帯電話が欲しい」
「もっとお洒落で、いろんな機能がついているものはないの?」
「できれば毎月の携帯料金がもっと安くなるといいんだけど」

そうですね。お客さんにいくら一生懸命調査をしたところで、「iPhoneのようなものが欲しい」という声は絶対に出てきません。

イノベーションのジレンマとは、こういうことです。

iPhoneという製品は、それまでガラケーを使っていた人の要望によって生まれたものではないのです。
そして同時に、お客さんは、iPhoneを見て、手に取って、初めて「iPhoneのようなものが欲しかった!」と気づくわけです。

逆にいうと、iPhoneを見せられるまで、僕らは、iPhoneが欲しいということに気づかないのです。

当たり前だといえば当たり前のように思える話ですが、実は多くの大企業は例に漏れず、このジレンマに陥って、同じ失敗を繰り返しているのです。

 

ビジネス的に詳しい考え方は色々ありますが、単純な話と思えばそうなのです。

新しい何かを生み出そうと思うのであれば、今までの価値観や評価に従ったことをしていてはダメなのです。なぜならば、今までの価値観や評価に従って出てくるものは、すでに世の中に溢れているのです。

従来の延長線に描かれる「新しい価値」というものは、すでに世の中にあるか、もし今ないのであれば、それは新しい価値ではないということです。

新しいことに挑戦するということは、今までの価値観では考えられないことをするということなのです。言うなれば、今までとは「全く逆のこと」を考えるということです。

人生の意思決定を「みんな」に委ねるか否か

実はこれは、事業を作る時に限った話ではないのです。

例えば僕はいま、毎週のように就活生と話をしていますが、99%の学生がほとんど同じことを言いますし、僕に対して回答を求めてきます。

「どうしたらいいですか」とか「これでいいですか」と言ってくるのです。試験勉強をしているわけではなく、人生の選択をする時に、です。

そしてこれまた多くの人は「みんなと同じだから」という方を選択します。
「みんなと同じは安全」というのは、1つの在り方です。どちらを選んでも良いのです。

でも、「みんなと同じがいい」と言いながら「人よりはいい生活がしたい」とか「スキルを身につけてたくさん稼ぎたい」とか「キャリアを描ける場所に行きたい」とかいうのです。

「みんなと同じ」なのであれば、稼げる額も、身に付くスキルも、描くキャリアも「みんなと同じ」かその周辺になるのは、誰でもわかる話です。それこそ小学生でもわかります。

「みんなと同じ」と言いながら「人とは違っていたい」というのはおかしいのです。まずはその矛盾に気づくことです。

どうして、自分自身の大事な人生の意思決定を「みんな」というよくわからない、不特定多数の人に委ねるのか。

違う”何か”を日常にもたらしてみることから人生は変わる

せっかくこのブログを読んでくれている人がいるので、元気になってもらえればと思って書いています。
ですので、「僕ならこう考える」という具体的な話を書きます。

例えば、毎日1つでもいいので「みんな」と違うことをするのです。生活の中に入れ込むのです。
こうしてブログを毎日書いてみる。日記を1年間書いてみる。何かを生み出す習慣を持っている人は強いです。

あるいは、1週間に1つ、毎日の習慣の中から変化を生み出してみるのです。
例えば、通勤経路を変えるとか、シャワーからお風呂に変えてみるとか、ひと駅余分に歩いてみるとか、毎朝買うコーヒーをやめてタンブラーにするとか。そういうことでいいのです。

あるいは、1ヶ月に1つでもいいので、今までの自分ではやらなかったことに挑戦してみるのです。
例えば、今までの自分では絶対に読まなかった本を買って読んでみる。なんなら、今まで行ったことのない街の本屋に足を運んでみる。見たことがなかったカフェに立ち寄ってみる。

人生を変えるということは、日常を変えるということです。
でも、人生を変えたいと思わなくて、今までと同じ人生がいいと思う人は、無理に日常を変える必要はありません。それは人それぞれですし、好き好きです。

経営論を学ぶことは結局、人生論を学ぶということであり、生き方を考えるということなのだと思います。

その行き来をしながら過ごせる毎日に僕は感謝をしているのです。

 

経営論のビジネス書から学ぶ人生論は楽しい。