理由を潰す会話をされているな、と感じる瞬間。

2018年10月19日思うこと

去年の夏頃に書いた記事が出て来た。。懐かしい。

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営業のスキルのひとつに、「理由を一つずつ潰してあげよう」というものがあります。

相手に対して、相手ができない理由を一つずつ潰していくというもの。

会社だったら分かりやすくて、例えば営業先の担当者に「私には決められないんです」と言われたら「では、決裁権を持っている人は誰ですか?その方に繋いでください」という。

「予算が足りなくて、、」と言われたら「では、予算の責任者に繋いでください。この予算内で解決できるすべを考えましょう」と言う。

「検討して、お返事いたします」と言われたら、「いつまでに返答できますか?あなたが上に通すのに必要なことを一緒に考えますので、懸念点を挙げてください」と言う。

これは一つの簡単な例ですが、基本的にベースとなるのは「できない理由を潰してあげる」ということ。

優秀な営業マンであるほど、そのスキルが高い。

そしてこのスキルは、非常に価値あるもので、どこにいっても通用するスキルだからこそ、優秀な営業マンはどこにいっても活躍するし、基本的にどんなものでも売ることができます。

というのは、一大学生である僕が見えているものだという解釈で、読んでくださいね。

このスキルが有効に発揮される場面としては、僕の実体験としていうと、例えば学生団体のチームで何か一つの物事を達成しようとする場合。

来週のミーティングまでに、これとこれをやってくる、というのを決めたとします。

その時点で、メンバーのできない理由を明確に言語化する、ということをするんです。

大学生なら、例えば「バイトがある」とか「講義がある」とか「予定が入っている」とか、いろいろあると思います。

それを全部把握した上で、チームのリーダーがメンバーに対して

「じゃあバイトがないこの日の、講義が入っていない午後のこの時間に、この仕事をこういう段取りで進めてみよう。進め方でわからないことはある?」

という進行の仕方をすると、できない理由につながりそうな懸念点が、全部浮き彫りになります。そして、その場で一つずつ言語化していく、みたいな。

これが仕事であってもそう。

基本的に大きく振られる仕事に対して、優秀な人というのは、決してざっくり仕事をもらわない。

「来週の頭には動き出せるように、今週末までにすべてのスケジュールを切ってGOサインをもらいたいのだけど、金曜日は別件が入っているから、木曜日のこの時間までに自分の方でスケジュールと全体像のラフ案を作って確認を取る、ということでいいですか?」とか、そういった仕事の共有をする。

僕はこのことを、今やっているお仕事を通して、上司やその上司のあり方を見て、学ばせてもらいました。

(こういったことは、自分で気づいて、盗んでいくしかない。。)

できない理由を言語化していく、ということは、ものすごく有意義な手法。

会話であっても、タスクであっても、この感覚を持つか持たないかでは、すごく大きな差があるのだと気づかされました。

と、ここまでいろいろ書いてきましたが、翻って、自分がそういった理由を潰される会話をされたときは、あまり気持ちの良いものではない。ということを書きたいと思います。

理由を潰す会話をされているな、と感じる瞬間

例えば、学生活動をしている同世代の中で、とあるイベントに招待されたとします。

自分の中では「なんとなく嫌だから」という理由で断った時に、「今回はなんで参加できないの?」とか、「どういうところが嫌だったの?」とか、「じゃあどの日程だったら次は参加できそう?」とか、そんな風に言われると、ものすごく微妙な気持ちになるんですね。

だから僕は「なんとなく嫌だ」と断るようにしています。

言い方を変えるならば、直感です。

こういう理由なので、ごめんなさい。

という回答が筋が通っているのかもしれないけれど、それに対してその理由を潰してくるということがわかっているので、もう直感です、という以外にはない。

決断に、理由なんてないからです。

全部を論理的に言語化していくことは大切な場面もありますが、そうでない場面もある。

そのさじ加減はすごく難しくて、僕もまだまだ成長したいと思っていますが、少なくとも僕自身に関しては、論理的に説明できないものというのを、すごく大切にする人間だということです。

大学時代に物理という学問を学ぶ中で気づかされたこと。

大学で物理をやっていてこんなことを言うのもアレですが。。

僕は、論理的に説明できること自体に、あまり絶対的な重きを置いていないんだなと。むしろ、論理的に説明できないようなことも大切にして生きていて。

どちらも大切。

ビジネスパーソンとして、ロジカルに物事や会話を積み上げていくことは非常に大切だけれども、一方でそれだけではない大切なものがあるというのも事実。

今のこの感覚を忘れないまま、大人になりたいです。

大切なことを教えてくれて、ありがとう。

<追伸>

結局、丁寧なコミュニケーション、会話のキャッチボールが大切だという仕事の本質は変わらないということだと思います。

今年から社会人になる僕にとって、どのレベルでコミュニケーションができるのか、というのはすごく大切。

今度は社会人として、改めて今回のような内容を書こうと思います。