優秀なコンサルタントのメモ力

ビジネスパーソン向け

前田裕二さんという名前を聞いて、ピンと来る人はどのくらいいるでしょうか?

今日、僕の目の前に座っている先輩が、その前田裕二さんの『メモの魔力』という本を片手にパラパラしていて、
僕が「おっ、『メモの魔力』ですね、すごく面白かったです!」というと、「ん?んー、そうだねえ」と返されました。

その先輩の隣に座っている美人の先輩(女)が、「その人、石原さとみの彼氏ですよね」とぼそりと呟くと、
「あああ!!そうだそうだ、見たことあると思ったんだ。いやあ、いい本だよねえ」と先輩。

なるほど。好きですよ、僕。そういうの、憎めない先輩です。笑


メモの魔力 前田 裕二 (著)

僕にとってメモとは、生き方そのものです。メモによって世界を知り、アイデアが生まれる。メモによって自分を知り、人生のコンパスを持つ。メモによって夢を持ち、熱が生まれる。その熱は確実に自らを動かし、人を動かし、そして人生を、世界を大きく動かします。誰にでもできるけど、誰もまだ、その魔力に気付いていない「本当のメモの世界」へ、ようこそ。
メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)

圧倒的な気づきのメモ魔になろう

とまあ、冗談はさておき。
この『メモの魔力』という本は、前田裕二さんの思考が詰まっている良書です。
単なるハウツーのビジネス書ではないあたりが、さすがNewsPicksだと思わされるのですが。

前田裕二さんをご存知ない方のために簡単に書くと、石原さとみの彼氏はさておき。笑
SHOWROOMというサービスを展開する、同じ名前の会社を作り上げた人、というとピンと来る人もいるでしょうか。

早稲田の政経を出て証券マンになり、そのあとあの南場智子さんに口説かれてDeNAに入社。
社内のサービスとしてSHOWROOMを立ち上げて、今はスピンオフし、SHOWROOM株式会社の社長という、スーパー実業家。

それでいて31歳という年齢は、本当に世の中の広さを見せつけられます。

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前田さんが著書の中に書かれていますが、メモには2種類のメモがあって、1つは備忘録。そしてもう1つが「気づき」を書くというもの。
世の中のほとんどの人が前者のメモで終わってしまっていて、だからこそ「書いても振り返らないから、メモは意味がない」というようなことをいう人すらいるわけです。

ですが、大切なのは後者の「気づきのメモ」ということ。あるいは、思考の整理ですね。人は言葉にして初めて思考をするという点を鑑みると、書いて言語化してそれを見て考える、というのは、質の高い思考をするという点では極めて妥当な方法だと思います。

何故ならば、発する言葉だけだと、どうしても限定的な思考になってしまうから。
ようは、深く考えずとも今知っている思考の組み合わせだけで、自分の思考が完結してしまう。

せっかく何か新たしい事象を目にして考えようとしているのに、すぐにそれを言葉にして口から発してしまうと、逃げて行ってしまうのです。

前田さんは、恐ろしいくらいのメモだと言います。
思考の切り分けによって、何種類ものノートを、そして書くペンの色も使い分けているという。

ある事象を見て、気づきを書き留め、それを一般化させることによって、他の事象へも転用することができるというのが、前田流のメモだというのです。

 

僕が知っている優秀なコンサルタントというのは、めちゃくちゃメモを取ります。

会話をしながらメモを取り、思考を構造化させていく。
その圧倒的なスキルを目の当たりにすることで、僕自身も「メモをするって、すごいスキルなんだな」と気付かされたことも多々あります。

あるいは、何か思考をするとき、その映像を書き留めていく。
イメージの具現化こそが、ペンとノートというアナログの最大限の力なのです。

優秀なコンサルタントのメモ力というのは、

1)備忘録ではなく気づきを書く
2)その気づきを構造化、かつ、一般化させる(抽象化)
3)そこから「So What?」(何が言えるか?)を考える

の3点セットを、瞬時に行なっています。

 

思い返せば、入社当初、めちゃくちゃ優秀な先輩から「見返さないメモを取るな!」と言われたことを思い出します。
あの頃の僕は典型的なダメメモ魔で、ただ言葉や概念を記録していただけにすぎませんでした。

そこからいつしか、思考の昇華が僕のメモとして書き連ねられていて、見返してみると圧倒的な量のノートが積み重ねられています。
そしてそれこそが、僕の生き様であり、財産なのです。僕の思考の全てが詰まっていると言っても過言ではありません。

僕の宝物です。