「成長環境で働きたい」のベースにあるのは「安定志向」
ふと呟いたツイートに反響があったので引用。
「早くスキルを身に付けたい」「成長環境で働きたい」という学生諸君の共通項は、極めて安定志向だということに改めて気付いた今日この頃。
— ゆってぃ(Yuttie) (@zoktotuya) January 28, 2020
毎週のように就活生と話し(プライベート)、会社の新卒採用も関わらせてもらっている中で、よく「なるべく早くスキルを身につけたい」とか「成長環境で働きたい」と言う人の多いこと。
スキルって何?成長って何?
という問いかけに対して、一発で答えが返ってくることはほとんどない。
まあ、社会で働いたことがないので、そりゃそうだと思う。
とはいえ、ここまでいうからには、ある一定の仮説のようなものは持っていてくれたら嬉しいなあと思いつつ、僕なりに思うことを書いてみようと思う。
成長志向のベースにあるのは安定志向
僕の就活時代を振り返ってみても、わりと当てはまると思います。
成長環境で働きたい!と強く言う学生は、実は他の人よりも安定志向が強い場合が多いのです。
一般的な学生が語る「安定」とは、例えば「終身雇用」だとか「一生安泰な企業」だとか、そういうイメージで語られることが多い。
ですが、一歩踏み込んで考えると、実は「終身雇用って終わっているよね」だとか、「一生安泰な企業ってないよね、だって銀行もJALも潰れる時代だし」ということが見えてきます。
となると、実は「潰れても大丈夫なように稼げるスキルを身につけよう」だとか「転職できるように市場価値を高められるようにしよう」とか、そういうことを考えます。
その結果、出てくる言葉が「安定=成長」となるのだと。
多くの学生と話をしていて、そこに気づかされました。
🤔
— ゆってぃ(Yuttie) (@zoktotuya) January 29, 2020
安定志向がベースにあって、その先は人それぞれかなあと。
例えば、今目に見えているものに飛びつく人もいれば、今はわからないけどその時々で必要な専門性を身につけたい、と思う人もいる。
書いてて思いましたが、安定志向がベーフにあると気付くのが大事なのではないでしょうか…!(たぶん)
安定志向は大事だと思う。なぜ安定を求むのか?を考えよう
あ、書き方だと思いますが、僕は「安定志向」はとても大事な要素の一つだと思っています。
だって、そうでしょ?人生の中で不安定さがたくさんあるよりは、もちろん安定していた方がいい。
じゃあ、あなたがいうその「安定」って、なんですか?
「お金の安定」と答える人も多いはず。であれば、あなたのいうその「お金の安定」とはどういう状態のことでしょうか。
「お金の心配がない状態」というけれど、それっていくらですか?
「多ければ多いほど良い」というけれど、そんなことを言っていればキリがありませんし、じゃあ年収3,000万円稼ぎたいですか?というと、いやそこまでは、という。
たいせつなことは「なぜ、お金が大事なのか?」を考えることだと思うのです。
ひいては、なぜ、安定が大事だと思うのですか?という問いに対して、自分なりの答えを持つことです。
例えばいま、日本人の労働人口の平均年収はだいたい420〜430万円と言われています。
多くの人はなんとなく「そのくらいあったらいいな」と思っていますが、ちゃんと理由を言えますか。
マーケット感覚を磨くことも安定の方法だと思う
「安定」=「スキル」という考え方も1つありますが、実は必要なスキルというのは、その時代に応じて変化します。
例えば、僕の母親が20代〜30代の時には、企業の中で経理の仕事をしていたそうです。
簿記◯級という資格を取り、帳簿と睨めっこをしながら、正確な作業をこなしていて、そのスキルは当時の企業にとってはすごく重要だったのです。
ですが時代は変遷し、企業にコンピュータが導入されると、経理の人たちが手分けをしてやっていた作業が全て置き換えられていきました。
当時、何十人でやっていた経理作業は、今は1台のパソコン、1つの経理システムで完結する時代です。
ということは、経理として企業で働けるスキルは変化して、現代では昔ほど安定したスキルではないわけです。(むしろこれから先は完全になくなる)
このように、その時代時代に応じて必要なものを見出す感覚を「マーケット感覚」といいます。
「ビジネスセンス」というような意味合いで使われることもありますが、僕としては少し違うと思っている。
マーケット感覚というのは必ずしもビジネスに紐づかなくても良くて、今のようの中で何が「価値」になるのか、を捉える感覚のことです。
それがビジネスである場合もあるし、スキルである場合もある。
マーケット感覚を磨くには、結局のところ、情報習慣しかありません。
例えば、僕らの日常でもはや使わない日はないと言っても過言ではない「LINE(ライン)」というサービス。
LINEが日本でリリースされたのが、東日本大地震直後の2011年6月のこと。
このLINEというサービスをいち早く使い始めたのは、誰でしょうか?
そう、10代〜20代半ばくらいの若い女性の間で一気に広がり、若者のみならず、若い女性と接するおじさんも使うようになった。
若い女性というのは、トレンドに敏感ですから、「これってイケてる」「あれはイケてない」ということを瞬時に感覚的に察知し、判断をします。
この判断もいわばマーケット感覚であり、そこには情報にアンテナを立てる情報感度に裏打ちされたセンスがあるのです。
*
話が広がっていますが、これからの就活生や若者は、情報感度だけは鈍らせてはいけません。
世の中を眺めながら、若い感覚を忘れてはいけないのです。
若い感覚というのは、新しいものに出会った時に「なんだろう、1回触ってみよう」と思える感覚のことです。
年を重ねると、便利なものを(正確には昔便利だったもの)で事足りてしまうので、新しいものや情報に対する感度が鈍ってしまうのです。
あくまでも個人的な意見ですが、就活生に向けて僕から1つ言えることがあるとすれば、「今求められるスキル」ではなく「未来が変化しても、その環境で必要なものがわかるスキル」を磨ける場所に行くことをお勧めします。僕の今の立場がそうだからです。
それが「安定」につながると僕は思うのです。