商談の行方は、商談の前に何をするのか?で8割決まる。「お金の流れの理解」と「お困りごとの仮説」

2019年5月21日挑戦するセールスパーソンたちへ, ビジネスパーソン向け

(2018年9月29日追記)

「◯◯に困っています!」という方。気軽にお問い合わせください。
ブログで解答差し上げます。(もちろん匿名性は守ります)

ちゃんと頂いた方には、僕はちゃんと答えます。

***

以前に、営業における新規アポイントの獲得について書きました。

アポイントを取った後、商談に臨む前に何をするのか?でその商談の行方が8割決まります。

8割決まるというのは高すぎると思われるかもしれませんが、割と精緻だと思っています。

商談相手には3種類あります。

1.何を言っても受注が決まる相手
(自分たちの会社から誰が訪問をしても案件が進む相手。ニーズが顕在化している、先方の緊急性が極めて高い、など)

2.そもそも何を言っても決まらない相手
(とりあえず話を聞いてみよう、今年の予算がない、そもそも決裁者でない、など)

3.営業の仕方によって、物事が進むかどうか、という当落線上の相手

あなたが相手にしているのは、3「当落線上」の商談相手です。
そしてその相手との商談は、準備が8割だということです。

1や2は商談に臨む前から結論が出ているので、頑張るとろこではありません。

1の顧客だけを持てれば良いのですが、そうではないというが営業の面白いところ。

1の顧客で、自分ならではの顧客を持つ努力をし、そして、3の顧客に対してベストを尽くし、受注をしたり、1に上げることができるようにするのが営業の仕事です。

そのような顧客と商談をすると仮定した場合に、具体的にどういう準備をして商談に臨めば良いのか?ということを考えてみます。

業界の流れとお金儲けの仕方を理解する

僕が日々やっている営業活動というのは、あらゆる業界に対して訪問するため、まずはその業界の流れを理解します。
(特有の業界のみで営業をしていて、業界の知識が十分にある場合は、この作業が省かれるということ)

その業界の流れを理解するというのは、具体的に2つ。

1つは、その業界の産業構造(サプライチェーン)を理解するということ。
その業界がどういう流れでビジネスをしているのか?ということ。

もう1つは、訪問先の企業が、どういうビジネスをしているのか?ということです。

以前にこの記事でも書きましたが、ほとんどの営業は、お客さんがどういうビジネスのもと、お金儲けをしているのかをわかっていません。

サプライチェーンを理解するということです。

to Bなのか?to Cなのか?
相対する顧客のお客さんはどういう企業なのか?
仕入先は?お得意先は?

必ずしも全てを具体的にバイネームで社名を調べる必要はありませんが、取引先の企業名というのは、だいたい会社HPに記載していることが多いです。
そういうところを見るだけでも、お金がどこからどこに流れているのかを知ることができます。
(中小企業の場合は、取引先に大企業を書いている場合でも、下請けでしかない場合も往々にしてあります。そういうことも、わかってきます)

そういう全体感から入ることによって、その企業が抱えている課題感が見えてきます。
お困りことレベルでもいいので、お困りごとであろう仮説と、それに対する提案をできれば10個、最低でも5個、考えてください。

10個は別に多くはないです。売っている商材やサービスは関係ありません。

営業で、顧客のお困りごととそれに対するソリューションが最低5個浮かばないのであれば、そもそも提案営業でもなんでもなく、ただの御用聞きです。
その仮説は先輩や上司を使ってでも立てて、何かしらの情報を持っていきます。

最初は5個でいいですが、できれば10個は考えられるようになってくださいね。

その仮説に役立ちそうな情報を、ネット、過去の案件、他社の事例、なんでもいいから集めます。

僕の場合は、必要に応じてプリントアウトをして持っていきます。メモベースでも構いません。

初期の頃は、提案を自分なりにまとめて持っていったりもしましたが、今はやっていません。

その理由は、
①いちいちまとめなくても頭に入っているから話せる
②提案の安売りはしない(顧客に望まれて初めて、具体的な提案をするポジションを作る)
の2点です。

とはいえ、初期の頃はオーダーメイドの企画書を作りまくったりもしましたが・・笑

1回目の訪問に合わせて作って持っていき、1度も使わずに捨てた企画書も数知れず・・・

一度も日の目を浴びることなく廃棄されていった企画書を思うと心が痛みますが、そういう無駄を積み重ねた結果、今につながっているような気がします。うん。

商談相手の悩みの仮説を考える

そして、仮説思考をもう1つブレイクダウンさせます。

訪問する企業のお困りごとを考えた次は、お会いする商談相手のお困りごとを考えます。これも上と同様に、お困りごとの仮説と、それに対する情報を集めます。

一番いいのは、自社で実績があることと、他社での事例が話せることです。

ここで最も大切なことは、その人の「本質的な」お困りごとはなんなのか?ということ。

その人だって、あなたと同じサラリーマンなのです。

あなたが次に会う商談相手の95%は、「社会を良くしたい」という大きな志ではなく、「売り上げを伸ばせ」「コストを下げろ」「新たな事業のきっかけを探せ」というような組織のミッションのもとで仕事をしているということです。

その立場を汲んだ上で、お困りごとを一緒になって考え、コミュニケーションをとるのです。

(この辺りの事例は、こちらに書いています。再掲)

その上で、顧客の期待を超える努力をします。

それを考えると、初対面の相手にいきなり自社のサービスの概要と特徴や、自社の歴史や、自社のサービスがどれだけ素晴らしいかを相手に語ることが、全くもって無意味だということがわかるでしょう?

綺麗に作った自社サービス概要のパンフレットは、実はお客さんは興味がないのです。そして、そのお金は、顧客からいただいたお金だということ。
それくらいの感性は持っていたいですね、ということです。

***

とまあ、一旦2つに限って書きました。

細かいポイントは色々あるのですが、準備に関しては上の2つで十分です。

実際に商談の場での話しの進め方や、クロージングのポイントなどはあるにはあるのですが、それはまた次の機会に。

がんばれ。挑戦するセールスパーソンたちへ。

 

<追伸>

「こういう話を書いてほしい」と言ってくれたあなた、ありがとう。
嬉しかった。

いっぱいオーダーをいただくと、どんどん具体的な話を書くことができますね。