なにがなんでも水族館で働きたいという子に出会った

日々徒然

水族館に行きたいんですという就活生と話をした。

半端ないほどの熱量と、「ここじゃないとダメなんです!」という強い気持ちが伝わってきて、久しぶりに押された。
ああ、これほど行きたい場所、憧れのステージがあるということは、本当に素敵なことだなあと思った。

僕は良いか悪いかはわからないけれど、就活はタラっと(&真剣に)臨んだことを思い出す。

例えば大学受験なんかをイメージしてもらえるとわかるけれども、何年も前から憧れの大学や先輩、そして自分自身の大学生活を思い描いて焦がれて、いろんなことを調べて、何年間も大学受験に向けて勉強をするし、それでも落ちてしまうだとか自分の限界と向かうタイミングだったりもする。

でも、就活っていうのはちょっと違うくて、もちろん行きたい業界や企業というのはあるかもしれないけれど、ほとんどの人が「この会社に落ちたら打ちひしがれる」というほど焦がれる思いを抱いているケースは少ない。
この会社に落ちたら、隣の会社も受ければいいや、と思っている人が(実際問題として)多いと思う。僕だってそうだった。

そんな就活生の人たちをずっと見ている中で、大学生活の次のステージ、キャリアのはじめの場所をあれだけ真剣に、本気で、そして恐らくは何年も思い続けることができる姿というのは眩しくて、ちょっと羨ましくも見えた。

世の中には本気で「この場所に入れるなら、お茶汲みでも掃除でも、なんでもやります」と言い切れる強さを持った人たちがいる。

それは「なんでもやります〜」と軽い気持ちで発言をすることとは全く違い、一周回ってその間に「本当にこの場所でいいのか?」「自分が本当にしたいことは何か?」を突き詰めていった結果として、「いや、それでもこの場所じゃなきゃダメなんだ」と言い切る覚悟を持っているということ。

その人たちに共通してあるのは勇気。

実際に属したことがなく、どこまでいっても不確定な情報があるということはわかった上で、それでもやっぱりここに行くのだと決める勇気。

僕にはなかった。すごいなと思う。

 

思い返すと、僕自身は高校受験もせず(中高一貫の私立だった)、大学受験も地元の国立大学で(まあ、受かるだろう)、就職活動なんていうのも舐めたものだったと今では思う。

でも、ファーストキャリアで選んだ場所は、数多くの幸運が重なり、結果としてはこれ以上ない選択をすることができたと思っている。

タイミング、所属の場所、周りの人、順序。

引き寄せの法則で僕が引き寄せたとも言えなくもないから、その部分は僕の実力だと思う。笑

でも、やっぱりトータルで見るとどう考えても運が良かったことは否めない。
運も実力のうちでしょうか。。笑

だからこそ、この場所でできうる限りのことをすると決めて今があって。
でも、それは超・頑張る!とかそういう精神論的な話では一切ない。

極めて論理的に頭で考えて、自分の今と今後と、組織のタイミングと、周りで関われる人の水準だとか思考だとか、そういうものを全て緻密に考え、今日明日を過ごしていくということ。

全国で切磋する大学受験生や、その水族館を目指して頑張る後輩のような人たち以上に、圧倒的に情報を集め、考える。考え抜く。
今できることはこれ以上ない、と思うことをやり抜くという経験は、僕の20代の中でとても大切なものになるんじゃないかな。

そんなことを改めて思わされた今日でした。