「過去」→「今」のベクトルの延長線上に描く未来。〜そして、自分の軸を手放すことの大切さ〜

2018年10月27日就活生向け, 自己分析



憧れの会社はある。志望動機はない。

憧れの会社はある。志望動機はない。

 

(2018年1月追記)

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18卒以下の就活生に向けて開催した「自己分析ワークショップ」のイベント。

ちょうど1年前に僕ら自身が就活生だった頃からやっていたもので、この約半年は時期の関係もあって、なかなか開催することができなかった。

9月に入り、17卒の就活の多くが終着し18卒にシフトし始めたいまの時期。

まず最初に伝えるべきこととして、「自己分析」の大切さを伝える。ということで、自己分析ワークショップを開催し、僕は運営の立場で参加しました。

僕自身が就活生だった時、何回も、それこそ十数回とこのイベントを運営し、そして参加者として参加してきましたが、約半年ぶりの自己分析の場が、ものすごく新鮮なものに感じられて。

この感覚を忘れたくないなと思い、いまこうして言葉を書き綴っています。

就活において、自己分析は大切。

その言葉はよく耳にしますが、盲目的に自己分析をすることや、とにかく自分を知ろう!ということではなくて、そもそもどうして自己分析が大切で、どうしてする必要があるのか、ということです。

面接官は何を求めているのか?

なぜ、自己分析が大切なのか。

このワークショップの冒頭では、その前提を伝えることから始めます。

企業と学生のミスマッチの問題が起こるのは、要するに自分のやりたいこと、できること、できないこと、なりたい姿、価値観。といった自分の「軸」がわからないことが原因ですよね、ということ。

加えて、面接の場で面接官が見ようとしているのは、その人の「行動」ではなくて「人間特性」ですよ、という話。

面接を受ける学生の大半は、本当にほとんどの学生は、「行動の説明」で面接が終わってしまう。

例えば、「学生時代にがんばったことはなんですか?」という質問に対して、「留学に行きました!」という話をする人がいたとします。

ここで知りたいのは、留学にいって何を学んだのか。どんなことが大変で、どうやって乗り越えたのか。というような、その人”ならでは”の話なんです。

面接官はそこが聞きたくて「留学に際し大変だったことはなんですか?」と質問をします。

そこで答えるのが「留学費用を貯めるためのアルバイトが大変で、私はアルバイトをがんばりました」みたいな話をするわけです。

「私はもともと海外に興味があって、高校生の頃から海外に行くのに憧れていました。ですので、大学に入ってからは、留学をするために、アルバイトと、そして語学サークルを頑張りました」みたいな話になります。(こういうパターン、本当に本当に多いw)

文章でこのように書いてみると分かりますが、この話からはその人の「人間性」というものは、全く見えてこない。留学の話から、高校時代の話から、アルバイトと、最後はサークルの話になっていて、終始「行動」の話で終わってしまっている。その人の人間性が見えないんです。面接官が最も知りたいなのはそこなのに。

そうではない。

行動の内側にある人間性、言うなれば「あなたらしさはなんですか?」ということです。エピソードはなんでもいい。

上の話でいくならば、「高校時代から留学に憧れていた」という話は、誰でも言える。僕でも言えるんですね。

そうではなくて、「なんで留学にいこうと思ったのか?」という理由は、あなたにしか語れないものだからこそ、「こういう原体験があって、留学に行きたかった!」という話をすべきなんです。

留学に際し大変だったエピソードというのも、アルバイトが大変だったというのは、僕でも言えます。

そうではなくて、留学先で大変だったエピソードを具体的に話して、どうしてそれが大変だと感じたのか。それを乗り越えるためにどんな試行をして、どう乗り越えたのか。その話をすべきなんです。それが「あなたらしさ」ですよ、ということ。

だからこそ、「過去のエピソード」と、それに紐づく「人間性」(=あなたらしさ)を、一貫性を持って伝えることが大切ですよね。だから自己分析はすごく大切なんです。

ということを前提に、就活に寄った話ではなくて、僕が思うより本質的な自己分析について、少し書きたいなと。

「過去」→「今」のベクトルの延長線上に描く未来

自己分析の本質は、就活に限らず、自分の生きていく上での「軸」を具体的にしよう、ということです。

過去の選択と、過去の出来事の積み重ねで「今」ができています。

つまり、過去の一つ一つを丁寧に言語化していくと、紆余曲折はあるだろうけれど、大きく見ると「過去」→「今」へとつながるベクトル、矢印ができるはずなんです。

そして、それがあなたの「軸」ということになる。

過去の選択や決断には全て理由があって、たとえそれが全て言語化できなくても、客観的に考えるということは大切です。

その全ての積み重ねの先に、今のあなたがある。

(絵を書いてみると、解りやすい。「自己分析」というのは、「過去」→「今」を言語化していくこと)

「過去」→「今」とつながるベクトルの延長線上に「未来」を描くならば、それがあなたの「軸」に沿った生き方になるはずだと。

それがひとつ就職ならば、その軸にあった企業に行くべきだし、就職ではない生き方をするならば、それもまた正解で。大切なのは、自分の価値観と軸を具体的にして、その上で人生を決断していくことなんですね。

「過去」→「今」→「未来」へとつながる軸。

その軸は、少しずつ、少しずつ太くなっていく。

それが成長していくということ。

だから自分のことを知るということは、大切なんですね。

これが、僕が思う、自己分析の本質です。

自分の軸を手放すことの大切さ

ここまでこうして散々と自己分析の大切さを書いてきたわけですが、その上で、僕は別の選択肢もあるのだと思っています。

「過去」の延長線上に「今」があるのは間違いない。

全てはつながっているし、これからもそうだと思う。

それでも、次のステージの扉を開けて、次の世界にいこうと本気で思うならば、今までの価値観とか、軸とか、そういうものを手放すこともまた大切なんじゃないかと思っています。

今、あなたが両手に持っているものを手放さないと、新しいものは掴めない。

僕はそう思っている。

今、立っている場所を手放さないと、次の場所には行けないわけで。

それは「捨てる」ということではなくて、それまでの思い出は心の中の箱にしまって、大切にとっておく。

過去に縛られていたら、未来はないわけです。

心の中の箱にしまった後は、その蓋は閉じておく。

何かを手放した先にしか、新らしい何かは掴めないんだと、僕は思っています。

過去のあなた。今のあなた。

それらは全てあなたであって、それ以外ではない。

それを踏まえた上で、本気で次の世界を目指すならば、過去の自分にとらわれていてはダメなんだと。

それが、本当の意味であなたを生きるということではないでしょうか。

翻って、僕はどう生きるのか。

僕らしさって、なんだろう。

”らしさ”は大事。でも、過去の自分らしさにとらわれていては、新しい自分には出会えないわけです。

過去の自分も、今の自分も全部受け入れて初めて、明日がある。

それが僕を生きる、ということなんだと。僕はそう思っています。

僕は、僕として生きていきます。

長くなってしまいましたが、ここまで読んでくれてありがとう。

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