世の中を、そして自分自身をきちんと懐疑的に見つめること
ちょっと前に、大学に入りたて(といっても1年生)の後輩と話す機会があって。
はじめましてでいろんな話をして、すごく素直な子で、ああやっぱり素直さっていいなってすごく思ったんですね。謙虚だし。
その後輩は大学1年生なので、もうすぐ1年目の大学生活が終わるわけです。この4月から2年生とのこと。
おそらく大学1年生って、ほんの少し前に大学に入ったという感覚がずっとあって、大学時代は4年間もある。まだまだある。やりたいことはなんでもできる。くらいに思っているのだろうと。
少なくとも僕が大学に入って1年目の頃を思い返すと、そうでした。4年間という時間はものすごく膨大なものに思えたし、あれもやりたい、これも学びたい、で溢れていて。
同時に、自分自身は大丈夫なんだろうか?という、常に不安というか、なんだろう。「不確定要素」みたいなものを持ち合わせてもいたことも事実で。
だからこそ、1日1日はとても穏やかに過ぎていくなかで、気づけばもう1年が終わる。もう2年も経った。という感覚が時々やってくるわけです。
その度に、「これでいいのかな?」と思うこともあって、いろんなことを考えてみるわけだけど、自分でもよくわからないし、明確な答えがあるわけでもないし、言うなれば大半の人は自分と同じように過ごしている(ように見える)わけで、まあいっか。みたいな。
***
その後輩に「大学時代になにかやっておいた方がいいことってありますか」と聞かれて。
その質問が出てくるということはきっと、その子は漠然と自分の思い描く理想があって、でもいまこうしていることは大丈夫なのか、という不確定な日常の中で、揺れているわけです。
もちろん何も考えずに「なにすればいいっすかね」みたいに聞いて回る人も多いですが、それは聞かれた側もわかります。その場合は仮に何かを言ったとしても、その人の中には入っていかないので。
話を戻して、きっとその後輩は自分の中でぐるぐるといろんな想いが溢れているんだと思う。
そのとき僕は「特にこれといったものがあるわけではないと思う。人それぞれだし。自分が後悔しない大学時代を送れればいいんじゃあない」という感じで答えました。本音です。
僕自身、何度も繰り返し考えてきた問いな気がして。
大学時代に、やっておくべきこと(あるいは、やっておいた方がいいこと)ってなんだろう?って。
今なら、以前とは少し違うものが出てくるかもしれない。
世の中と自分自身をきちんと懐疑的に見つめること
僕がいま思うのは、大学時代(まあ高校時代でもいいですが)には、世の中を、そして自分自身をきちんと懐疑的に見つめることが大事な気がします。
早急に、自分はこうなんだ。と決め付けることはしなくてもいいから、世の中を見つめ、人と会って話をし、本を読み、自分と対話し、一つ一つ丁寧に自分自身の中に取り込んでいくこと。
興味があるものがあるなら、それは別に勉強でも部活でもアルバイトでもなんでもいいから、やってみる。打ち込んでみる。飽きたらやめればいいから、とりあえず自分の目で確かめてみること。
ありのままを見つめて、同時に簡単に自分自身に同化することはしないで、懐疑的に見つめることは大事な気がする。疑って見るということではなくて、一度自分の頭で考えてみるということです。
一回は自分の中に入れてみて、でもそれはちゃんと自分で消化する。そういうことを繰り返して、自分なりのフィルターというか、軸みたいなものが少しずつ浮かび上がってくるんだと思うんです。
***
僕自身、もうすぐ4年間の大学生活が終わります。
いい大学時代だったなと思いつつ、残りの時間も、僕らしく過ごせたらいいなと。
その先に、新たに社会人として踏み出していくわけで、でもやっぱり大事なのは「今」を生きることなんだろうと。
ありがとう。