ゼロ(堀江貴文著)は、むしろ厳しさを含んだ僕らへのメッセージ本だと思う。
少し前に、ホリエモンこと堀江貴文さんが書いた著書『ゼロ』が話題になりました。
ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく
堀江貴文はなぜ、逮捕され、すべてを失っても、希望を捨てないのか?ふたたび「ゼロ」となって、なにかを演じる必要もなくなった堀江氏がはじめて素直に、ありのままの心で語る、「働くこと」の意味と、そこから生まれる「希望」について。
読んだことがあるかもしれませんが、みなさんは著書である堀江貴文さんに対してどういうイメージを持っているでしょうか。
誰もが最初は「ゼロ」からスタートする。
失敗しても、またゼロに戻るだけだ。
決してマイナスにはならない。
だから、一歩を踏み出すことを恐れず、前へ進もう。
というのが 、この本に込められたメッセージです。
堀江さんがどうしてここまで働くこと、社会に対して何かを発信し続けることにこだわるのか。
ということが彼自身の言葉で書かれている本だと思います。
という前提のもとで、僕なりにちょっと違う角度からこの本を眺めてみようと思います。
ホリエモンこと堀江貴文さんに対するイメージ
ホリエモン。
社会に対して斜に構え、なにかブラックなことをしてまでお金を儲ける金の亡者。
マスコミを敵に回し、ついには犯罪まで犯してしまった人。
僕ら(の多く)は、堀江さんに対してそういうイメージを持っています。(そうでない方もいらっしゃるのは、十分承知な上で)
のちのライブドアとなるオン・ザ・エッヂという会社を東大在学時につくり、経営手腕を発揮して会社を成長させた後の、いわゆるマスコミに取り上げられるようになった後のイメージです。
球団買収、ニッポン放送買収、そして俗にいうライブドア事件。
ちょうど10年少し前のことなので、その当時僕は小学生高学年から中学生くらい。
もちろん詳しくはわからなかったのですが、その当時から堀江さんという存在は、なぜか僕の中にずっと残っていました。
少しだけ僕の話を書くと、中学から高校に上がる頃、僕はビジネス書を読み始めます。
いろんな経営者や著名人の書籍を読む中で、「お金」というキーワードでいちばん僕の中に引っかかっていた人が、堀江さんだったんです。
堀江さん自身が世間からのバッシングを浴びていたことは、当時の僕でも知っていました。収監されたことも知っていましたが、堀江さん自身が発信し続けている言葉や考えは僕の中に残っていて、どうしても僕には社会の多くが言っている「ホリエモン像」と、実際の堀江さんは幾分乖離しているようにしか思えませんでした。
もちろん、歯に衣着せぬものの言い方は、多くの人の癪に障るところもあるのはわかりますが。。笑
でも、ひたすらに「自分が正しいと思ったこと」を社会に対して発信し続ける。問いかけ続ける。おかしいと思ったことは、おかしいと主張し続ける。そして何よりも自分自身で行動し続ける。そんな堀江さんが、僕にはすごくカッコよく思えていたのも事実なわけで。
そんな中、確か僕が大学生になった後にこの『ゼロ』という本を読み、衝撃を受けました。
僕らが勝手に思っている、あるいは世間が作り上げたイメージと、実際の堀江さんは全く違うと。それほどに、民衆というのは、民意というのは、恐ろしいのだと改めて実感させられました。
堀江貴文さんの生い立ちについてと、僕らへのメッセージ
この本は、堀江さんの幼少期の生い立ちから書き綴られています。
福岡のある街で生まれて東大に行ったこと、その東大時代に起業したことくらいは知っていましたが、幼少期の環境であったり、母親のこと。学生時代にどんな想いを持って、どういう経緯で起業に至ったのかということ。
僕らはそんなことを知りもせず、そして知ろうともしていなかったんです。
この本には、なんだろう。言葉はあれですが、いかに彼が「普通であるか」ということにスポットライトを当て、そのことが繰り返し書かれているのだと思うんです。
とある田舎町で生まれ、普通に(まあ何が普通なのかということ置いておき)育ち、その町から想いを持って東大に入る。
どこまでも、自分がこうだ!と思ったことをやる。やり続ける。という堀江さんの姿勢というか生き方は、幼少期から一貫しているような気がして。
そんな彼が大学時代に起業をし、実業家として名を馳せ、紆余曲折を経ながらも今に至るまでのストーリーが綴られています。
僕はひとつ、この本は僕らに向けたメッセージ本だと思うんです。
それは何かと言うと、「特別な人でなくても、やればできる」というシンプルなメッセージなのではないかと。
彼はおそらく、自分の生い立ちが書きたいからこの本を書いたわけではないんだと思うんです。別にそれがしたかったわけではなくて、あくまでも自分は普通の家に生まれ、普通に育ち、(自分にとってということですが)当たり前のことをしてきた結果として、今があるんですよと。
そしてそれは、一見するとすごくやさしいことを言っているように思える。みんな、やればできるんだと。僕らに対して勇気をくれるような本のように思える。
でもそれは同時に、すごく厳しさを孕んでいるようにも思えるんですね。
「でも、堀江さんは特別だから」とか「いや、それは堀江さんだからできたんでしょ」とか、「堀江さんは優秀だし、頭がいいから」とか、そういった言い訳を一切許さない。
できない理由になる「でも」とか「だって」とか、そう言った言葉を読者に言わせない。そんな厳しさを込めた、愛のあるメッセージだと僕には思えます。
(だって、言いたくなるじゃあないですか。堀江さんはすごいから特別だから、って。笑)
とまあ、ここまでは僕の解釈で勝手に書いてきたわけですが、堀江さんに興味がなかった人。あるいは「ホリエモンが書いた本なんて」と思って読もうとしなかった人には、是非一度パラパラとでもいいので、読んでもらえたらいいなと思って、この記事を書いてみました。
ここまで読んでくださって、ありがとう。
***
彼の言葉から、すごく勇気をもらえるんです。
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