採用担当者へ告ぐ、学生は「知っている企業」しか受けないという当たり前の話

2019年1月19日就活概論(考え方), 経営戦略, 就活生向け, 経営者向け

僕は社会人になってしばらくたちますが、学生時代の就活のことはよーく覚えています。

その当時から今もなお就活生の人たちと話をしているのですが、何百人という学生(就活生)と話をしていて思うこと。

学生は「知っている企業」からしか選考を受けないという、極めて当たり前の事実。

たとえどんなにいい事業をやっていると自分たちで思っていたとしても、そもそも知ってもらう、せめて「なんとなく聞いたことがある」くらいの存在にならないと、選考を受けることは永遠にないですよね、という話。

わかっていますよ。くだらないと思う経営者や採用担当者もいるでしょう。

「受けるんだったら、自分たちで調べてたどり着けよ」と思うでしょう。わかります。

でも、ちょっと考えてみてください。

学生からみた時に、企業というのは日本国内だけで数万社も存在するのです。

その数万社から、全く知らない状態で少しばかり業界のことを調べたとて、あなたの会社にたどり着くことはできると思うでしょうか?

あるいは、同業種同業界の会社と比べて、あなたの会社は圧倒的にずば抜けた存在感がある会社で、しかもその強さは素人(そう、就活生は素人でありお客様なのです)にわかる形になっていると、本当にそう思いますか?

もっと痛いことを言いますと、あなた方も学生一人一人をみているわけではないでしょう?

「そんなことはない」と声を荒げる採用担当者もいると思いますが、じゃあ、あなたはエントリーをする前の学生を「MARCHの学生」とか「関関同立の理系だったらいいなあ」とか「地元の国立大学ならなお良し」とか思っていませんか?

思っていますよね。実際、そうなんです。

じゃあ、その大学群って、10個もありますか?という話。

学生が上位数十社を「知っている企業」から受けるとしても、文句は言えないでしょう。

じゃあ、あなたは大学を数十校言えますか?という話です。

まずは知ってもらうが第一

まず、なんとしてでも大学と就活生に接点を持ち続けましょう。

ゼミに行くもよし、去年入った新卒の出身大学のコネを使って、学生の進路相談に乗るのもよし。

あるいは学生をプールしている場所にいって接点を持つのもよし。

あなたが経営者ならば、あるいは採用担当者ならば、あなたの会社を「なんとなく知っている」という状態にしなければ意味がないのです。

ここで大事なのは、もちろん「あなたが欲しい学生群に知ってもらう」が第一ですが、最初からそれができれば誰も苦労はしません。

その工夫に頭を使い続けるという前提のもとで、ちょっとしたポイントを書きます。

影響力がある学生と、一見すると地味だけれど優秀な学生に接点を持つ

これは僕が学生側の立場で会社の人たちと話をしたのちに、いまいろんな企業人事の人たちを見ていて思う一次情報から導き出した答えです。

本当はお金をいただけるくらいの情報です。笑

当たり前じゃん?と思う人もいるでしょう。
ところが、意外と当たり前じゃないんだなーこれが。

何故ならば、学生マーケットというのは外から見えるほど単純化されていないし、とても繊細な人間関係で成り立っているからです。

G1カレッジとかそのレベルで学生を引き込むことができる会社であれば、そもそもこんな話をする必要はないのです。ご容赦ください。

 

まず、前提としていっておくと、

自分たちと同レベルの学生にしか相手にされないという覚悟を決める

ことです。学生はみんなアホに見えるならば、それはあなたがそのレベルの学生にしか出会えないレベルである、ということです。悪しからず。

自分が採用担当側の立場であれば、まずは学生にギフトを与えられる存在になることです。

自分が出会うことができる最も優秀で影響力のある学生に対して、ご飯をご馳走したり飲み会に招待したりするのではなくて、
その学生の人生やキャリアにとって価値あることを提供するのです。

その学生が本当に優秀であるならば、必ずその価値をわかってくれます。

優秀な学生の周りには、必ず優秀な学生のネットワークがあります。

まずはあなたの名前を、その人たちに知ってもらうことから始まります。

特に中小企業なんかでいうと、会社の名前よりもむしろ個人の名前の方が先行します。

「◯◯会社の人事」ではなく「◯◯さん」が先行するということです。

それをわかった上で、まっすぐ学生マーケットに向き合い続けることです。

それをやり続けることで、1年間で見える景色が変わり、2年であなたの名前と会社名が広まり、3年でファンができ、4年でブランドが浸透します。4年で1サイクルです。

 

あなたの会社を知ってもらう前に、まずはあなたが学生のことを知りましょう。

あなたの会社の名前を覚えて欲しいならば、まずはあなたが学生の名前を覚えましょう。

スタートはそこからだと思っています。ありがとう。

 

(2019年1月追記)