化学メーカー大手に就職したい人へ 〜”出世する学歴”を感じたので書いてみた

2019年10月27日就活概論(考え方), 就活生向け

化学メーカー 就職 学歴

 
憧れのあの会社に行きたい。でも、行きたい理由を言葉にできない。
そんな時はその会社で働いている先輩に会いに行こう。
きっと、行きたい理由が見えてくる。

 

就職活動で憧れの業界、人気の業界というのはどこでしょうか?

銀行や商社、広告、最近だとIT業界もそうだと思いますし、日本は元来メーカーが人気でしたよね。

とはいえ、「商社 就活」とか「銀行 新卒」というキーワードで検索をするとたくさんのまとめサイトや投稿が出てきます。

であるならば、それ以外の業界で、実態が外に伝わりづらいところ。
例えば、化学メーカーというニッチな業界(でも日本国の産業にとっては非常に重要な業界)について、「学歴」や「裏事情」というのを書いてみようと思います。

こちらのランキングにもありますが、例えば富士フイルム、AGC(旧・旭硝子)という超大企業、三菱・住友・三井という旧財閥系の化学メーカーも有名です。

あるいは東レや帝人、日東紡というような企業もランキングに入ったりしているわけです。

僕自身、こういった化学メーカー大手の企業群とビジネスをさせてもらう中で感じる事業としての実態を以下に書いてみます。

出世する人の学歴は東大・京大・阪大という旧帝大の化学系出身が多い

昨日、東京出張で、関西と関東の大手化学メーカーとの商談に行ってきました。

メーカー各社で上まで行っているという定義は微妙に異なることもありますが、例えば各事業部の部長以上になっている人たち。

経営企画部、R&D部、新規事業開発部、というようないわゆる化学メーカーの中でも花形と呼ばれる事業部で上まで上がっている人たちは、基本的に旧帝大の化学系出身が多いです。(一部、物理や工学系の出身もいる)

有名大学とはいえ、早稲田慶応というような私立大学はほとんど見たことがありません。

できれば博士課程(ドクター)、少なくとも修士課程(マスター)卒業

仕事柄、こういうメーカーにいた人たちの何十人もの経歴を見ているわけですが、基本的に「◯◯博士」や「◯◯修士」という人たちが大半です。

大学を卒業してもらえる学位があり、大学院に進学をし、2年間で得られる専門性が修士課程(通称:マスター)、その先、3年で得られる専門性が博士課程(通称:ドクター)になります。

僕も物理のバックボーン(学位ですが)がありますが、やっぱり最低でもマスターと呼ばれる大学院修士課程までいかなければ、こういう業界で仕事をしていくことはほぼできないということです。

もちろん、必ずしも上のような学歴が必要で、そうでなければ入社できないというわけではありません。営業職然り、それ以外の人たちの方が多いはずです。
重ねて、日本国における就活市場では一般的に、博士課程まで行ってしまうと民間就職は厳しいということも言われたりするわけです。

とはいえ、こういう企業の上位にいる人たちと話をすると、極めて賢いし、優秀な人たちが多いわけです。

そういった環境の中で上に上がっていこうと思っているならば、やっぱり然るべき学歴というバックボーンを持っていることは重要なのだということを感じています。

化学業界の変遷は歴史が重い

日本の化学メーカーは、世界の中でもかなり技術が高く、優秀な企業が多いです。

いま、EV(電気自動車)化に伴う市場の変化で、世界中のメーカーが中国市場に参入していますが、やっぱり日本の企業は優秀であるというのは、世界各国の企業が口をそろえることなわけです。

EVでいうと、電池。電気自動車はガソリンではなく電気で走るので、電気を蓄える電池の性能が極めて重要になります。

世界有数トップ3の電池メーカーはパナソニックですが、産業用の電池というのは1社だけで完結するものではなくて、例えばプラス側、マイナス側の材料も異なりますし、たくさんの部材で成り立っています。

例えばパナソニックが最終製品である産業用の電池を自動車メーカーに売っていたとしても、パナソニックに行くまでにたくさんの化学メーカーを挟んでいます。

そしてその化学メーカーは、世界的に見ても非常に優秀な企業たちが多く、その大半は日本にあるのです。

電池なんかもそうですが、20年、30年以上前から国内の企業がこぞって研究開発を行なっており、化学業界の変遷とその歴史はとても重いということです。




憧れの会社はある。志望動機はない。

憧れの会社はある。志望動機はない。

自分の人生における時間軸を長く考えられる人にはオススメ

化学メーカーの特徴は、研究開発をし、その技術の用途を探し、生産をし、何らかの商品となって、営業が売りにいきます。

その一貫した時間軸がものすごーく長いわけです。数年で結果が出ないこともざらにありますし、企業単位で見れば(とりわけ大企業など)、数十年の研究開発というのは何ら不思議ではありません。

例えばその企業に入社をし、研究開発に携わったり、生産に携わったりするとして、その時間軸は早くて数年、長ければ数十年に渡るということ。

自分の人生のやりたいことというのを考えた時に、その数年〜数十年という時間軸があっているのかどうかは、その企業に入る前にきちんと考えるべきです。

入社した後に、もっとやりたいことがあるとか、10年も20年も待てない!と思ったとしても、業界の時間軸がそうなっているという事実は変わらないのです。

とはいえ、やっぱりやりがいは大きい

時間軸が長いということは、それだけ影響力が大きいということです。

化学業界に限った話ではないですが、やはり日本の今までの経済成長を支えたのはものづくりであることに変わりはありません。

化学業界というのは、僕らの生活の中で目に見えるものではありませんが、実際はそこら中に利用されているのです。

そのやりがいというのは間違いなく大きい。

僕がずっと企業人として生きていこうという覚悟がある人間であったのならば、見てみたい世界だったと思っています。

化学業界は、日本の頭脳の叡智です。