働き方・就活のあり方が変わると言われて久しいですが、2021年卒業(今の3年生)の就職活動真っ盛りの今も、就活は大学生(高校生)と社会の間に立つ最初の壁として、変わらずに存在しています。

自分自身の就職活動の経験、大学時代から今もなお関わっている就活事業は自社の新卒採用に携わる経験、そしてビジネスフィールドから見たときに、これから社会に出て行く人たちはどういう場所を選べばいいのか?という疑問を、一つ一つ言葉にしようというのがこの記事の主旨です。

再掲にはなりますが、参考までに、筆者自身のプロフィールと就活の経験は以下です。

地方国立大学理学部物理学科を出た後、17卒で就活をし、5大商社、マリン、電博など各業界の上位企業を受け、青R、赤R(グルーバル)など内定多数。※企業名は調べたら出てくるよ!
いまは人材業界大手の企業にて、新規事業開発を主なミッションとしたコンサル事業に従事をしています。

人材業界の企業としてキャリアの入り口から出口までをも見させてもらえる立場と、最前線のビジネスフィールドで経営者・上場企業の新規事業開発を主とした人たちとプロジェクトに携わる中で、「世の中ってこういう世界もあるんだ」というリアルな裏側の情報をもとに、じゃあ実際に就活だとか生き方だとかを考えるとどうなるのか?という話をしています。

大学時代から関わっている就活事業と、いまは自社の新卒採用にも現場の社員として携わる中で(人事じゃないよ)、何かしら提供できることもあるんじゃないかと思っています。

 

ということで、『就活をしようと思ったら実践すべき7つのこと』と称してポイントをまとめました。

読んでくれる人にとって、ひとつでも参考になる何かがあるのではと思っています。

【目次】(本記事の内容)
1.何冊か就活のハウツー本を読んでイメージを膨らませる
2.大学3年生の夏くらいから、逆算でスケジュールを意識して動き始めよう
3.大人と喋ろう
4.自己分析をしよう
5.面接は練習で上手くなる。練習しよう
6.解禁前には内定を1社取ろう
7.落ちてからが本当のスタート

1.何冊か就活のハウツー本を読んでイメージを膨らませる

就活は情報戦と言われます。そうかもしれません。
都会に住んでいる人たちが就活に有利だと言われるのは、人口が多い場所に住むという地理的優位性も一つの理由だと思いますが、圧倒的に情報が集まるからというのが大きな理由です。

大学受験と同じですね。
みなさんも経験があると思いますが、大学受験も情報が集まる都会の方が有利でしょ?

情報といっても「これを聞けば必殺」という一撃必殺の情報があるわけではありません。
多くの皆さんが通過している大学受験を例に例えますが、なぜ、進学校の生徒が有名大学にバンバン合格するのか、その理由を考えたことがありますか?

もちろん、もともと頭のいい生徒たちが集まっているというのはあるかもしれませんが、それだけではありません。
進学校に通っていた人はわかると思いますが、高2まで趣味や部活に明け暮れてろくに勉強をしたことすらなかった人たちが、1年間で当たり前のようにスッと有名大学に進学をして行くでしょう?

大事なのは「当たり前のようにスッと」というところなのですが、ヒントになっていますでしょうか。

そう、進学校の生徒たちの多くが、有名大学にスッと合格して行く理由は、先輩たちが皆合格をしているため、自分もそこに合格するのが「当たり前」だと思っているからです。

いいですか?
勉強ができるから、有名大学に合格するわけではないのです。

「あんな先輩でも東大に受かったんだから、自分なら絶対落ちないっしょ」
と思っている人たちが、その当たり前を可能にする、当たり前の勉強ラインを、当たり前に乗り越えて行くから、進学校の人たちは当たり前に東大をはじめとする進学校に合格するのです。

何が言いたいかというと、どれだけ具体的にイメージができるのかということ。
それが自分にとっての当たり前だと思えるかということ。

就活でも同じです。
大学やサークルの先輩たちが当たり前のように有名企業に就職を決めていれば、後輩たちも「このラインなら受かるっしょ」と当たり前のように受かっていきます。
例えそれが実際に当たり前かどうか、楽勝かどうかは別の問題なのです。

就活について何から始めたら良いかわからないという人は、そもそも今までそういう情報に触れる機会がなかったか、そういう場所にいなかっただけです。
周りの人たちや先輩方に、そういう人がいなかった。

だったら、体験記でも情報でもなんでもいいから収集してみることから始まります。
「なあんだ、こんなもんか。ま、なんとかなりそうだな」と思えて就活をスタートできるか否かは結構大きな差だったりします。

いまの時代、それらしい情報は世に溢れています。
1冊だと情報が偏ることもありますので、最低3冊の就活本を読めば、一旦は大丈夫でしょう。

具体的にどうする?というのは、そこから次の話です。

【就活本まとめ】リクルート、楽天(グルーバル)など内定多数が語る、就活を始める人が読んでおきたいおすすめ本まとめ 【業界分析からSPI、自己分析まで!】

2.大学3年生の夏くらいから、逆算でスケジュールを意識して動き始めよう

就職活動は、スタートも終わりも自分で決めていい、自由参加型の競技です。

いついつから始めないといけなくて、という決まりは、大学生個人の中にはありません。
それはもちろん(建前として)社会の中にはスケジュールというルール(のようなもの)があるという意味です。

「就活、◯月解禁!」のようなものは、経団連(けいだんれん)という、日本の大企業がたくさん所属している組織が決めています。
僕は2017年新卒なので、実際に就職活動をしていたのは2016年です。
当時は、2016年の3月に「情報解禁」ということで、一斉に解禁をした世代です。

この「情報解禁」はスケジュールの一つの目安になります。

僕自身は、実は3年生の最後の3月(2016年3月)の就活解禁を待って就職活動をスタートしたのですが、実際問題として、正直に解禁を待ってスタートを切るというのは遅すぎます。

後の方に書きますが、圧倒的におすすめなのは「解禁までに1社内定を取る」ということを目標にして、就活をスタートすることです。

大体の目安の準備機関としては、やっぱり最低でも半年は欲しいです。
就活にはある一定の慣れが必要で、その期間は人によって違うので一概には言えませんが、最低でも(最低でも、ですよ!)解禁から逆算して半年間は猶予を持った方がいい。

解禁から数ヶ月〜半年というのが一つの目安なので、全体でいうと9〜12ヶ月くらいはかかる想定が良いと思います。取り返しと軌道修正が効くのもそのくらいの期間だと思う。
逆に半年より短いと、「あ、ちょっと違った!」と思った時に軌道修正ができない可能性が高いからです。

解禁までの半年間に何をするのか?

最初の3ヶ月は情報収集をしながら、やっぱり自己分析をした方が絶対にいい。
※自己分析については後ほど書きます

そのあとは、インターンなり早期選考に乗るなりしながら、解禁までの間に1社の内定を取ることを目標に動いていきましょう。

3.大人と喋ろう

就活をした時に多くの人が何に一番苦労をするのかというと、「学生までの常識と全く違う!」ということにビックリするわけです。

学生のルールと、社会のルールは違う。

野球とサッカーくらいに違う。そもそもテニスと陸上競技くらいに違う。
まずはそのルールの違いを認識することから始まります。

僕は以前から「アルバイトとインターンシップは違う」とか「学生アルバイトと企業人はそもそも仕組みが異なる」ということを書いていますが、何が違うのか、ということを考えることにもつながるはずです。

学生の世界と、社会のリアルでもっとも異なるものは「生産者側に立つ」という視点があるかないかの差です。
学生時代までは「消費」がメインでした。消費というのは、お金を使う側、サービスを受ける側、ということです。

一方で社会に出るということは「生産をする側に立つ」ということです。
何かを生み出したり提供したりして、誰かの役に立って、その対価としてお金をいただく側に立つということです。

ドラマでは阿部寛さんが演じた、ドラゴン桜の桜木先生が冒頭、「バカは一生搾取される側にいる」と言っていました。
社会のルールを知らない人がいつまでも搾取される側にいるのは、生産者側に立つという視点がないからです。

いつまでもお客様気分でいると、社会のルールが見えなくなってしまうのです。

 

学生のルールは、努力が評価される。
社会のルールは、成果が評価される。

学生のルールは、消費する側の論理のみ。
社会のルールは、消費者の観点に加え、生産する側の論理も加味する。

学生のルールは、すべての会話が自分主語。
社会のルールは、必要に応じて主語が相手・社会・顧客などに変えることもできる。

etc..

 

じゃあ、どうすれば良いのかと言うと、大人のルールを知ると言うことです。
具体的に言うと、大人の言葉を話すと言うことです。

あ、この人は、学生のルールで生きているな。
とわかるのは、何も思考を聞かずとも、発する言葉を聞くだけでわかります。

大人の言葉を話すには、大人と喋ることです。

ここでいう「大人」とは単なる「社会人」のことではありません。「大人」です。

社会人というのは、学校を卒業して社会に出るとみな「社会人」です。
ハタチを過ぎれば誰もが社会のルールを理解して生きているわけではないのです。

大人というのは、社会のルールを理解して、競技に参加している人のことです。
物事に支配される側ではなく、自分自身の人生や生き方は自分自身でコントロールしようと努めている人のことです。

年齢が20代でもすでに立派に社会で生きる「大人」はいます。
一方で50代になってもなお、学生気分の延長で生きている人もいます。

大学時代に、1人でもちゃんとした大人の人に出会えれば幸せです。
できれば、複数人の大人と話をすることで、社会のルールのようなものが見えてきます。

そのためには、色々な社会人と出会い、微妙だったなと思う人に出会うことも経験かもしれません。
だからこそ、まずは一歩を踏み出して行動してみることが大事なのです。

 

4.自己分析をしよう

色々な大人に出会って喋ってみるということは、就職活動を考え始めた時から、これからの人生でずっと大切になるポイントです。

実際に選考を受け始めたら自ずとイロイロな人に出会うことになるのですから、やり続けてください。

ということで、ようやくここから具体的な就活論に入ります。

単純なハウツーでいうと世の中に書籍や情報が溢れていますから、そこを参考にしていただくとして、やっぱり僕は就活というのは自己との対話だと思っています。

なんとなくレールに敷かれた上を歩んできた学生生活の中で、自ずと「自分は社会に求められるのか?」「何ができるのか?」「そもそも自分は何がしたいのか?」という社会のリアルを突きつけられ、自己との対話を繰り返していくことです。

就活とは対話。自己との対話であり、そして社会との対話であるということを忘れずに持ち続けるのです。

 

自分自身の20年を、きちんと振り返ること。
20年間を、ちゃんと言語化できるようにすること。

自己との対話とは、自分という人間がどういう人間かを言葉にすることです。

いまの自分の価値観や考え方、スタンスと、それができた原体験を紐付けて、言葉にすることができる。
自分とはいったいどんな人間で、何に喜びを感じて、何に対してモチベーションが下がるのか。

気づけばやっているというような無意識で好きなことが一体何で、周りの人に言われた自分の強みがどんなことで、それが周りの人に対してどのような影響を与え、何を評価されてきたのか。

就職活動における面接の場は、自分という商品を企業に対して売り込みをする、一種の営業の場です。

つまり、「私という人間はこういう人間で、御社にこんな利益をもたらしますよ」と適切に売り込むことができ、なおかつ企業側が「この学生がうちに来ると、うちにとってこんなメリットがありそうだ」と思うこと。

学生の今までの生き方と目指す先。そして企業の今までと目指す先。
両者のそのベクトルが一致すると、無事に握手(=内定)、ということになるわけですね。

そう考えると、そもそも自分がどういう人間なのか?ということを自分自身で認識することなく就活に臨むことが、いかに無茶なことをしているかということが分かるはずです。

逆に、自分のことを客観的に分析することを一切せずに面接に臨むから、面接会場の場で面接官に立て続けに質問された結果、「私ってどういう人間でしょう?」と面接官に聞いてしまうことになるわけです。(実際にいます。大勢います)

自己分析のやり方は、別になんでもいい。
それこそ自己分析のハウツーは、巷に出回っていますから。

やり方なんてなんでもいいから、とりあえずノートを1冊買ってきて、自分の今までの人生を全て書き記してみよう。
いろんなことを言語化し、客観的に見れるようにすること。

とはいえ中には、日々自分を客観的に捉えている学生で、自己分析がほぼほぼできている大学生(就活生)も一定数はいます。
でも、できていると思っている学生も、一段階ないし二段階と深掘りしていく質問には、答えられなかったりするので、自己分析の実施期間は短くてもいいからきちんと書いて整理することを僕はお勧めします。

全てのスタートラインは、そこからです。

まず、知っていてほしいことは、自己分析をすることは、すごく痛い!

当たり前です。今までの自分の人生の振り返りを通して、自分の嫌なところ、失敗経験、挫折経験も含め、全てを受容することでしか始まらないのですから。

 

(よくある質問)どのくらいの期間、自己分析をすれば良いのか?

自己分析の実施期間は、3ヶ月くらいは欲しい。
トライアンドエラーを繰り返しながら半年間くらいできればベストだと思います。

特に、今までやってきたこと、あるいは自分という人間がどういう人か、ということがパッと浮かんでこない学生(99%の学生がそう)は、時間をかけて何度も自己分析をやることをお勧めします。

「自己分析」という言葉が好きではない人は、「自己理解」という認識でもいい。

自分のことを、自分の言葉で話すことができるようになって初めて、就活生です。

ちなみに、半年間というのが長すぎると感じた人もいるはずですが、実際のポイントとしてはそうではない。
なぜなら、自己分析というのは自分ひとりで孤独にやり続けるものでは決してないからです。

自己分析という名前に引っ張られがちですが、自分の人生を振り返るということは、自分の周りを振り返ること。
なおかつ、他の人とキャッチボールをしながら深めていくことで、より精度の高い自己分析をすることができる。

ある程度、自分自身で言語化できるようになったら、とりあえず周りの人にぶつけてみることです。友達でも、先輩でも、信頼出来る大人でもいい。

自分ってこういう人間だと思うけど、どうだろう?とぶつけてみる。
すると、なんで?とか、どうして?とか、一歩踏み込んだ質問が来る。

そこでもう一度、自分の言葉で話せるように考えてみる。その繰り返しです。

そうやってトライアンドエラーを繰り返していくことで、自分という人間の理解が深くなってくることを実感する頃には、手応えが掴め始めてくることを約束します。

5.面接は練習で上手くなる。練習しよう

面接で落ちる人の共通パターンがあります。
それは、第一志望群の企業を「本番」にしてしまうことです。

大学受験の時だって、いきなりぶっつけ本番で第一志望の大学を受験するなんて無謀なことはしなかったはず。
少なくとも、模擬試験を何度か受け、過去問を解いて、その上で「いけそうだ」と思って初めて受験本番を迎えたはずです。

それなのになぜ、就職活動ではそんな無茶なことをやってしまうのか。

受かるはずがないんです。だって、そうでしょう?
あなたが「いいな」と思った企業は、他の人だってそう思うはず。

採用する人数は限られていて、練習をして望んできている人と、ろくすっぽ練習せずに「まあ、なんとかなるでしょ」と思ってぶっつけ本番で当日を迎える人。
どちらがうまくいくのかなんて、一目瞭然じゃあないですか。

面接は練習で上手くなります。

その数は人によって異なりますが、平均的にエントリーをする社数は30社前後が最低ラインだと思っています。

最低でも10社以上は、本番の第一志望群の企業を受ける前に、受けておくことをお勧めします。

こういうことを書くと「企業に失礼だ」とかいう人がいてものすごく困るのですが、それでいうと僕は「ちゃんと準備をしないで就活を終える」ということほど、自分の人生に対して失礼なことはないと思っています。

「御社は第十志望です」と言うのはどうかと思いますが、ちゃんと熱意を持って臨めば社会は応えてくれます。
そうじゃない会社はそもそも採用に本気じゃないので、縁がなかったと思えば出会い頭の事故は起きません。

ちなみに、5〜6社落ちることに関してはは馴れ不慣れもあると思いますが、10社以上も1次選考で落ち続けている人、あるいはそもそも筆記試験や履歴書で落ち続けている人は、受けている企業群がミスマッチか、努力の方向性が間違っている可能性が高いので、そもそもを考え直してみることをお勧めします。

 

6.解禁前には内定を1社取ろう

就活は心理戦です。

どれだけフラットに、気後れすることなく目の前の大人ときちんと会話ができるかで決まります。

ちゃんとキャッチボールができれば良いのです。
人事も企業のおじさんも同じ人間で、ただの人です。

でも、採用面接の場というのは設計上、フラットになりづらい。
どうしても「評価する側」「評価される(してもらう)側」という構図になりやすく、その設定が不自然な会話、不自然なコミュニケーションを生んでしまうのです。

特に後半になれば必ず周りの友人や大学同期の進捗状況が気になり始めます。
噂というのは望んでいなくとも耳に入ってくるものです。

「◯◯さんは次、最終選考まで進んだってよ!」
という本当かどうかわからない情報で、多くの人は動揺して「自分なんか・・」とネガティブモードに入ってしまう。

そうなると、普通に会話をすれば受かるところも、変に「御社の事業と理念に共感しており、是非とも働かせてください!」という不自然な会話になってしまう。
不自然な会話というのは、キャッチボールができていないということです。

キャッチボールをしようとしているのに、相手がグローブを構えているかどうか、距離がどのくらい離れているかどうかを無視して、全力投球で豪速球を投げつけているようなものです。

 

5.で書いた「面接は練習で上手くなる。練習しよう」とも関連しますが、1社内定が出れば、そのあと数珠つなぎ的に内定が出るというのは本当です。

余裕が出て、ちゃんと会話をすることができるようになるからです。

就活をする上で一番大事な(でも、なかなか先輩たちが教えてくれない)ことは、「まずはどこでもいいから1社、内定を取る」です。

ゼロかイチか、それがあるかないかの安心感は、それはもう実際に経験をしたことがある人にしかわかりません。
それほど大事なことなのに、喉元過ぎれば熱さを忘れる方式で先輩たちはみな、そのことを教えてくれません。

「どこでもいいから」というのはまさしく文字通りで、本当にどこでもよいのです。
「ああ、自分は(あんな会社かもしれないけれども)社会から必要とされている人間だんだ」と思えるだけで、どれだけ精神的に安定することか。

まずは1社内定を取ることを可能であれば就活情報解禁の前に終えた状態で、就活本番をスタートすることができると、精神的にものすごく楽です。

 

そして実際問題として、やっぱり内定がゼロの学生と、1つでも内定を持っている学生とでは、企業の見え方も変わってきます。

企業人事も人間ですから、自分が「いいな」と思った学生が内定ゼロだと「あれ、本当に正しいのかな?」と思ってしまうのです。人間だもの。

でも、1社でも内定を持っている学生だと、他社が評価しているという(無意識に心理的な下駄を履いて)安心して「この子は優秀だ」と言えるのです。
面接なんて、そういうものなのです。

7.落ちてからが本当のスタート

さて、ここまでつらつらと書いてきましたが、実はそんなに簡単にホイホイ受かるほど、社会は甘くない。

僕は個人的には「社会の厳しさ」よりも「社会の楽しさ」を伝えたいし、そのための面白いコンテンツと、読んでくれる人の人生にとっていい場所を見つけられる情報を提供したいと思ってこのブログを書いていますが、とはいえやっぱりそう簡単には行かないというのは人生と社会の面白いところ。

就活というのは、落ちて初めて「このままではあかんなー」とか「あれ、意外と厳しいな・・」ということがわかり始めます。

就活というライフイベントは、みんなが通過するものだから、まあどうにかなるでしょう。
と考えるのもわかりますが、大多数の大学生ががそう考えているので、結局全体の構図は変わりません。

ということで、やっぱり受かる人は受かるし、受からない人は受からないのです。
でも、落ちて初めて気づくこと、学びがたくさんあるのです。一次情報以上に大切なことはないのです。

「あー、あそこでああいう風に答えたけれど、よかったのかな」とか「いやあ、あの質問に対する回答はこっちだよね、、」とか、そいうやって試行錯誤することで、圧倒的に自己理解が深まっていくからです。

まずは数社、あるいは10社程度は落ちるものだと割り切って、最初の10社を受け切りましょう。
そこからようやく、自分の合う合わないとか、就活ってこういうものなんだとか、面接の雰囲気とか、自分の伝え方とか、そういうことがわかってきます。

ここで経験者から1つのアドバイスをすると、最初から受ける業種・業界や、企業の規模感などを絞りすぎないほうが良いです。
実際に働いたことがないわけですから、情報と印象だけで可能性を狭めるのは、絶対に勿体無い。

実際に受けてみて、一次情報を得て、受かったらその時考えればよくて(意外と良い点が見えてくるもの!)、落ちたらそれを糧にしていくのです。

 

「新卒」というカードは、人生で一回しか使えない黄金のカードです。
その魔法のカードを使えば、どんな企業でも、どんな大人でも、絶対に会ってくれます。話をしてくれます。君はどんな人?と聞いてくれるし、あなたのやりたいことについて議論することができます。

その黄金の魔法カードは、誰にでも一枚、与えられています。
全員が平等かどうかはわからないけれど、その権利は等しく持っているのです。

そのカードを使うかどうかは、もちろんその人の自由です。
使い始めるタイミングも自由。魔法が切れるまで何回使っても、どのように使っても良い。

でも、必ず魔法が切れる時がきます。
それまで魔法は使いたい放題だけれども、一度切れた魔法については、時間を巻き戻すことはできない。

それだけは、できないのです。

でも、それ以外はなんでもできる。
君は今、そのカードを手にしているのです。

僕は君たちに、そのカードの上手い使い方、武器を配っています。

それを知ったうえで、どう使うかは君の自由。

社会とは、そういうものです。
大人のルールとは、必要なものは意思のあるところにしか集まらないのです。

***

長くなってしまいましたが、限られた情報の中で、これだけは!と思うものを凝縮してみました。

もし、もっと話してみたい!という人はメールをくだされば必ず返信します。
質問をくれれば、僕なりの回答をしますので、お気軽に。

ということで、読んでくださって、ありがとう。

ハッピーな人生を送ろうな!


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