今の僕には、今の世界の景色しか見えない。
時々、ふとあの頃を振り返ってみることがある。
その時に立っているのは、例えば17歳の僕だったりもする。
今となってみると、あの時どうしてあんなことに悩んでいたのだろう。どうしてあれほど生きることが苦しかったのだろう。しんどかったのだろう。あんなに孤独だったのだろう。
そんな風に思うこともよくあるのだけれど。
でも、あの時の僕に見えていた景色というのは、あれがすべての世界だったんです。
感じるものも、考えるものも、17歳の僕にしかわからないもので。
17歳の僕には、17歳の世界しか見えないんです。
若いのになんだ、とか、それくらいでどうだ、とか。
そんな風に言う大人もたくさんいたけれど、あの時はあの時なりに、必死に生きていたんだと思う。
そんなつまらないことで、っていう人もたくさんいると思うけれど、僕には僕の世界しかわからない。
それが、僕だったんです。
自分自身を着飾ることなんて何もしないまま、目一杯背伸びして生きている、ちょっと生意気なただの一人の少年。
いまも時々、いっぱいいっぱいになって苦しくなったり、寂しくなったりすることもある。孤独を感じることもある。
24歳になった今だって、たくさん泣きます。
大好きな人たちもいるけれど、それでも、時々どうしようもなくなってしまうことはある。
でも、それでいいのかなって。
だって、今の僕には今の世界しか見えない。
30歳になった僕が、そんな時代もあったね、って。そんな風に思えたらいいんじゃあないかって。
17歳の僕だって、いまの僕だって、30歳になった僕だって、自分に変わりはないのだから。