「孤独」の読書術(里中李生著) 〜自分の内側にある「孤独」と向き合う〜
里中李生さんという作家をご存知でしょうか。
この『一流の男、二流の男』という本は書店などで見たことがある方も多いかもしれません。
有名な三笠書房から出版されていて、それだけでもう読んでみようと思えるのですが、僕が確か大学に入ったすぐの頃に読んで、里中李生さんの本の面白さに惹かれていきました。
里中李生さんはわりと棘のある書きようなので、痛い人には痛いし、好きじゃあない人もいると思いますが。笑
でも僕は、彼の「過激さ」とまでは言わないけれど、内側から出る激しさが好きです。
そこには愛があるような気がするから。
ちょっと話は変わりますが、三笠書房っていいですよね。
それだけで安定感があるというか、ハズレがないというか。
僕の好きだった加藤諦三さんも中谷彰宏さんも三笠書房からたくさん本を出しているイメージがあって、ここなら。と思っています。
ちなみに、三笠書房から2010年に出版されている、川北義則さんの『20代でやっておきたいこと』という本は、歴史に残る傑作です。(と僕は思っている)
この本についてはまた別の記事で書こうと思いますが、素晴らしい本だと思っています。若い世代に向けた本を出版している三笠書房の最高峰じゃあないかな。個人的にですが。
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さて。
里中李生さんの『孤独の読書術』という新しい本を最近読みました。出版は去年の夏ですね。
あなたが今、仕事でも恋愛でも限界を感じているのなら、
この1年、孤独に読書に没頭してほしい。
きっと大きく成長できるはずだ。
という言葉が本の表紙の裏に綴られており、これがこの本のいちばんのメッセージではないかなと。
僕は大学に入る前、10代後半の数年間、すごくすごく孤独でした。
病気をしてしまって、高校にも行けない、もちろん大学受験もできない。自分の部屋に篭ってひたすらに仙人みたいな生活(笑)をしていたあの数年間です。
あのとき僕を支えてくれたのが、膨大な読書だった。
あのときに読んだ言葉や文章、読書を通して見せてくれるもっと広い世界。そしてその世界と繋がっているんだ、僕は必ずそこに行くんだ、という想いが、あの時の僕を支えてくれたし、今の僕の大きなベースになっています。
そして様々な書籍を読む中で、繰り返し説かれていた言葉が「孤独に自分を磨け」ということでした。
僕はの大学時代も、特に前半に2年間、僕はほとんど誰とも関わることをせず、ひたむきに自分と向き合って、なんだろう。悶々とし続けたんです。
振り返ってみると、大学に入るまでの数年間を入れると、約5年という長い歳月を僕は、ほとんど一人で過ごした。
その「孤独な時代」が今の僕をつくっています。
じゃあ、だからあなたに「孤独になれ」と言っているわけではありませんが、この本が伝えたいこと、そして本を問わず一貫して里中李生さんが言っていることがわかる気がする、ということです。
この本は、25冊の書籍を里中李生さんの言葉で紹介しています。
僕はそのほとんどを読んだことがありませんでしたが、全部読んでみたいと思える。それほどに強い彼のメッセージが込められています。
男の生き方。強さ。激しさ。寂しさ。そして、孤独。
深い思考の海の中に入って行くことで、僕自身、自分の内側にある激しさや苛立ちや、何とも言えない感情と向き合うことになるんです。
あの頃からずっと抱えている、それらの感情は僕の中に残っているし、そしてやっぱり読書がそれらを癒してくれます。
癒すというよりも、なんだろう。寄り添って、それらの感情を肯定してくれる気がする。自分で肯定する後押しをしてくれる、という方が正しいでしょうか。
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ここで紹介されている本を全部読んだ後にまた、この本を読み返してみたいと思います。
あるいは社会に出て数年経った後に、見える景色が変わるのだろうか。
楽しみです。
ありがとう。