大学生活では、好きな作家の本を制覇してみる。
僕は大学に入る前に、ひとつ決めていたことがありました。
それは、大学生活では、好きな作家の本を全部読もう。ということ。
大学に入る前までも僕は本が好きで、欲しいと思った本は親に買ってもらったり、自分のお小遣いの中から買ったりしていました。
ですがそれでもやっぱり、10代の頃というのはお金がないですから、買いたいだけ買うということは、なかなかできなかったんです。
本屋に行けば、読みたい本がたくさんある。
そこは僕にとって、まるで天国のような世界でした。
にもかかわらず、これだけ読みたい本があるにもかかわらず、買えずに終わってしまうことも多くて。
その「ありったけの本が買いたい!」という願望が、ひとつ大学生活へのモチベーションとしてあったんですね。
いちばんその願望が強かったのは高校時代。
中学の頃までは、特に父親が本代には糸目をつけなく本を買ってくれていました。というよりは、僕が毎週のようにねだって本を買ってもらっていた。毎週ジュンク堂に行って、1週間分の本を買って帰って、その1週間で読みきってまた翌週末にジュンク堂に行く。みたいな生活を繰り返していました。
高校時代は、家計が崩壊気味になったこと。父親が東京に行ってしまったこと。加えて僕自身が身体を壊してしまったことも重なって、本当は毎日でも本屋に通いたいのだけれども。。
という時代を過ごしていました。
その悶々と過ごした時代には、逆にじっくりと本を読み込むこと。自分の内側に思考の森を広げていくこと、を学びました。
こうして言葉を書くこと、思考をしていくこと、を身につけたのものその時代です。
大学に入った僕は、特に最初の2年間は図書館に住んでいるようなものでしたから、ありったけの本を読みました。
同時に、塾講師のアルバイトを始めたことで、土日だけの塾講師の時間でありったけ稼いでいましたから、それがそのまま全部本代にかわっていきました。
僕はその頃、ものすごく文学が読みたかった。
特に、海外の古典文学です。
アメリカ、中国、そしてヨーロッパの、いわゆる古典と呼ばれる本に片っ端から手をつけていったのですが、実はちゃんと読みきれたことは、ありませんでした。
なんだろう。すごく読みたいのだけれども、自分の中に入っていかないんですね。読んだ言葉がそのまま素通りしていくという感覚。それはまるで消化できないご飯を食べているような感覚で、自分の中にほとんど何も残っておらず、途中で読むことをやめました。
不思議ではあったんですが、おそらくそれは、僕自身の中にその言葉や思想、世界観を受け入れる土壌の用意ができていなかったのだということでしょう。
いくら栄養素の高いものを自分の中に入れたって、きちんと耕された畑がないのであれば、まずは自分自身の内側を耕すことをしなければ、ちゃんと根を張ることはないのだと。
海外の古典文学は読めなかったけれど、それ以外の本にはたくさん触れました。
海外の哲学の本、過去の偉人の本、自己啓発の本。日本の小説、ビジネス書。
あらゆるものが僕のいまのベースになっています。
好きな作家の本を制覇してみる
僕の仕事への考え方とか、生き方のロールモデルとして、すごく影響された作家は、千田琢哉さんというかたです。
最初に本を手にしたのは確か、僕が高校1年くらいの頃だったと。
その頃はまだ、千田本はまだ10冊も出版されていなかったはずです。数冊しかないなかで、僕の家から徒歩5分の最寄りの本屋さん。はじめて本を手に取って立ち読みをしたときに、全身が震えたことを今でも覚えています。
そして数年後、僕が大学に入る前にはすでに、80冊くらいの本を出版していた記憶があります。
僕は大学に入る前には、大学に入ったら千田本を全部買って読破しよう。そう決めました。
千田琢哉さんは、その上の世代の中谷彰宏さんの影響を受けています。
彼が大学時代には、中谷彰宏さんの本を全部読んだと。
中谷彰宏さんは、その上の世代である、加藤諦三さんに影響を受けています。
僕はこの大学時代、千田琢哉さん、中谷彰宏さん、加藤諦三さんの本を片っ端から読みました。
もちろん、それ以外にもたくさん読んだのだけれども、いちばん熱心に買って読んだということです。
なんでこれほどまでに熱心になれて、かつ心が惹かれていたのかはわかりませんが、ひとつの要因として、似たタイプであったということが挙げられる気がします。
要は、根拠なしに好きだった、ということ。
自分自身の中に何かしら反応する要素、似た要素があって、その世界観に惹かれて本を読んでいたのだと思っています。
大学時代は、本当に輝く時間にあふれた時代です。
大学時代のひとつの贅沢の中に、好きな作家の本をぜんぶ読めることがあると思うんです。
好きな本を、好きなだけ読んで過ごす大学時代があってもいいのではないでしょうか。
好きな作家の本を制覇してみる。そんな贅沢もまたひとつ、良きものです。
いつも、ありがとう。
<追伸>
確か僕が大学に入る頃に読んだ千田琢哉さんの本。
時間は命の断片。