人事のお仕事を書いてみた
僕が大学時代に仕事をしていたインターンシップ先の元人事と、現インターン生の就活生と3人でランチに行ってきました。@はま寿司
その人は上場企業(人材業界大手)2社、IT会社・事業会社を経ていまは新卒就活のキャリア・アドバイザー(←今ココ)をやっている人です。
その人と話をしながら人事のお仕事について考えていました。
僕が学生時代に関わっていたインターン先。
僕が大学2年生の頃に出会い、3年生に上がる頃に事業立ち上げから携わってきたその場所は、事業4年が経過をし、一つ、また一つと大きくなっていることを感じて嬉しく思いながら話をしていました。
その事業というのは就活事業を中心としたコンテンツビジネスなので、対学生・対企業(人事や採用)の人たちと双方向でやり取りをしながらコミュニティを作っていくというもの。
僕が今やっている仕事の源泉となる考え方や仕事のスタンスというのは、その場所で学んだことなのです。
就活のイロハ、人事の役割だとか、人材業界(HR業界)云々について語った話がすごくよかったので、人材業界に憧れているだとか人事やりたいだとかコミュニティ事業やりたいと思っている就活生に届けーっ!と思って文章を書きます。
「採用担当」と「人事」の違い
就活のときに出会う大半の大人は「採用担当者」とか「人事の人」という名前がついているわけですが、よく考えてみると「採用担当」と「人事」の違いについて知っていますでしょうか。
就活生にとっては、いま、自分が会って話をしている人がどういう仕事をしていて、会社の中でどういう位置付けなのかということを知ることは、とても大切なことです。
なぜならば、大人の人が(プライベートではなく仕事で)時間を使うというのは、何かしら理由があってのことだからです。
その「何かしらの理由」こそ、組織から求められていることだと知ることからコミュニケーションはスタートします。
例えばOB訪問をするにしても、会う先輩(20代)は会社の中ではまだまだ下っ端で、組織から求められるたくさんのことに頑張って応えなければならない立場ということを忘れてはいけないのです。
また当然のこととして、これから就活をする人たちにとっても、今から自分が会って話をする人がどんな仕事をしているのか?を知っていることは大切なのは言うまでもありません。
話が逸れましたが「採用担当」というのは、その名の通り「採用の担当」の人です。
新卒採用の担当であれば「新卒採用担当」となるし、中途であれば「中途採用担当」となります。
当然、大学生(就活生)が出会う人というのは「新卒採用担当」の人ということになります。
その人たちが会社で求められる一番の仕事というのは、「自社が求める新卒の学生の採用」以外の何物でもありません。
それが「今年は◯◯人の採用」という場合や、「〜〜という優秀な人の採用」という場合もあります。
あるいはその2つを掛け算したものが一般的で、「今年は〜〜の要件を満たす人を、◯◯人の採用をする」という目標があり、その目標に向かって頑張っているわけです。
じゃあ、人事は採用はしないのかというと、そういうことではありません。
人事の人も採用はします。新卒採用も、中途採用もするのですが、それ以外にも目標があるということです。
人事のお仕事は入り口から出口まで
採用担当のお仕事は、ざっくりいうと入社時点まで、です。
新卒採用担当でいうと、就活生〜内定者の人が、4月1日時点に入社式に出席をしてくれることを目標とするお仕事をしているわけです。
一方で人事のお仕事というのは、人周りに関する全般・すべてのお仕事をします。
人の入り口から出口まで、ゆりかごから墓場までです。
ちゃんと書くと、こんな感じでしょうか。
・採用
・配置
・転換
・育成
・評価
・労務
・退職
採用をする(入り口の)ところから、配置・配属であったり、育成・教育をしたり、評価に関わる人事制度関連であったり。
そして最後は退職までと、人に関わる諸々全般を担う部署が人事の人のお仕事なのです。
人事部の中に採用があったり、労務があったりと、色々な役割があるということです。
入社後のことは採用担当ではなく人事に聞こう
もしあなたが就活生ならば、あなたがやり取りをする人は企業の新卒採用担当者です。
連絡が来るのも、選考についてやり取りをするのも採用担当者の人になりますが、あなたが一番やり取りをする採用担当者の人をみて「企業の全て」だと思うことはNGです。
僕も経験があるのですが、企業人事の人たち、大企業になればその中でも「新卒採用部の◯◯です」という人たちが語る企業は、実際にその企業の全てではなかったというギャップを感じることが多々ありました。
例えば「うちの会社の新規事業は」とか「業界の中における事業性について」云々を語る採用担当者は多いはずです。
僕自身の実体験でいうとすごく多かった。「うちの新規事業のやり方は」ということを語るわけです。
それ自体は「企業の魅力」として語る分には全く問題がない。
ようはスピーカー(話す人)としての採用担当者がいて、新卒向けにわかりやすく話すというのはその通りだと思うのです。
一方で、その企業の魅力をあたかも自分自身の経験のように例えば「自分なら新規事業でこうする」という語りをする場合というのも往々にしてあります。
例えば僕自身の経験でいうと、内定者課題のような取り組みの時に、各内定者のチームに1名のメンターという形で新卒採用部の社員がついてくれるのですが、その人はまだ入社数年という段階の人で、そもそも新規事業がどうこうとかのアドバイスをすることはできないはずなのです。
にも関わらずあたかも業界や自社の取り組みを置き換えたようなことを語るということに、内定者ゆってぃはすごく違和感を感じていました。
オブラートに包んでいうと「このくらいの人が採用担当ってしょぼいなあ」と思っていた。
一方で「あ、この人いいな」と思う人は、新卒採用であるという自分の役割と、会社の話と、各事業の話をきちんと切り分けて話をすることができる人。
「私は新卒採用の立場でこう話すけれど、現場はこう、経営はこうだから、また別の話です」と分かって言える人は信頼できた。
特に大企業の役割分担の中で仕事をしている人や、一方でベンチャー企業でなんでもやれると思っているような人が新卒採用担当者の場合は、気をつけて話をしてみることです。
【参考】
実際にあなたが入社をした後のことを聞きたいのであれば、人事部の人に話を通してもらうことをお勧めします。
ようは入り口だけではなくて、入った後の経過や出口まできちんと知っている人と話をしたほうが絶対に良いということです。
あるいは繋いでもらって、各現場の人の話を聞く機会を設定してもらうことです。
採用に本気の会社は、たとえ通例でやっておらずとも、就活生や内定者にそのように言われたら絶対にどうにかしてくれます。
逆にいうと、頼んでもそこまでやってくれない会社は採用に本気ではないということです。
採用に本気ではない会社というのは、僕なら行きません。絶対にいつか衰退するからです。
いろんな役割があることを知ったうえで人に会おう
話が長くなりましたが、最後に一つアドバイスを書きます。
社会や組織には役割というものがあって、特に大人の社会においては基本的にその役割の中で人は動くということを知ることから始まります。
プライベートならいざ知らず、少しでも会社という仕組みの中で大人と会おうと思うのであれば、その大人は少なからずなんらかの役割の中で時間を割いているのです。
役割があるということは、求められていることがあるということです。
組織や社会から求められている役割があるのだということを汲んだ上で、あなたが一番欲しい情報を手に入れるためのコミュニケーションをしましょう。
これは意識をするだけで変わります。が、ほとんどの人は子どものルールで生きているので、意識をすることすらしません。
だから「◯◯さんが言っていた会社の魅力」を信じて入社をしてみたり、挙げ句の果てには「◯◯さんと一緒に働きたいからこの会社を選ぶ」なんていう全く意味不明な結果を選択してしまうのです。
あなたが社会の中で出会う大人は全て、何かの役割を演じているのです。
その上であなたは、どんなコミュニケーションを取りますか?ということです。
いろんな役割を見ることができるのが、社会の面白いところです。
長くなりましたが、今回はここまで。読んでくださって、ありがとう。