教育向けの事業を考えているあなたへ
教育向けのコンテンツを事業として提供をしたい、という。
社会という視点、学びという視点、そして教育という視点はとても有意義ですし、価値がある。
そして何よりも子どもに対して「投資」という観点があるから、事業を考える上ではすごくいいよね、と思う。
教育向けの事業を展開する上で大事なことって、何か知っている?
社会的意義?どんな価値を提供するか?マーケットが大きい?
どれも正解。
だけれども、「ビジネスを考える」という観点では惜しい。
シンプルな本質があるんだ。
それは「サービスを受ける人」と「お金を出す人」が別であるという特性。
意外でしょ?だけれども、これは普通にサービスを作って事業にして、という一通りの考え方だけではなかなか難しい。
だから、塾をやるとか教育向けのコンテンツを作るとかいう事業アイディアはたくさんあるけれど、必ずどこかでショートしてしまう場合が多い。
それは「サービスの受け手」と「対価を払う人」がどこかで入り混じってしまうからなんだ。
あるあるなんだけれど「いいものを提供している」と思っているにも関わらず、やっぱり事業としては何かしらで利益を出していかなければ存続し得ないから、気づけば首が回らなくなってしまっていた・・というパターン。
あるいは、過剰にサービスをしてみた結果、対効果が合わずにフェードアウトしていく事業。。
こういうのって、本当においよね。ビジネスに振り切りすぎてもまた、「お金儲け」だと揶揄されてみたり。
日本のこの「教育者は無償であるべきだ」とか「教育なんだから、お金儲けより子どものことを考えろ!」という独特の風土もまたちょっと違うと僕は思う。
存続させるためには利益を出さなければならない
これは以前、僕がインターナショナル学園を経営するとある中小企業のコンサルをしていた時に、まざまざと「ああ、そうだなあ」と思わされたこと。
やっぱり事業体というのはボランティアじゃないから、規模を維持し、サービスを提供し続けるためには利益を出さなきゃいけない。これはもう資本主義社会のルール。
もちろん、社会的に立場の弱い人たちに対して、最低ラインの教育を担保するというのは、国の役目。
だから我が国には社会福祉機能もあるし、何よりも義務教育という素晴らしい制度が整っている。
義務教育の是非を問われる世の中だけれども、僕は義務教育は必要だと思うよ。
一方で、何かしらの事業体として世の中に対してサービスを提供したいと思うのであれば、やっぱり「価値を対価に替える」ということは考えなければならない。
NPO法人に最も必要なのはお金を稼ぐ力だからね。
ボランティアをやり続けるためには、お金が必要なんだ。
だって、僕ら人間が何かの活動をするためには、それだけでコストがかかるんだから。
大丈夫。本当に価値あるものを訴求し続ければ、誰かが応援してくれるのがこの社会のいいところ。
そのためには、手を上げ続けなきゃいけない。発言をし続けて、自分たちはこんな想いでやっているんです、ということを世の中に対して出し続けること。
それ以外は誰かが手伝ってくれるから。ほら。