一緒に仕事をした人とは、一生付き合いたいと思う。
「ゆってぃさん、今どこにいますか?たまたま梅田に来ているんですが、もしよかったらと思いまして」
夕方の5時過ぎ頃のことです。個人で独立され、僕らのクライアント先に一緒に入っている方から電話があり、急遽、梅田にある僕らのオフィスで会うことになりました。
たまたま梅田に来ていたということで連絡をくれたそうです。
僕のクライアント先の企業のことで直近やりとりをしていたことと、全く別の話で行政系の案件について話をしていたことがあり、直接話をしようと思ったと。
特にその行政系のことについて進捗があったため、報告をしようと思って電話をくれたとのことでした。
たまたま梅田のオフィスにいたタイミングだったこともあり、15分後には僕らのオフィスで話をしていました。
「たまたま梅田に来たから!」と電話をくれるという関係性と信頼があるというのは、嬉しいことです。
その方はもともと大手の通信会社にいらっしゃり、その後、学校法人の立て直しなどに参画なさったという、ちょっと変わった経歴の方です。
40代前半でサラリーマンを辞めて独立をし、今は個人事業主として仕事をしています。
ご縁があり、僕のクライアント先と共に仕事をすることになったのが、去年の秋前頃。
そこからもうすぐ1年の付き合いになるわけで、いいご縁だなあと思うわけです。
僕は仕事柄、大企業から中小企業まで、あるいは、優秀な企業人からフリーでやっている方までとご一緒する機会があります。
サラリーマンとしてどれだけ優秀であったとしても、市場に出たら、要は個人として勝負したら、全くお話にならないという人たちをごまんと知っています。
個人事業主なんていうのは、やってみて初めてサラリーマンの看板の大きさを知ります。
仕事で付き合う人たちがいかに「自分という個人」ではなく、「会社という看板」に頭を下げていたのかということを思い知るわけです。
そして独立してみたはいいものの、年収200万には程遠く、早ければ数ヶ月、遅くても3年以内には組織に戻っていく。
これが現実です。
大企業の看板に守られている人から見て、どれだけ「ちょっと微妙な個人」であったとしても、自分の名前と名刺で勝負して、何年もやっているというのは、それだけでものすごいことだということなんです。
僕らだって、同じ立場なわけです。
要は、会社というブランドがあるからこそ、お客さんも相手にしてくれるし、こうして一緒に仕事をしてくれる人たちもいる。
人間というのは弱い生き物で、そして、傲慢です。
そういうことを、いつの間にか忘れてしまうんですね。
***
その方にふと、
「ゆってぃさんが、数年後、どこにいっても、一緒に仕事ができたらと思っているんです」
と言っていただけました。
「ちゃんと実績を出して、次に行かないといけないタイミングもありますよね、僭越ですみません。私にできることがあればやりますから」
という言葉は、社交辞令かもしれません。数年後、そんなこと言いましたっけ?と言われるかもしれませんが、それでも、その言葉はとても嬉しかった。
僕はこうして出会った人と、一緒に仕事をした人と、一生付き合っていきたいと思っている。
立場や会社を超えて、やっぱり人と人として、そうでありたいと思っているんです。
周りの人から見れば、つまらないポリシーかもしれませんが、僕にとっては大事な正義なのです。